ろくびー

山中清隆 作品日記
Kiyotaka Yamanaka

「サルーテ教会」イタリア・ヴェネチア2017年 水彩画のご紹介です。

2018-10-26 19:51:46 | ヴェネチア

「サルーテ教会」 透明水彩画 A4(297×210)2017年作 イタリア・ヴェネチア 個人蔵 



奥の白く丸い屋根の建物がサンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会です。

以前に油絵でも描いていまして、

「壁とサルーテ」


ヴェネチアを代表する私の大好きな教会のひとつですね。

そのサルーテ教会をアカデミア橋の上からスケッチして描きました。


橋の上からこの風景をのんびり眺めていますと、

船がひっきりなしに通っていて、とても賑やかで面白いですよ。


タクシーから気持ち良さそうに自撮りする人やら、

運搬船の舵を、腕を組んで前を向いてお尻で操縦する人やら、

スマホ片手に危なっかしい運転をする人やらいろいろです。


船がたくさん通っているときは音も騒がしいのでガヤガヤしてうるさいのですが、

たまには誰も通らない静かなときもありまして、

騒がしい世界からうって変わって、

遠くにいるネズミのかすかな足音さえも聞こえてきそうなほどの緊張感のある世界に変わります。


その静かな緊張感は

チャポチャポ鳴ってる運河の妖精のしわざでしょうか?

耳中の黄色いものがポロリとはがれ落ちて、急に聞こえが良くなったせいでしょうか?


いえいえ

たぶん

大運河の両側にぎっしりと建っているお邸のせいだと思います。

そのお邸たちが聞き耳を立てて、お顔全面で運河やあたりを眺めているからなんです。






そうそう

動物園でカラフトフクロウの丸い顔をスケッチしたときも同じだとおもいました。

まーるい顔で音を集めて聞いて、世界をしっかり覗いているんですね~



大運河のお邸たちもカラフトフクロウのように顔で聞いて見ていますものですから、

どこか音に神秘的な緊張感が伝わって、こっちまでドキドキと緊張するのです。



そこに1隻の船が

のんびり進んできました。

じろじろお邸たちに見られてるなんて知りもせず・・・・





まーるい顔って いいな~


イタリア ヴェネチア Kokonton Gallery にてグループ展のお知らせです。

2018-10-24 19:00:55 | 作品展案内




グループ展のお知らせです。


2018年10月27日よりイタリア ヴェネチア Kokonton Gallery 主催のグループ 展に参加させていただきます。


会場 Kokonton Gallery
会期 2018年10月27日〜11月8日
時間 16時〜20時
休廊日 月曜日
住所 Castello ,Via Garibaldi 1771 ,Venezia Italia
Mail : kokontonvenezia@hotmail.it
Info : www.facebook.com/kokontongallery
※ オープニングパーティー 10月27日18時より


去年は波のテーマで参加させていただきまして、

今回のテーマはLo spirito(精神)です。

アーチストそれぞれの精神世界が

ひとつの空間の中で集まって

はたしてどんなふうに見えてくるのかとても楽しみです。


ヴェネチアへご旅行の際は、Kokonton Galleryへ是非お立ち寄りくださいませ。

色塗りで失敗した作品で、お話しを作ってみた劇場 「水色の船のおじさん」3/3

2018-10-21 20:15:58 | ヴェネチア

「犬とおじさん」スケッチ 2017年作 イタリア・ヴェネチア

※「水色の船のおじさん」の始まり1/3はこちら



おじさんは、「庭木にまんまとはめられたぞ!」と怒ってはいたが、
子犬を見ている姿はどこか嬉しそうである。

帰り道に子犬とペットショップに寄って
犬の育て方の本やらトイレやらドッグフードやらを買って
家で一緒に生活できるようにした。


子犬の名前はルーナと決めた。

ルーナは家の中が目新しいらしく
何でも興味をしめしていたが、
おじさんに「ダメだよ!」と注意されるので
目を白黒してムズムズしているようだった。

翌日、
職場にルーナを連れて行くわけにはいかないので、
少し心配だったがルーナを家において仕事に出かけることにした。

夜になっておじさんが慌てて仕事から帰ると
ルーナは玄関で待っていてピョンピョン飛び跳ね
嬉しそうにおじさんに飛びついてきた。

おじさんはルーナを抱きしめて撫ぜてやり、嬉しい気持ちの中でふと思った。

「ああ~この感じは何年ぶりだろうか・・・心が満たされていく気がする」

が、おじさんの顔はすぐに青ざめた。
なぜなら家の中はハチャメチャになっていて、
とても大切な思い出の品のすべてが噛みちらかされていたのである。


「ああ・・・・」
と、おじさんは声を失った


なんのことやら?
と、ルーナは相変わらずピョンピョンはねて嬉しそうである。


翌日、
あまりのショックに仕事を休んだおじさんは、
ボロボロになった思い出の品を集め、
ため息をつきながら眺めたあと、
何かを決意したかのように大掃除を始めて
思い出の品の全部を捨ててしまった。


そして
疲れて放心状態になってはいたが
ルーナが外に出たがるので一緒に散歩に出かけることにした。

人ごみから抜けて
教会前の静かな庭を歩いていた時
前から子犬を連れたおばさんとすれ違った。

子犬とルーナがじゃれ合って遊びだしたので
二人は立ち止まった。

おばさんが微笑んで「こんにちは~」と挨拶をした。

おじさんも「こんにちは!」と挨拶をかえした。


おじさんは思った。
「挨拶って気持ちがいいもんだな~」



その日から、
おじさんは挨拶が言えるようになり
自然で素直な人生が始まった。


そして今日、
あの挨拶を交わしたおばさんと子犬を
ルーナと一緒に水色の船に乗って迎えにいって、
近くの島まで遊びに行くところであった。


運河沿いの庭にピンクの花が咲いていた
そして花にはミツバチ達が嬉しそうにブンブン集まってるのである。
それを見たおじさんはこうつぶやいた。

「ほんと、こんにちは!って、いいものだな~」




おわり

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2018-10-09 20:50:58 | 山中 清隆 作品集のサイト


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過去の作品が年代別に見れますので、

お暇なときにでもお立ち寄りくださると嬉しく思います。

2018年のヴェネチア作品は、ただいま準備中です。



お茶とか

でませんけど

どうぞ見てやってくださいませ。