ろくびー

山中清隆 作品日記
Kiyotaka Yamanaka

花の気持ち

2010-03-31 12:51:53 | 透明水彩画小浜島
Copyright2008-2010 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「とっても暑い日」 透明水彩画 太子(378×288) 2009年作 小浜島

民家の裏庭のほったらかされた日のあまり当たらない所で、花が咲いていました。
とってもか弱そうな花で、名前は知りません。
赤、オレンジ、ピンク、赤紫。
繊細な表情と透けるよう花びらが気に入ったので、
何気なくスケッチ。

誰も気づきそうにない、そのか弱い美しさ
家の裏庭の苔の生えている日陰でひっそり、いろんな色で、あちこち向いて、
風よけのブロックベイに守られて、しっかり咲いています。

花は私の心の中まで入ってきたので、花のための風景を用意して植えてあげました。

絵の中で咲いた可愛らしい花。

暑い!暑すぎますって、怒っているかもしれません。
風が強い!強すぎますって、踏ん張っているかもしれません。
人目が気になる!気になりすぎますって、嘆いているかもしれません。

が、気にしな~い♪

で、この絵は私が最後に小浜島で描いた絵です。
まだ生々しく塗っていない所があります。
描き終える前に台風が来てしまい、3日間部屋に缶詰。
何にも出来ない恐怖の風。
夜も昼も寝れませんでした。
トイレに行くことさえヤバかった!
風が収まって外に出てみると、一面焼け野原のように植物が枯れ、飛ばされ、まっ茶色。

あまりのショックで言葉も無く
5ヶ月間、私を支えてくれたやさしく綺麗だった草達。
心の栄養元を失い、堪え耐えてきた気持ちがここで崩れ去ります。

また負けた。


大阪に引き上げて、とりあえず野菜いっぱい食べて次のことを考えたい。
島なので、野菜が高くてあまり食べれず、食事のストレスが限界だったこともあり、
台風が無事に去った日に帰ることを決めました。
帰るのは、お店の都合があるのでシーズンオフのころにしました。
この日から小浜の絵はまったく描きません。
完成間じかのこの絵の続きさえもせず、2ヶ月間海で毎日泳ぎました。

貝探しにはまりました。

でも心は悲しかったです。

海で泳ぐことでしかここに居る意味を見出せない、辛い2ヶ月間。

帰るころには草達もまた再生して、草の島になっていましたが、
もう以前のように、心の中まで入ってきません。

寂しげにゆれる草達。

スタミナのない私。


小浜島で木っ端微塵になり
また振り出しにもどってしまった私は、フラフラと亡霊のように大阪に帰ります。
帰るところがあるってほんと有り難い。

7ヶ月間小浜の木を見つめていたので、
大阪の木を見たときに驚きました。

風にいじめられる事がない姿なんだ~

7ヶ月間小浜の限られた数少ない家を見つめていたので、
たくさんの街を見て驚きました。

たくさんの車を見て驚きました。

たくさんの人を見て驚きました。


描けるもの いっぱい あるやん♪


・・・・・・?


「あっ 扉が 開いてる!!!」

「心の扉が開いちゃてる やん♪」








「どうでもええけど はよぉ ヤギを繋いで!」

「くっ 食われる! やん♪」

(※花より)








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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (尼崎死。)
2010-03-31 15:53:33
すごい。この日の日記はとても重要な内容じゃないでしょうか。アンダーライン引きたい部分がありすぎる。清さん創作の秘密があかされている。
返信する
尼崎死。さま (ろくびー)
2010-04-01 01:22:56
小浜島最終回を楽しんで頂けたでしょうか?
ネタが海しかなかったので、自分事を書きました。お付き合いいただいて、ありがとうさん♪

次は大阪シリーズです。
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