「サルーテ教会」 透明水彩画 A4(297×210)2017年作 イタリア・ヴェネチア 個人蔵
奥の白く丸い屋根の建物がサンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会です。
以前に油絵でも描いていまして、
「壁とサルーテ」
ヴェネチアを代表する私の大好きな教会のひとつですね。
そのサルーテ教会をアカデミア橋の上からスケッチして描きました。
橋の上からこの風景をのんびり眺めていますと、
船がひっきりなしに通っていて、とても賑やかで面白いですよ。
タクシーから気持ち良さそうに自撮りする人やら、
運搬船の舵を、腕を組んで前を向いてお尻で操縦する人やら、
スマホ片手に危なっかしい運転をする人やらいろいろです。
船がたくさん通っているときは音も騒がしいのでガヤガヤしてうるさいのですが、
たまには誰も通らない静かなときもありまして、
騒がしい世界からうって変わって、
遠くにいるネズミのかすかな足音さえも聞こえてきそうなほどの緊張感のある世界に変わります。
その静かな緊張感は
チャポチャポ鳴ってる運河の妖精のしわざでしょうか?
耳中の黄色いものがポロリとはがれ落ちて、急に聞こえが良くなったせいでしょうか?
いえいえ
たぶん
大運河の両側にぎっしりと建っているお邸のせいだと思います。
そのお邸たちが聞き耳を立てて、お顔全面で運河やあたりを眺めているからなんです。
そうそう
動物園でカラフトフクロウの丸い顔をスケッチしたときも同じだとおもいました。
まーるい顔で音を集めて聞いて、世界をしっかり覗いているんですね~
大運河のお邸たちもカラフトフクロウのように顔で聞いて見ていますものですから、
どこか音に神秘的な緊張感が伝わって、こっちまでドキドキと緊張するのです。
そこに1隻の船が
のんびり進んできました。
じろじろお邸たちに見られてるなんて知りもせず・・・・
まーるい顔って いいな~