ろくびー

山中清隆 作品日記
Kiyotaka Yamanaka

プシュカルの寺

2008-12-16 00:12:50 | 透明水彩画インド
Copyright2008 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 
「月の寺」透明水彩画 4号F 2006年作(個人蔵)
インド・ラジャスターン州、プシュカル


プシュカルの町から小山がいくつか見えまして、白い寺院が頂上にある山も見えました。
その山は、思わず登りたくなるような可愛らしいこんもりとした山だったので、さっそくHIDEさんとその山に登ってみることにいたしました。

町から山を目指して歩いていくと、10分ぐらいで山すそに着きました。登山道もちゃんとありまして、てっぺんの白い寺院まで続いています。
山は低木やサボテンが所々に生えているぐらいの岩ゴロ山です。道も岩ゴロ道でして、ちょっとしたアスレチック公園みたいにジャンプしながら岩をまたいでいきますが、とても楽しかったです。

小山の頂上に着くと、そこはそっくり小さな白いお寺になっていまして、入り口で靴を脱ぎ、グルリと景色が見れる外側の展望台に行きました。
周りの景色は荒野とはげ山の連続で、月にでも引越してきたような、ちょっと孤独な感じのする静かな世界でした。
白くて小さいお寺には、管理人夫妻が住んでいまして、素朴で真っすぐな表情が寺のイメージと重なります。
夕方近くだったので、いい風が吹いてきて、寺のてっぺんに立っている赤い旗だけが、パタパタとなびいてとても綺麗でした。

今でも風に吹かれている山の上のお寺と、見守っている人達のこと思います。


■プシュカルの山の上の寺の絵別バージョンです。
出来ればもう一枚描きたかったな~ ♪






プシュカルの夜

2008-11-25 16:52:49 | 透明水彩画インド
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「プシュカルの牛」透明水彩画 4号F 2006年作
インド・ラジャスターン州、プシュカル

この絵はHIDEさんとのラジャスターン州ぐるっとツアーで、プシュカルに行った時に描いた絵です。

プシュカルは、アジメールと言うイスラム系の大きな町からバスで一山超えた静かなところにあります。
この町はヒンドゥー教の聖地で、見所に小さなプシュカル湖と、その湖を囲むように建っている白い寺院群が神秘的でとても綺麗なところです。プシュカル湖は聖なる湖で、巡礼者は皆敬意を込めてありがたく沐浴されていました。

湖に足を運ぶと、花を持った聖者さんが近づいてきます。
聖者さんは 「お祈りをしてこの花を湖に投げ入れなさい・・・・」 っと花(マリーゴールド系)を差し出して、手渡そうとしてきますが、もちろん有料になります。
親切に自然に接してくれる聖者さんもいれば、人相の悪い祈りと無縁そうなチンピラ風聖者さんもいて面白いです。
後者の聖者さん?の花を断ると 
「祈らないのか!・・・・十分に気をつけるんだな~ フフフフ」 なんて怪しい眼つきでにらまれたりします。

この町は宗教上肉類、酒類、卵も禁止されていまして、テンション下がり気味でしたが、HIDEさんとモーニングの美味しいガーデンレストランを見つけたので、夜も行ってみることにしました。
入ってみるとキャンドルの薄暗くあたたかい光でムード満天!星空満天!で申し分なしでしたが、料理はイマイチでした。
そんな中、HIDEさんと食事を楽しんでいる最中に突然停電になり、町全体が真っ暗闇になりました。幸い私たちのテーブルにはロウソクの明かりがあったので、あまり変わりませんでしたがぁ・・・・・が!

「うわー  すげー」

たくさん見えていたロマンチックな星空が、停電を合図に星でぎゅうぎゅう詰のスパー星空に化けました!
落星危険です。落ちてきそうです。テーブルの下に避難しようかしら!マジです。
その星のあまりの多さと美しさにビックリしてしまいました。

その時思いました。
「こんなにたくさんの星さん達に見られとったんや~ まるでぼくらは超満員のステージの上のスターみたいやな~ 丸見えやん♪」

ふだんは気がつけへんけれど・・・

みんな見てくれてんねんな~♪

実はみんなスターなんや!!









あこがれの人

2008-10-06 08:42:35 | 透明水彩画インド
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「あこがれの人」透明水彩画 30号F 2006年作
インド・ラジャスターン州、ウダイプル 

この絵の題名の人は、左のピンク色のお家の二階でテラスに肘をつき、背中を向けている赤色の服を着た女の子です。
もちろん私の憧れの人ではありませんが、ウダイプルに滞在していたホテルの従業員ジャグディシュ君の片思いの女の子なんです。

旅行で垣間見たインドの恋愛事情は日本みたいに自由ではなく、結婚するまで女性は固く身を守り、結婚相手も親が決めるみたいです。そこに宗教ジャンルや身分のハードルも入ります。
絵に描いた女の子も厳しい家庭なのかして外出が許されてないみたいで、姉妹でいつも家に居て時折テラスに出ては、ぼ~っと外を眺めたりしていました。

ジャグディシュ君は髪の毛の長いお姉ちゃんの方が好きで、彼女がテラスに出ていると、

「清~ 彼女にハローって言ってくれ!」

なんてよく頼まれました。 

「ハロー♪」

ハローって声を掛けるとジャグディシュ君は照れて柱の影に隠れます。
取り残された私だけが彼女の目に入り、とりあえず私はニッコリ笑顔ですが・・・・、かなり不自然に映っていたに違いありません。
日本語で言うと 「キモイ」 でしょうか。

そんな感じでしょっちゅう彼女に声を掛けるもんですから、あきれたのかして向こうむいて 「プイッ」 です。


題名はもうちょっと踏み込んで 「プイッ」 でもよかったかな~♪




澄んだ瞳

2008-10-02 00:01:47 | 透明水彩画インド
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「バックサイド」透明水彩画 4号F 2006年作
インド・ラジャスターン州、ジョードプル


この絵はメヘランガル城塞の裏側にある貯水池から描いた絵です。ここではオオトカゲとかタカのハンティングとかが見れましたし、崩れかけた城壁が万里の長城みたいに続いていて、この町の歴史の激しさに浸ることもできました。

この貯水池から少し町に戻って西側の丘の方へ抜けますと家がまばらになってきまして、そこにひっそりと空き地があって牛が10頭ほどのんびり休んでいました。

ジョードプルの町中で牛を描いていると、よく野次馬インド人に邪魔されたりします。牛を故意に追っ払ったり、 「オレの牛だから描きたかったら金払え!」 みたいな~ 感じです。

幸いこの空き地には今誰もいません。

「ラッキー♪」

さっそく牛さんを描き始めました。
誰にも邪魔されずに独り占め描きは最高です。

が、空き地の奥のお家から7歳ぐらいの男の子が一人走ってきました。
男の子はかなり貧しいお家の子でぼろぼろの服でしたが、興味心身の澄んだ瞳の持ち主です。

貧乏君: 「なにしてるの?」

牛描いてんねん!

貧乏君: 「見せて~」

どうぞ!

たいがいこの後、お金とか鉛筆とかねだられますが、めずらしく邪魔もせずねだりもしません。
そこに小学校の青色制服を着た太めの男の子が一人やってきました。

太め君: 「お金ちょうだい!」

・・・・・・(真面目に絵を描いている時はいつでも無視します。)。

そうとうしつこかったですが、彼は根負けしてくれました。
が、作戦変更!貧乏君の肩をもって・・・・

太め君: 「コイツ相当貧乏やからコイツに金やってくれ!」

ムムム・・・・

貧乏君: 「やめろよ~ いらないよ~」


どこまで澄んどんねんこの子!

照れてはにかんだ拒みがとても可愛らしかったです。



あんなふうに生きていけるって・・・・恐るべし♪






インド・ジョーウドプルのチントゥー君

2008-09-20 07:23:58 | 透明水彩画インド
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「ハーベリィー」透明水彩画 4号F 2006年作
インド・ラジャスターン州、ジョードプル

ジョードブルの楽しい思い出の中に、インド人青年のチントゥ君が浮かびます。
彼は学生で年齢は不明ですが、たぶん見た目の18歳より年上です。
なんとなく怪しく、なんとなくいい奴でもあり、とても不思議な存在でした。
HIDEさんと仲良しで、Dホテルの屋上レストランでよくお喋りしていました。

ある日、チントゥ君にお家の夕食に招待され、HIDEさんと私が招かれました。
約束の夕方に彼がホテルまで迎えに来てくれて、3人でお家に向かいました。

ホテルの裏側の狭い道を登って行きますと、近所の子ども達でいっぱいの玄関にたどり着き、ワーッと囲まれれて握手攻撃と名前は何だ攻撃を受け、ボードゲームまでさせられました。みんな得意げになってルールとか教えてくれて、目がキラキラ輝いていました。つりこまれて楽しくなった私達もなんだか子ども頃に帰ったみたいにはしゃぎました。
少しみんなと遊んでからチントゥ君が切り上げて玄関に入り、小さな階段を上って部屋に招かれました。

部屋にはお父さんがソファに座っていて、家族の写真や自慢の紙幣コレクションやらを丁寧に見せてもらい、そしてチャイも振舞われました。
チャイを持ってきてくれたのは、美人で可愛いらしい妹さん2人です♪
黒い色調に鮮やかな模様の入ったバンジャビースーツで決めて登場!そして可愛くごあいさつ。
妹さんは絵のモデルさんになってほしいぐらい綺麗で、チントゥ君の妹でさえなければアタックしてしまうところでした。

その後、お母さんに呼ばれて別の小さな部屋で夕食になり、床に座ってインド式にカレーを頂きました。
たくさん美味しいカレーを頂いたと思うのですが、可愛い妹さんに気がとられて何カレーだったのか、珍しく覚えていません・・・・。

楽しい時間はすぐに過ぎるもので、あたたかいチントゥ家族のもてなしに感謝して、玄関でまた近所の子ども達に囲まれて、私たちは気分良くホテルに戻りました。


いいご家族だったな~♪   で、何カレー食ったのかな~






インド・ラジャスターン州 恵みの雨

2008-09-15 21:57:04 | 透明水彩画インド
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「家からニョキニョキ」透明水彩画 4号F 2006年作(個人蔵)
インド・ラジャスターン州、ジョードプル


最近日本の雨も局地的豪雨があって大変になってきましたが、インド・ラジャスターン州の雨季の初めの雨は、まさにそんな感じなんです。

インドに来て1週間目のジャイプル観光で、旧市街をうろついていたら青い空に怪しげな積乱雲が見えました。折り畳み傘も持っているし、まだ大丈夫やろうと思ってホテルには戻らず観光していました。気がつくと黒い大きな雲が目の前まで来ていまして、雨の匂いもして雷も鳴り始めたので、どこぞの店にでも入ろうかと思った矢先!

「ざっばぁぁぁ!!!」 っと飴玉ぐらいある大雨粒が、滝のように落ちてきました。当たると痛くて重くて、もちろん傘など意味がありませんし、つぶれてしまいます。
降り出すと恐ろしいほどの勢いで、迷ってる暇なく走って建物の下に逃げ込みました。この間5秒ぐらいですが、しのげる場所が側にあってラーキーでした。

が、あまかった~

皆さまご存知かと思いますが、インドの普通の町の道には、牛もいれば山羊もいて犬もネコもネズミも人も沢山いてます。そんな沢山の生き物はみんな道端にナニを落としていく訳でして、(もちろん人も含まれております。)道端はナニ天国なんです~♪

予想どうり道が川になってきましたね~♪
ナニも流れておりま~す。
おっ 私の足が水没中!!
ぶくぶくぶく・・・・♪♪

あぁぁぁぁぁぁ  気持ち  悪りぃぃぃぃぃ~


この日以来、私の30分後雨予報的中率80%に上昇。

が、30分で帰れない所もあるもんですから、ジョードプルにてやはりまた・・・・

予想どうり道が川になってきましたね~♪
ナニも流れておりま~す。
おっ 私の足が水没中!!
ぶくぶくぶく・・・・♪♪♪

さらに

雨で大喜びのちびっ子に囲まれ♪
「ナニ水」 全身にじゃばじゃば掛けられて!!

ひえぇぇぇ~  それだけは~  やめてー!!!  


じゃばじゃば~♪♪ 







カチカチ

2008-09-13 12:20:57 | 透明水彩画インド
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「ビチョーラ湖と宮殿」透明水彩画 30号F 2006年作
インド・ラジャスターン州、ウダイプル 

この絵を描いていた大きなガート(沐浴洗濯場)は、民家から離れた岬にあるので、とても静かでした。お城が目の前に見えて、ウダイプル庶民の憩いの場でもありました。夕方になると仕事を終えた人達や子ども達がワイワイやって来て、沐浴して体を洗い(パンツ付き)洗濯して、ついでに水泳してお喋りして家に帰ります。

絵を描いていると色々話しかけられますが、ウダイプルの人はラジャスターン州の中でも一番絵が好きみたいで、 「集中したいから今喋れないんだ!」 って言うと、あんがい素直に聞いてくれます。

それでもシツコイ人はいるもので、そんな時は鳥が歌っていると思って、ひたすら耐えるしかありません。

11月にもなるとかなり寒くなり、上にセーターでも着ないと寒いぐらいです。
家にお風呂の無い庶民の方々は、選択肢が無いので湖で沐浴して元気に耐えていました。
が、かなり寒むそうです。思い切って泳いで、唇を紫色にして、歯をカチカチ鳴らして上がってきます。

そんな11月の晴れた夕方、ガートの側に座って絵を描いていると、たまたま人の気配がなくなりました。しばらく平和で贅沢なひと時です。 

「邪魔されずに絵を描くのって最高~♪」

しばらくして、後ろに回したウエストポーチを誰かが引っ張ります! 
しつこいので、 「こらっ!」 って振り向いたらリスでした♪ 可愛い~

そこへお母さんと男の子2人(3歳と4歳ぐらい)がやって来まして、はじめ男の子2人は、私の絵をはしゃいで見ていましたが、お母さんに呼ばれて、体を石鹸でゴシゴシ洗われ、その後濯ぎで湖にジャポン!

「ひえー 寒みー 」

しばらくきゃっきゃっ言って、水泳してはしゃいでいました。

この幸せな世界を横目に、私はいつの間にか絵に集中していまして、・・・・
気がつくと私の耳元で 「カチカチカチカチカチカチ・・・・」 っと寒そうに歯の鳴るさっきの男の子がひっついてきました。私の耳に彼のホッペが当たるぐらいにくっついてきて、彼の呼吸とカチカチ音が生々しく、可愛らしかったです。
しばらく私の絵を眺めてカチカチ言った後、とても小さなささやく声で・・・・

「グッッ~ドゥオ♪  カチカチカチカチカチカチ・・・・」

耳元でささやかれてしまいましたが、心の声が聞こえたみたいで嬉しかったです。
その後すぐにお母さんに呼ばれて3人で帰っていきました。


おっさんだと  キモイかも~





インド・ジョードプルの凧上げ

2008-09-12 09:13:50 | 透明水彩画インド
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「午後のメへランガル」透明水彩画 4号F 2006年作
インド・ラジャスターン州、ジョードプル・ホームステー先の屋上


ジョードプルは喧嘩凧で有名?でして、家の屋上から盛んに上げています。形は菱形、サイズはA3ぐらいで、紙の部分に絵が描いてあります。凧糸の凧側15メーターぐらいは、硬い糸切り凧糸になっていまして、ここに相手の凧糸を当てて切るわけです。
かなり遠くまで飛ばし、切ったり切られたりして勝負する男性の遊びでした。年齢制限無く、ちびっ子からお爺ちゃんまで凧に夢中です。
切られて飛んでいった凧は、拾った人に所有権が移りますもんですから、凧を買えないちびっ子達は必死になって拾いにいくんです。

8月何日かは忘れましたが、喧嘩凧祭りの日がありまして、1週間前ぐらいからジャンジャン上がって、当日なんかは数え切れないくらいの凧が上がって凄かったです。ちなみにDホテルの従業員は、凧を50枚ぐらい買って朝から晩まで上げまくっていました。

何回か凧を上げさせてもらいましたが、日本のゲーラカイトより難しかったです。
基本は2人一組で、凧を操縦する人と、その紐を巻き上げたり、逆に解いたりする人です。凧の操縦は風に乗せて飛ばし、どんどんおよがして高く上げ、そこから狙った凧めがけて下から高速で上げたり、上から高速で落としたり、右旋回、左旋回だったり、フェイントかけたり、逃げる時はおもいっきり紐ゆるめたりします。
思った以上に紐さばきが高速で、絡まないように息の合った紐巻き係が必要なんです。

凧が風に乗っているところを楽しむ余裕などなく、常に誰かに挑まれ挑むしかない勝負一色の世界を、飽きもせずに楽しむことが出来るタフなジョウドプルの男性達。そんな彼らを見て、昔の砂漠の戦士魂が宿っているように思いました。



そういや~ ウジュワールは、飛ばす前に木っ端微塵にしてたっけ!


※ウジュワールはホームステイ先のワンパク坊主です。





牛くびなでなで

2008-09-11 14:37:39 | 透明水彩画インド
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「ロバがくる」透明水彩画 4号F 2006年作
インド・ラジャスターン州、ウダイプル


この絵の道の奥の方にロバが2頭、荷物を背負ってこっちに向かってやって来ています。
が、ロバの道間違いでして、反対側に目的現場があるんです。途中でロバ使いが気付き、呼び戻されて私の手前で引き返していきました。
手前の雄牛は私の目の前で止まって、長~い時間考え込んでいましたが、不意に動きだしまして、私の真左横に頭を持ってきて、また止まりました。殺気は感じなかったので、私は逃げませんでしたが、塀に右側を塞がれていたので、角で突かれると逃げ道無しです。
しばらくしたら動き出してくれたので、ほっとしました。いくら牛好きで牛心が分かるとは言っても逃げ道は用意しておくべきです・・・反省。

インド人は牛心を掴むのがうまく、また可愛がる人も沢山いてました。
ある朝、この絵の側のお家の小学生の男の子が、家の前に止めてあるお父さんのバイクにまたがっていました。そこへ茶色の雌牛がやって来まして、彼はつい牛を可愛がって体を撫ぜてあげました。

牛心「・・・・・♪」

牛さんは立ち止まり、男の子にのど首のユルユルの皮を撫で撫でするよう迫ります。男の子は 「ここか?ここか?よしよし♪」 と無邪気に撫でてあげます。

牛心「・・・♪♪♪」

牛さんは手の届かないところを撫でてもらって、気持ち良さそうです。

あっ 男の子 「もうええやろ!」 っとお尻を叩いて追っ払いました~。



幸せな時間って・・・・・・・なんかみじかいな~







インド・ウダイプルのディワリー祭り

2008-09-10 14:11:44 | 透明水彩画インド
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「空に雲」透明水彩画 30号F 2006年作
インド・ラジャスターン州、ウダイプル 


この絵を描いていた時は、ちょうどインドのお祭りのディワリーでした。
花火があちこちで炸裂して恐ろしいぐらいの騒ぎになります。
湖には小さなロウソク舟を浮かべて流し、とても幻想的でした。

私が座って描いている湖の小さなガート(沐浴洗濯場)には、静けさを求めてやって来る牛の親子がいてまして、今日も同じくゴロリと座って、尻尾をふりふり気持ちよさそうです。

が、本日お祭りムードのハッピーディワリーマンが数名やって来まして・・・。
彼らがニコニコしながら山ほど持ってきた花火は、最上級に破壊力のある超大型爆弾花火です。(売ってていいのだろうか?)
形は日本のスモーク花火みたいに丸くて、導火線が1つあり、サイズも同じ(直径4センチ)ぐらいです。外側は硬い紐でグルグル巻きになっています。
日本のスモーク花火と違う点は、本気で爆発することです。(爆竹なんかじゃないですよ!ちょとした爆弾なんです!)

私と牛の親子は、そんなこととは露知らず、平和そのもので彼らを見届けていました。彼らは絵を描いて座っている私の4メーター手前に来て、そこにナニを置いて火を点けて、私の顔を見て笑顔で、 「ハッピーディワリー♪」 っと言うなり走って逃げまして・・・・・  

「うそっ!」


「ボカァーーーーン!!!・・・・パラパラ パラ」


とっさに耳を両手で塞ぎ!目をつぶって下向きましたが、衝撃波と爆風が物凄くて、顔面に紐の破片がバチッと当たりまして、耳キーーーン。

悪魔です。マジで!

ボカァーーン!!ボカァーーン!!ボカァーーン!!ボカァーーン!!

容赦なく!

ボカァーーン!!ボカァーーン!!ボカァーーン!!ボカァーーン!!

牛の親子は慌てて逃げまして~

ボカァーーン!!ボカァーーン!!ボカァーーン!!ボカァーーン!!


これはちょっと~ ボカァーーン!!



とほほ・・・・・・   ボカァーーン!!♪





コウモリ

2008-09-08 23:35:12 | 透明水彩画インド
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「屋上の電灯」透明水彩画 4号F 2006年作
インド・ラジャスターン州、ジョードプル・ホームステー先の屋上


ホームステイ先の2階建てのお家には屋上がありまして、よく夕涼みをしました。
目の前には遠くメヘランガル城塞が見えます。その反対側がこの絵の風景です。
屋上への階段の上がりに電灯が1つ付いてまして、よくここに胸が少しオレンジ色の可愛らしい小鳩が、止まって鳴いていました。ここで絵を描いていると、周りの屋上からよく声を掛けられます。

かなり遠くてもジェスチャー語で容赦なくです。

「オーイ何してんだ!」

「なに人だ?・・・・名前は?・・・・親の名前は?・・・・兄弟は何人だ?・・・・兄弟の名前は?・・・・何しに来たんだ?・・・・・」

などなどと、一度喋ってしまうと終わりません。
困ったことに、たぶん皆さん暇なんです。

やっとインド人から開放されようと、ウジュワール(ステイ先のちびっ子)にも見つからないように、こっそり屋上に上ったのに・・・・。

諦めて夕暮れを眺めていると・・・・遠く向こうの空から大きな、そしてゆっくりとした羽ばたきの鳥らしき物体が飛んできました。

んんん?  なんだろう?  視力2.0の夜目能力フル活用で見つめました。

トンビはもうこの暗さでは飛んでいませんし~ 飛び方がコウモリみたいだけど~
日本のカラスよりデカイし~ 

あっ 来た来た こちに向かって♪


「ひえええええ~っ!!!  血ぃ吸われる~!!!」

「ドラキュラや~ マジ怖え~!!!」


ショックでした。あんなにデカイコウモリが、頭のすぐ上をかすめ飛んでいったのですから・・・・。
私の頭をかすめて飛んでいったのはオオコウモリで、すぐ側にある大きな木を旋回しながら 「ばっさ~ぁぁぁぁ!!」 っと大きく木を揺らして、しがみつくように止まりました。木の実なんかを食べてるみたいで、日が沈んで暗くなる手前に飛んできます。
慣れるとゆっくりとした羽ばたきが、美しく見ごたえがあって、飛んでくるのが楽しみになります。特にどんくさく止まるときの木の揺れ方が尋常でなく 「ばっさ~ぁぁぁぁ!!」 なんです♪


けっこう辛いのかな~ 「ばっさ~ぁぁぁぁ!!」 





インド・ジョードプルの  「えっ?」

2008-09-07 16:11:33 | 透明水彩画インド
Copyright2008 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 
「リスの木」透明水彩画 4号F 2006年作(個人蔵)
インド・ラジャスターン州、ジョードプル 


2006年ジョードプルのDホテルに滞在していた時のお話です。

DホテルはHIDEさんお気に入りのホテルで、ファミリー経営の一見アットホームなホテルです。このホテルの売りは、屋上オープンレストランからの素晴らしい眺めで、メヘラーンガル城塞から絶妙にいいポジションにあり、一度見たら忘れられないぐらいの迫力と、当時の勇ましさを否応無く旅行者に与えてくれます。泊まり始めのころはコックなどいてなかったので、オーナーの奥さんが作ってくれていました。私が好きで良く注文したのがターリー(カレー定食)で、野菜カレー2品とダール(豆カレースープ)とチャパチィーとライスとヨーグルトが付きます。
野菜カレーは家庭的な味付けで、ナス系とか玉ねぎ系とかオクラ系とかのシンプルなものでした。
ただ、奥さん料理には弱点がありまして、かな~り時間が掛かります。
主婦としての仕事もありますし、どこかに出かけて居ない時もありますし、夫婦喧嘩している時など作ってくれませんし、旅行者にとっては難ありなんです。


そんなある日のこと、イギリス人男性1人がDホテルに宿泊いたしまして、部屋に閉じこもりガイドブックをひたすら読んでいるような寡黙な方で、注文した料理のお皿やスプーン、コップにいたるまで、紙ナプキンでゴシゴシ磨かなければ気のすまない 「なぜインド?」 系でした。
そこに常に笑顔で明るいニュージーランド人男性一人が現われました。あいにく部屋が満室だったのですが、 「屋上に素泊まりさせてくれ!」 っと気軽に対応いたしまして、さっそく荷物置いて屋上レストランに居た旅行者全員とおしゃべり、情報交換して、風のように消えていきました。 「人生ラッキー インドハッピー♪」 系です。

インドハッピー♪さんのお話によると、ロッククライミング(場所は忘れました)をしていたら、たまたまインド人とサルが喧嘩していたらしく、サルに向けて何かを投げたり激しいバトルにエスカレートしてきて、その興奮したサルが何を間違えたか腹いせか、岩にひっついてるインドハッピー♪さんの足に噛み付きました!!!たまげたインドハッピー♪さんはそのショックで下まで落下してしまったそうです。(よく生きてね♪)
ラッキーな出来事のように笑顔で喋っておられたので、本格派のハッピー♪さんです。

その夜、寡黙さんとハッピー♪さんが仲良く屋上レストランへやって来ました。夜の7時前だったと思います。
HIDEさんと私は、今日は特に混んでるので6時に来て料理注文いたしまして、今丁度料理が出てきたところです。彼らもすぐ注文して、なにやら楽しそうに一方的に喋り、そして寡黙に返事して打ち解け合っていました。

8時ごろになり、楽しく喋って相当ハッピーなお2人のところへ、つまみ系のモノが来ました。この頃私達の食事は終わり素晴らしい夜景と和やかなレストランの雰囲気を楽しんでいました。

9時になりましたが、まだ彼らの料理は来ていません。ハッピー♪さんのスタミナは相当なもので、料理を注文して2時間が過ぎてるのに笑顔のままです。寡黙さんは元々無口なので読み取れません。

10時になりましたが、まだまだ彼らの料理は来ていません。隣で見ていた私達も少し気の毒になってきました・・・・。
料理を注文して3時間が過ぎているのに、ハッピー♪さんは強靭なスタミナの持ち主なようで、この場を一人喋りで耐えています。時折爆笑まで見せてくれます。寡黙さんは同じく無口なので読み取れません。

あっ やっとオーナーが現われました!!

が、料理は持って来ていません?

で、オーナが無邪気な笑顔で言いました。


「注文した料理の材料が無いから別のに変えてくれないか?」


えっ?

えぇぇぇぇぇぇぇっ  ?


お2人は怒りもせず(怒る元気が既に無い)・・・・言われたとうりに注文を変えて・・・・ただひたすら無言で料理が来るのを待っておられました。

※翌日ハッピー♪さんの姿は・・・・ありません。


あ~ よほど辛かったんだろうな! ハッピー♪さん(寡黙さんは読み取れずに不明。)





インド・ジャイサルメールのホットバス ④

2008-09-04 23:51:50 | 透明水彩画インド

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「トンビと夕暮れ」透明水彩画 4号F 2006年作(個人蔵)
インド・ラジャスターン州、ジョードプル 


前回の続きです。


ついにお話しなければいけない日がきてしまいました・・・・。
こんな過酷なホットバスが世の中に存在するなんて、HIDEさんも私も想像すらしていませんでした。そう あの日までは・・・・・。

私達はキャメルサァファリとジャイサルメール観光を済ませた後、砂漠の暑さにバテバテになり、そそくさ逃げるようにジョードプル(ホームステーしている町)へのバスチケットを買いました。昼発の夕方着で、移動時間は6時間ぐらいだったと思います。
これで少しは涼しい場所に避難(ジョウドプルに非難して、夜の部屋の温度38度)出来ると二人は大喜びで、気持ちはもう緩みまくりです。

城塞から少しはなれたバス乗り場に行くと、相変わらずここでもホテルのプラカードを持った方々がいてはりました。
私達が乗る、おんぼろバスがありまして、チケットを係りの人に見せて乗車いたしました。もちろんエアコンなどありませ~ん。
座席は指定席で、西日の当たる右側でしたが、カーテンはちゃんと付いていたので太陽光激暑熱から身をまもれそうです。
あとガラスは濃いこげ茶色で、光を少しは遮断してくれます。(ほんの少し♪)
昼に発車ですから今のところ車内に光は入ってきてないので、とても平和でした。

バスは定刻どうりにお昼に出発!かなり熱い車内ですが、なんとか行けそうです。

が、そうでもなく車内の温度はうなぎ上りに上昇!!
シートに接している背中が熱くて、もたれられなくなってきました・・・。

全身から汗が滝のように流れ始めていま~す。ボトボトボト・・・・

熱さに負けて窓を少し開けました・・・・・

「あっちぃー」 ドライヤーの熱風です。

すぐに窓閉めました。 汗がボトボトボト・・・・・

西日が窓から差してきました! 「痛あっつぃ~!」

カーテン閉めま~す♪ 
が、後ろの席との2人前のレールに、1人前分の長さしかカーテンはありません。
どちらか一方にしか、カーテン女神は与えられてないのです。

「ジャー」 と持って行くと 「ジャー」 と持ってかれます。
「ジャラ ジャラ ジャラ」 と持っていくと 「ジャラ ジャラ ジャラ」 と持ってかれます。
「・・・・・・・♪」 っと持っていくと 「・・・・・・・♪」 っと持ってかれます。

時折幻でも見るように、窓を開けてしまいますが、
「もっとあっちぃー!!」 ドライヤーの熱風です。すぐに閉めて、汗がボトボトボト・・・・・

「ジャー」    「ジャー」

「ジャーラ♪」  「ジャーラ♪」

「よ~いさ♪」  「ほ~いさ♪」


この後4時間続く・・・・・・。
※途中HIDEさんは、あまりの修羅場に耐え切れずに気を失って?しまいました。


修羅場の後のご褒美と言っちゃーなんですが、時折ガードレールにクジャクさんが止まってたりしてま~す。


ラッキー かわゆ~い♪

終わり。







インド・ジャイサルメールのホットバス ③

2008-09-04 00:18:26 | 透明水彩画インド
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「門だけどお家」透明水彩画 4号F 2006年作
インド・ラジャスターン州、ジョードプル 



前回の続きです。

ジャイサルメールに着いて2日目に、暑くて楽しいキャメルサファリにいきました。
■キャメルサファリはこちらです。

キャメルサファリでは、砂漠中でのラクダ・スタッフと本部の連絡手段に、ロバ少年を使っていました。
木陰のある場所で食事休憩になり、暑さでヘトヘトでしたが、スタッフ手作り野菜カレーとチャパチィーは美味しくて、バテながらも楽しめました。
お腹いっぱいになって少し眠たくなり、より暑くなったころ遠くから砂煙が1つ、こっちに向かってやって来ます。

なんでしょうか? 馬に乗ったカーボーイに見えます。カッコイイです。

あっ 意外に近い!  あっ 意外に小さい!  あっ ロバ!  あっ 少年!

突然やって来たロバ少年は、まるでカーボーイみたいに男らしく、堂々とした振る舞いでロバから降り、ラクダ・スタッフに手紙を渡し、少し言葉を交わして水飲んで、またロバに乗ってさっそうと駆け出して行きました。

ロバは馬に比べて小さいので、乗り方がだいぶ違いました。裸ロバでお尻の上あたりに乗り、後ろに20度ほど傾斜して、足はロバのお腹を強靭な「池野めだか」の蟹バサミで挟み込み、体をしっかり固定いたします。
見た目はロバにとって、かなり迷惑です。無理があります。カッコ悪いです。

ロバ少年は任務を遂行してカッコ良く悪く、砂煙を上げて荒野の彼方に消えていきました・・・・・。

「カッコ良く悪りぃぃぃ~」

オレもカッコ良く悪りぃぃぃ~ロバ少年してみて~♪


つづく  (次回こそホットバス・・・に)






インド・ジャイサルメールのホットバス ②

2008-09-01 22:19:04 | 透明水彩画インド
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「牛と路地」透明水彩画 4号F 2006年作
インド・ラジャスターン州、ジョードプル 

前回の続きです。

砂嵐が止んで、列車の窓ガラスを開け、ようやく正気を取り戻したころにジャイサルメール駅に着きました。

インド旅行のめんどくさいところは、駅に着きたての旅行者を、ホテル関係者や悪質タクシーの大群が、手ぐすね引いて待っているところです。
そんな大群に押されもまれ引っ張られしながら振り切って、離れたところで良質ドライバーを捕まえて、自分の足でホテルを探さないと、法外な料金を払わされるハメになります。

ジャイサルメールの客引きは特に悪質だと聞いていたので、HIDEさんと私は気合を入れて、険しい表情で列車を降りました。
が、以外にスムーズに改札を出れまして・・・・

「あれ? 誰も来ない!」

静かです。引き潮のように・・・・

駅から出て、ジャイサルメールの日差しの強さで目が開けれず、しばらく何も見えませんでしたが、駅前の何も無い、まるで大きな砂地のグランドみたいな、駐車場のはるか200メーター彼方に・・・・

横一列に・・・・プラカードを持った・・・・30人ばかりの・・・・大群が!! 
行儀良く無言で私達を待っていました。

ほとんど運動会の入場行進後の整列です。愉快な風景です。襲ってきません。
地元当局に、ここで並んで待つよう規制されてるみたいです。ラッキ~♪

宿はジョードプルに居た時に、ジャイサルメール帰りの韓国人から仕入れた情報で、あらかじめ決めていたので、そのホテルのプラカードを楽しく探しました。

「あったあった!」 すぐに見つかり値段交渉してジープに乗り、2キロ離れた城の外側のホテルに向かいました。

宿に着いて荷物置いて、食事しにジャイサルメール城塞に向かいました。
気温は10月になると下がると聴いていましたが、40度以上あり、あついです。日に当たると長袖越しの腕の皮膚がピリピリいたします。

でもいい町です。
■HIDEさんのHPのジャイサルメールの写真コーナーです。

ゴールドシティーと言われるぐらい黄金色の砂岩で作られた城や家々が綺麗で、しばらく見とれてしまいました。 あつい~

城は町の中の丘の上に建っているので誇らしげでカッコイイです。 暑い~

立派な砂岩の門をくぐって城内に入ると城があり、その周りに沢山の家々が密集していて、その町中の路地を歩くととても楽しいです。 熱いっ!

路地を迷路のように歩き進むと見晴らしのいい展望台に出ます。
綺麗です。 「ゴールドシティーなんだ!」 っと実感できます。
目がくらみそうなぐらいの、あつ~い風が吹いています。 あっちぃー!!!

あっちぃーんだよ~!!!!  (熱くこだまする・・・)


つづく

あっ 今日も本題にたどり着かなかった・・・・。