ろくびー

山中清隆 作品日記
Kiyotaka Yamanaka

インド・ジャイサルメールのホットバス

2008-08-31 22:49:53 | 透明水彩画インド
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「ちびっ子タイム」透明水彩画 4号F 2006年作
インド・ラジャスターン州、ジョードプル 

2006年インド・ラジャスターン州ジョードプルで仲良くなったHIDEさんと、ラジャスターン州ぐるっと回るツアーをいたしまして、最後の目的地、砂漠の町ジャイサルメールに行ったときのお話しです。

■HIDEさんのHPはこちらです。
■HIDEさんとジャイサルメールはこちらです。

ジャイサルメールは、ものすごく暑い町だと聞いていたので、ぐるっとツアーの終盤の10月初めごろに行くことにいたしました。
(アプローチはジャイプルからの夜行列車で、翌日の昼ごろジャイサルメール到着を利用いたしました。)

寝台列車で一夜を過ごし、夜が明けて車窓からの風景を眺めて見ると、世界が変わっていました。砂漠っぽい乾いた荒野のなだらかな丘が幾重にも続き、日本で見れない異国の世界がどんどん流れていて、なんとなく胸がドキドキしました。

ドキドキしてたら腸の調子も活発になり、トイレに行きたくなったので、列車に揺られながらトイレに向かいました。
トイレは和便みたいにしゃがみ式で、列車の外側を向くように座ります。座ると目の前には乳白の大きなアクリル製明かり窓がありまして(42型薄型テレビサイズ)、日中は明るく軽やかにトイレに集中出来るようになっています。

が、 「ダァタァン・ダァタァン、ダァタァン・ダァタァン、・・・・・・」

あるはずのアクリル製明かり窓が抜け落ちていて、跡形もありません。大音響と爽やかな風とともに、目の前にはおもいっきり荒野が流れています・・・・ダァタァン・ダァタァン・・・

ゆれた勢いで列車の外に飛び出しそうで(私が)、ちょっぴり危険でしたが、
気持ちいいです。最高です。人生最大の贅沢トイレだと思います。
酔いしれました。ゆっくり味わってしまいました。終わるのがイヤだ!とさえ思いました。

結局 「何を」 出し切ってしまい、後始末をして渋々トイレから出ることになりました。
未練タラタラでトイレのドアを開けて、通路に出たとたん!

「えっほ! えっほ! げっほ! げっほ!・・・・!!!」

列車の車内は砂煙で薄暗く、視界が5メーターぐらいになっていて、まるでインディージョーンズに出て来る砂漠の怪しい世界になっていました。げっほ・・・・!!

砂煙には味がありまして、思い出すのが小学生の頃の運動会のかけっこで、ころんで口に入った、ほろ苦い砂の味なんです。なんだか悲しい味だ~ げっほ!

砂嵐の中に列車が突入したもんですから、HIDEさんも皆さんも慌てて窓閉めたお陰で、なんとか呼吸出来るぐらいになりました。ふううぅぅぅ~

が、 「あっつぅ! 暑い! 熱い~! あっちぃー!!!」

一難去ってまた一難。
砂で真っ白になった座席を手で払いながら、インドのカルマ(業)をおもい知らされました。


つづく

※本題は次回になります。





インド・カルナータカ州ハンピ村最後の日。

2008-08-28 11:39:40 | 透明水彩画インド
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「ウダイプルの青い家」透明水彩画 4号F 2007年作
インド・ラジャスターン州ウダイプル

インド・カルナータカ州ハンピでの3ヶ月滞在も終わりに近づき、デリーまでの列車のチケットを手配して、数日前から知り合いのインド人に 「帰ります」 と挨拶して回りました。

すると、馴染みのMレストランのオーナーさんから、ご馳走の申し出がありまして、
「ハンピ最後の日は朝から晩まで、好きなだけ食べて好きなだけ飲んで、全て無料!しかも夜はハンピご法度のチキンカレーをご馳走してやるよ!」

ありがたき幸せ~ ラッキーハッピー♪

が、別の馴染みのBレストランのオーナーさんからも、ご馳走の申し出がありまして、
「ハンピ最後の夜は、うちのレストランで、ハンピご法度ビールとチキンカレーをご馳走してやるよ!」

盆と正月が・・・・、 かっ かぶってしまった~ !!

先にMレストランの申し出を受けてしまっていたので、正直にBレストランのオーナーにお話しますと・・・・。
携帯電話によるオーナー同士の話し合いの結果、Mレストランで一日カレー接待をガッツリ受けた後、夜9時に2回目のBレストランによるカレー接待を受けることになりました。

嬉しいやら カレーしいやら~

出来れば別々の日にしてほしかったのですが、「最後のハンピの日」にどうもこだわっておられたみたいでしたので、ありがたくお受けいたしました。

ハンピ最後の日のMレストランのサービスは凄まじかったです。
普段飲みもしないジュースやらデザートやらカレーやらカレーやら!!
夜のご法度チキンカレーは従業員用の離れで、地べたに座ってみんなと頂きました。
大鍋に作られた唐目のチキンカレーを、金属プレートに敷いたバナナの葉っぱの上にどさっと盛ってくれて、チャパチィーとハンピの白米で頂きました。
美味しかったです。あたたかいMレストランのもてなしが、ロウソクの灯りでオレンジ色だった世界をいっそう印象深いものにしていました。

が、2回目があるんですよ!この後、直ぐ9時から!!
しかも同じくチキンカレー 山盛りチキンカレー食べさせられて、
2件目もチキンカレーって!!!
※感謝。感謝。感謝が大切でございます。暴言をお許しくださいませ。
 
お腹いっぱいになりMレストランで身動きとれずにいたら、9時前にBレストランのオーナーから電話がありまして、

「早く来い!ビールとチキンカレーが待ってるぞ」

わかってますよ~ いきますよ~ !!!



ハンピ村の気持ちよく優しい人達♪ 

どうもありがとう。





ヤシの実ジュース

2008-08-25 21:35:00 | 透明水彩画インド
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「門と仲良し」透明水彩画 4号F 2007年作
インド・ラジャスターン州ウダイプル


インド・カルナータカ州ハンピには、ヤシの木(ココナッツ)がたくさん生えていまして、ヤシの実は道端でおばさんが売っていたりします。
実は大と小がありまして、どちらかを注文いたしますと、ナタで実の頭をカットしてくれて、ストローをさして渡してくれます。中には美味しい液体(天然ジュース)が入ってまして、味は大きさよりも鮮度で決まるみたいです。
取れたてのヤシの実は、なんともいえない初恋のような爽やかな甘さと、体に無理なく吸収されるような一体感がありまして、天然のスポーツ飲料水みたいです。

ハンピ村で滞在当初からたまに見かける日本人青年が居てまして、知り合いのインド人の話では、歳は20歳で、瞑想の勉強に来ているらしく、ハンピでも瞑想に励んでるそうです。
彼の見た目が内気な「のび太君」みたいなので、 「のび太君」 と勝手に心で呼んでました。
のび太君とは、すれ違ってもお互い声もかけず、気にも留めていませんでした。

が、ある日のこと・・・・。
韓国人女性のYさんと知り合い、一緒に食事することになりまして、Yさんのホテルにも日本人が居てるらしく 「彼も誘ってくるね!」 と言うことになり、待ち合わせのレストランに行くと・・・・・誘ってきた日本人は、のび太君でした。

のび太君とこの時初めて喋りまして、ここまでの彼の経緯を聴き、 「インドに来てよかったね~」 っとつくずく思いました。
彼は日本での高校生活に馴染めず、直ぐに中退。精神不安定で、何にでも切れてしまう子になり、家に引きこもっていましたが、瞑想に出会ってから、心のよりどころを見つけたみたいで、その延長でインドに勉強しに来られました。

彼の心には傷があるように思いましたが、インドが素直に馴染んだらしく、不器用ながら生き生きしていて頼もしかったです。

韓国人女性のYさんは、そんな年下ののび太君を気に入ったみたいで、その後二人で行動しているところを、よく見かけました。
たまにYさんが一人でいる時は、決まって 「のび太君どこ?見なかった?」 っと探し回っている時で、話す内容も彼の話ばかりです・・・・ ふふふぅ~♪

3人で食事してから2週間後のお昼に、バッタリ2人に会いまして、のび太君が私に向けてカッコよく言いました。

「今日の夜行列車で、彼女とバナラシに行きます!」

だって♪

「そうか~ 気をつけて元気でな!」 っと一回り大きくなった、のび太君と握手して、2人とここで分かれました。うまく行けばいいのにな~ 祈っております のび太君!

見送った二人の後姿が、取れたてヤシの実ジュースの味でした。



ズーぅ ズズズぅ・・・・!!  おばちゃん お代わり♪ 




インドのハンピ村のバナナ

2008-08-23 22:26:18 | 透明水彩画インド
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「湖の城」透明水彩画 4号F 2007年作
インド・ラジャスターン州ウダイプル


インド・カルナータカ州ハンピ村のバナナ事情なんですが、見渡す限りのバナナ畑で、美味いことは間違いありません。
大まかにモンキー小バナナと緑普通バナナとがありまして、年に2回収穫できるそうです。
モンキー小バナナは最大13㎝ぐらいの小柄で、マッタリとした脂のある旨味の強い味わいでした。
緑普通バナナは普通サイズで、真緑の皮に、なんとネットリ蜜が吹き出ていまして、カブトムシが見ようもんなら、感激のあまり気を失ってしまうぐらいネバネバなんです。
恐る恐る皮をむいてみますと、以外に身は普通なんですが、かぶりついてみますと・・・・

ひえぇぇぇぇ~  甘いっス♪

少し生っぽい酸味とバナナ風味の蜂蜜一気飲みみたいな感じで、身体的な反応としまして、かき氷を一気に食べた時、耐え切れずに、こめかみに発生するあの頭痛に似た痛みが、緑普通バナナの尋常でない甘さにより、発生いたします。


美味かったな~ 緑普通バナナ♪






目の優しいロバートさん。

2008-08-22 22:47:04 | 透明水彩画インド
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「犬の庭」透明水彩画 4号F 2007年作
インド・ラジャスターン州ウダイプル


インド・カルナータカ州ハンピの川岸で、「川岸の午後」を描いていた時に、
■「川岸の午後」はこちらです。
一台のバイクが私の後ろに止まって、しばらく眺めた後に声をかけてきました。
振り向くと白人のお爺ちゃん系元気印みたいな方で、目の優しいオランダ人画家のロバートさんでした。
彼はハンピに十数年住んでおられまして、自分の家も建てて、インド人の奥さんと二人のお穣ちゃんに恵まれ、幸せそうでした。
奥さんは二人目でして、初めの奥さんは病気で亡くなられたそうです。
ロバートさんは60代ですが、奥さんは20代で、お穣ちゃん二人はちびっ子代です。
ロバートさんと話が弾んで、「日本人は魚が好きだろう!家でご馳走してやるよ!」っと、食事に招かれました。

家は画家らしい雰囲気のあるお家で、2階にアトリエがありまして、早速ロバートさんの作品を見せてもらいました。彼の作品は油絵で、ハンピに魅せられて、制作活動場所にここを選んだ気持ちがたっぷりの作品でした。前妻の奥さんも遊びで絵を描いていまして、彼女はジプシーだったので、その伝統的感性が素晴らしく素直に出た点描でして、もしお譲りしていただけるなら買いたかったです。(絵が欲しいと思ったのは生まれて初めてのことです。)

夕暮れから二人でラム酒を飲み始めました。
レモンを搾って水で割ると結構いけます。

ロバートさんとカエルがぴょこぴょこ跳ねてる縁側で、色んなことを話しました。
お互いの国の絵の話、お互いの国の女性の話、インド人の男女の話、好きな小説の話、食べ物の話・・・・。

お腹ペコペコになったころ、魚のフライとカレーが出されて皆で美味しく頂きました。

夜も更けて星が綺麗でホタルも飛んでいます。

帰りはロバートさんが送ってくれました。
ライトの点かないバイクで真っ暗な道を、星空とホタルの光だけをを頼りに行くのも悪くなく、彼の運転越しにあたる風は稲のいい匂いで、とても気持ちよかったです。

バイクに揺られながら思いました・・・・。

無邪気で素敵な人生送られてるな~!
まったくもってロバートさんの勇気は凄いな~!! たぶん真似出来ない。
たとえ素敵な現地の女性と恋に落ちたとしても・・・・・。



毎日カレーは無理なんです。





見たくても見れない。②

2008-08-20 22:37:21 | 透明水彩画インド
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「マハーラーナの城」透明水彩画 4号F 2007年作
インド・ラジャスターン州ウダイプル


「ガサァガサァガサァ ぐしゃ ガサァガサァガサァ どしゃ パラパラ パラ」

こんな音が突然ハンピの大きな丘の谷あたりで聴こえたならば、間違いなくオオトカゲです。
「山姥がいるとするなら、たぶんこんな音なんだろうな~」と思うぐらい超人的な早い逃げ足で、体がデカイだけに音もデカクて騒がしいです。
が、私が見つける前に私が見つかってしまうので、姿を目撃出来るのは稀でした。

人のめったに来ない大きな丘の上には、岩の谷間に小さな池がありまして、何かいるかもと思い、覗きに行きますと・・・・

「ずるずるずる~  だぽん!」

と、たぶんカメさん系の大きな生き物が、慌てて池に逃げるような音がするのですが、姿は既にありません。 
ブクブクブクブク・・・・

この 「だぽん」 が何なのか?見たくて見たくて、何回もこの丘の池に通いましたが、 
私の目が池にとどくよりも先に「だぽん」は私に気づいてしまい、「だぽん」 を聴けたのが3回だけで、姿は結局見れずじまいの正体不明のままなんです。

たぶん岩を滑り落ちる音が甲羅チックなので、カメさんだと思います。


見たかったな~  「だぽん」♪




見たくても見れない。

2008-08-19 21:59:00 | 透明水彩画インド
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「うかぶ宮殿」透明水彩画 4号F 2007年作(個人蔵)
インド・ラジャスターン州ウダイプル


インド・カルナータカ州ハンピで、楽しい日課にしていたのは、遺跡めぐりと動物観察です。
人があまり行かない大きな丘の上とか、岩山の上の開けた場所とかにも忘れられそうな遺跡なんかがありまして、観光客が来ることもなく、たまに山羊使いの人と山羊に会うぐらいでした。

日を遮るものがないので暑いのですが、遺跡の中に入って休憩すると涼しいです。
中には少し壁画ののこっているものとかもあるので、当時の人の思いが見えたりして不思議な気持ちになります。

不思議といえば・・・
人の来ない屋根の落ちた遺跡で、芝居のステージみたいになっているところがありまして、そこで緑オオムの舞を見てしまいました。

正直見てもいいのだろうか?と思うぐらいに舞っていました。
ステージで舞う一羽の緑オオムの目は完全にイッテまして、羽を広げ足を前に一歩づつ高く突き出し踊っていました・・・。それを2メーターの高さの柱の上から1羽、その隣の柱に5羽ほどの緑オオムが眺めていまして、しかも私がすぐ側の距離にいるのにもかかわらず、気がつかないのか、無視してるのかして逃げません。 

まことに不思議でした・・・。

が、残念なことに1日に最大2人ぐらいしか、通らないであろうこの遺跡の場所に、たまたま2人目(現地の人)が来てしまい、緑オオムの舞が中断、飛んで逃げていきました。

残念。

その後、続きが見たくて何度も足を運びましたが、もう見ることは出来ませんでした。


ないんだよな~ チャンスは2回と・・・・。





ゾウさん

2008-08-17 16:48:20 | 透明水彩画インド
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「バナナの道」透明水彩画 30号F 2007年作
インド・カルナータカ州、ハンピ


インド・ハンピ村のマンゴツリィーレストランで仲良くなったスリーニワースさんは、娘さん2人だけを(5歳と7歳ぐらい)夜行長距離バスに乗せて、ハイダラーバードのお家に帰しました。初めての子供だけ移動で、とても心配していましたが、無事に到着いたしました。
娘さんに携帯電話を持たせていたので、夜行バスから寂しくて何回も電話してきたそうです。(実は娘さん達、ママシックになってしまい突然の帰宅になりました。)

思わぬハプニングで開放されたスリーニワースさんは、ハンピ村に残りのんびり休暇を楽しんでいました。
そんなある日、いつものようにマンゴツリィーレストランで、一緒に食事をして喋っていたら、宇宙の現代科学話にお互い火がつきまして、超ひも理論だとか、質量の起源だとか、暗黒物質だとか、暗黒エネルギーだとか・・・・(彼は、基本英語もろくに喋れない私と、絵文字も交えて根気よく付き合ってくれました。)などなどと、いっぱいおしゃべりして大満足です。
(少なくとも私はです。)

最後にスリーニワースさんは、宇宙をあれこれ観察している私達を、たとえ話で締めくくってくれます。


目の見えない5人の人間がいたとしましょう。
そこに1匹のゾウが現われました。

たまたま一人はゾウの鼻を触り 
「これは大きなヘビだ!」 と言いました。

たまたま一人はゾウの足を触り 
「これは木だ!」 と言いました。

たまたま一人はゾウの耳を触り 
「これは動物の干した皮だ!」 と言いました。

たまたま一人はゾウのお腹を触り 
「これは壁だ!」 と言いました。

たまたま一人はゾウの尻尾を触り 
「これはホウキだ!」 と言いました。

はたして誰が合っているのでしょうか?
はたして誰が全てを知る事が出来るのでしょうか?

※訳:ろくびー


優しくてユーモラスだったな~ スリーニワースさん♪




インド・カルナータカ州ハンピ村のロックペインティング

2008-08-16 18:01:22 | 透明水彩画インド

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「岩の思い」透明水彩画 30号F 2007年作(個人蔵)
インド・カルナータカ州、ハンピ


インドのハンピ村のマンゴツリィーレストランで知り合った面白い方に、インド人セレブのスリーニワースさんがいてまして、彼はハイダラーバードからバカンスのために、この村へ子供と3人で来ていました。
彼の仕事はコンクリートプラントの技術者で、その関係で来日したこともあってかして、私の下手な英語を根気良く聴いてくれました。
(彼は東京の地下鉄が、何層にも走っていることに驚いたそうです。)

彼と話が盛り上がってしまい、仲良くなって食事の後に、ロックペインティング(岩に描いてある壁画遺跡)を一緒に見に行くことになりました。
この遺跡はレストランの裏側にある遺跡で、大岩が重なりあった隙間の洞穴みたいな場所のどこかに古代の絵が描いてあるのですが、岩に水をかけないと絵が現われない不思議な絵なんだそうです。
以前からオーナーさんに話は聞いていたのですが、場所が分からずじまいでいたので、とてもラッキーです。

スリーニワースさんがこの村で借りていたレンタルバイクに、彼と娘さん2人と私の計4人乗って、水持っていざ出発いたしました。
細いジャングルみたいなバナナの道をどんどん進んでいきます。久々のバイクの風はとても気持ちいいです~♪
が、2分で到着。
「こんなヒッソリした所にあったのか~」っと思いながら藪をかき分けて入って行きますと・・・。
大きな岩が重なり合っていまして、下の隙間には雨風しのいで人が十分生活出来るスペースがありました。
さっそく皆で古代の絵を探しましたが見当たりません。
ペットボトルに入れて持ってきた4リッターほどの水を、皆でビシャビシャ掛け始めました。
娘さんはちびっ子なので、単純に大はしゃぎ・・・・です。

ヤバイ!だんだん水の掛け合いにエスカレートしてきました。ひえぇぇぇ~

結局古代の壁画を発見することなく水が無くなってしまったので、明日またチャレンジすることになりました。

翌日、昼食の後また4人でロックペインティングに行きました。
スリーニワースさんは昨日のチャレンジの後、マンゴツリィーのオーナーに詳しい情報を聴き直し、3人で水持って探しに行ったらしく 「今日は清隆に見せてやる!」 と余裕でした。

また水持って気持ちよくバイク4人で乗り、2分のドライブで到着。
茂みをかき分け大岩の隙間に入り、昨日探していた所と全然逆の場所で、「ここなんだよ~」っと彼はなにも見えない岩肌に、ペットボトルの水をビシャ!ビシャ!と、いきよい良く掛け始めました。
すると今まで見えなかった絵が浮き出てくるではありませんか!!!スゴイ
古代の絵は鹿とか人とか良く分からない模様とかで、いつごろの時代なのかは解説が無いので不明です。良く岩を見ますと濡らさなくてもなんとなく分かりましたが、水を掛けないとやっぱり分かりづらかったです。

あ~ こういう時にカメラがいるよな! 反省。






インド・カルナータカ州ハンピで夢見る人 ⑤

2008-08-14 00:08:21 | 透明水彩画インド
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「たそがれトカゲ」透明水彩画 30号F 2007年作
インド・カルナータカ州、ハンピ


インドのハンピ村で知り合った韓国人男性のジョンさんと楽しく食事した後、何キロか離れたところにある岩山の頂上に、ハヌマーン寺院がありまして、そこからの景色を見に、トボトボと二人で歩いていきました。途中の川にローマの水道橋みたいな遺跡がありまして、とてもかっこよかったです。

ジョンさんの心は、すでに決まっているのかして目が澄んでいました(笑うと目がやっぱり真っ黒になりますが)。
彼の帰りの飛行機の日がに迫っていたので、明日ハンピ村を出るそうです。そして韓国に帰って、家族と妻の両親に自分の夢を正直に話し、話し合い、それからまた一人でインドのハンピ村に戻り、1年間ここで脚本作家活動に挑むそうです。

やっとこさ岩山の麓にたどり着き、石段をかなり汗だくになりながら登り、頂上にあるハヌマーン寺院に到着。

風が吹いてて気持ちいいです・・・・。

二人で見たハンピの雄大な景色は、切ないぐらいに心を開放させてくれました。
彼の心からの誓いが、ハンピに歓迎されているみたいで、なんとなく嬉しかったです。


いまごろ脚本書いてるのかな~♪








インド・カルナータカ州ハンピで夢見る人 ④

2008-08-11 23:33:16 | 透明水彩画インド
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「マタンガ丘」透明水彩画 30号F 2007年作
インド・カルナータカ州、ハンピ


インドのハンピ村で出会った、韓国人男性のジョンさんの泊まっているホテルで、手隠しカエルを見た後、得した気分になった私達は、1階の座敷レストランで川を眺めながらの楽しい食事をしました。
川向こうのこの村は、ハンピ村より禁酒の規制がゆるいみたいで、冷えたビールを飲むことが出来、気分は昼から最高です。

ジョンさんは韓国の山奥田舎育ちで、かなり貧しい家庭だったらしく、家はお父さんの手作りだそうです(故父の形見)。そんな子供のころ、お姉さんが日本に嫁ぐことになり、ジョンさんが寂しくないように子犬をプレゼントしてくれまして、名前をポンキと名付けました。
ポンキとジョンさんはすぐに親友になりまして、毎日兄弟のように遊んだそうです。

学校から帰ると仕事が待っていまして、1頭だけ飼っている大切な牛の餌やりを任されていました。山に放牧して草を食べさすのですが、見張ってないと逃げるそうです(食用牛ですから)。
が、ある日のこと、放牧中にうかつにも山で寝てしまいました・・・・。

もちろん夕方になって起きた時には、大切な牛さんの姿はありません。
慌てて足跡を追いました・・・・
が、途中から道路に出ていてその先がありません。途方にくれて家にもどってポンキに助けを求めますと、ポンキは牛失踪を理解して、ジョンさんと一緒に山に入りました。足跡が消えて無い所からが、ポンキの出番です。どんどん行きます・・・・ ジョンさんの知らない所までどんどん・・・・
あたりは暗くなり、もうかれこれ4時間が経とうとした時!
道の行き止まりで、牛が前に進めず居てました~♪ よかったよかった(牛は残念)

たまたま本日、お母さんの帰りが夜遅い日で、だれにもバレなかったそうです。


大学生になって隣町まで電車通学した時は、夕方になるとポンキが山から下りてきて、町中の駅でジョンさんの帰るのを待っていました。
ジョンさんが駅に着くと、一緒に山奥の御家まで歩いて帰り、夜特に危ない野犬から守ってくれたそうです。

ちなみにポンキは、学校が休みの日をちゃんと理解していて、駅に向かわず家でゴロゴロしてたそうです。(忠犬ポンキ!)


いいな~ 仲良しって♪




インド・カルナータカ州ハンピで夢見る人 ③

2008-08-11 00:15:50 | 透明水彩画インド
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「ハンピ村」透明水彩画 30号F 2007年作
インド・カルナータカ州、ハンピ、


ハンピ村のマンゴツリィーレストランで出合った韓国人男性のジョンさんは、悩みなんて微塵も感じさせないとても爽やかな方でした。

ジョンさんは、マンゴツリィーの食事の後「明日はご馳走するから、ホテルに住んでいる手隠しカエルを是非見て欲しい」と誘ってくれて、そんなカエルに釣られた私は、約束どうり遊びに行きました。
ジョンさんのホテルは川向こうの対岸でして、船に乗って川を渡り、隣村の端っこの川沿いにありまして、終舟は午後6時と早いです。

お昼前にホテルに着いて、早速ジョンさんと再会!やっぱり笑うと目が真っ黒です。
ホテルの中庭は広くて静かで、木陰も沢山あり、川側が座敷レストランになっていまして、長期滞在にいい感じです。

手隠しカエルを見に2階のジョンさんの部屋に向かうと、廊下には揺り篭ベットが付いてて、読み書きするのにちょうどいい最高のロケーションでした。
部屋も広くてトイレも広く、広いトイレの片隅には・・・・?
いましたいました以外に大きな手隠しカエルさん♪(茶色で握りこぶしぐらい)
早速覗いてみますと・・・・  
 
スッ スッ っと1本づつ手を引っ込め、何事もなかったようにじっとしています。 可愛い~♪

「でしょ♪」 と言ったジョンさんの笑顔はやっぱり目が真っ黒でした。


つづく






インド・カルナータカ州ハンピで夢見る人 ②

2008-08-10 00:18:18 | 透明水彩画インド
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「モンスーン」透明水彩画 30号F 2007年作
インド・カルナータカ州、ハンピ、マンゴツリィーレストランより


インドのハンピ村のマンゴツリィーレストランで、たまたま隣に座った韓国人男性のジョンさんと話が盛り上がり、楽しいひと時を過ごしました。彼は私より1才か2才年下で、笑顔がとても優しく、笑うと目が真っ黒に見えます。
ジョンさんの話す日本語も優しいのが特徴で、何時間しゃべっても疲れませんでした。

彼は、心の奥底に押し込めていた夢を諦めきれずに、家族を置いて一人旅に出ました。家族には内緒の夢です。彼の夢は放送作家で、テレビドラマとかの脚本作りをしたいのだそうです。期間は1年間チャンスは1回だけでいいから挑戦させてほしいと、心の奥底から思っていました。

彼は初めインドのゴア(ビーチのある観光地)に家を借りて作家活動しようと思い、海の側の家探しをしました。
ところが・・・日が経つにつれ、まずい事ばかり考えてしまい、挑むべきか挑まぬべきかと臆したあげく、酒に溺れ始めてもがき苦しみ、いやになってゴアから300キロほど内陸にあるハンピまで、静けさを求めてやって来たらしいのです。


つづく





インド・カルナータカ州ハンピで夢見る人

2008-08-08 22:35:50 | 透明水彩画インド
Copyright2008 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 
「町中の古い家」透明水彩画 4号F 2006年作(個人蔵)
インド・ラジャスターン州ウダイプル



インドのハンピ村のお気に入りのマンゴツリィーレストランへ、ターリー(日替わりカレーランチ)を食べようと、いつものようにトボトボやって来ました。

初めの入り口を通ると、大きなマンゴの木(たぶんです)が何本か生えていまして、その木の高い枝に大きなむき出しのミツバチの巣があります。
周りがバナナ畑になっていまして、そこの真ん中をまっすぐ人一人通れるほどのあぜ道があり、たまにマングースなんか見れます。
150メーターほど歩いて右に折れると、やっとこさの玄関です。右に折れずに真っ直ぐ行くと小屋があって、水牛が飼われていて、いつもモグモグしながらこちらを伺っています。

以前セレブで動物好きのインド人スリーリバースさんと仲良しになった時に、スキンシップだと言って、この水牛に干草をあげました。スリーリバースさんの手からはモグモグ食べるのに、私が差し出すとプイッと向こうをむいてイヤキチです。
かなり笑われましたが、毎日入り口からニンマリ怪しい顔で覗いていますから・・・・
分からないでもない!

店の中は土足厳禁ですから入り口にある下駄箱に靴を置いて中に入ります。
店の真ん中にマンゴの大木が生えていまして、その大木を囲むように店が出来ています。店は川の堤防斜面を利用したナイスな設計で、広々とした川を木陰から見れて、とてもリラックス出来ます。
マンゴの大木からは、ハイジが乗ってそうなロープの長~いブランコが1つぶら下がっていて、誰もいないとつい乗ってしまいます。

今日はけっこう込んでまして、後から来た日本人風男性一人が、たまたま私の隣に座って日本語の時代物小説を読んでいたので、喋り掛けてみました。
すると日本語ベラベラの韓国人でして、姉さんが日本人男性と結婚して日本に住んでて、その流れで日本に留学したことがあるジョンさんと言う方でした。

あまりに流暢な日本語で、感心しながら色々しゃべっていると、だいぶ面白い人であることが分かってきました。
彼はカンボジアでガイドの仕事をして大儲けしたのですが、諦めきれない夢がありまして、仕事辞めて奥さんと一人息子を韓国に帰して、わざわざインドに来て、その夢を見極めようと、さまよっている最中でした・・・・・。

「ぼくのホテルの部屋のトイレの隅っこにはカエルが住んでて、覗くとなぜか両手を引っ込めるんです・・・・」

他にアクションが無いらしい。


つづく




インド・ハンピ村でホタルを発見!

2008-08-06 22:11:29 | 透明水彩画インド
Copyright2008 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 
「毎日見た木」透明水彩画 4号F 2006年作(個人蔵)
インド・ラジャスターン州、ジョードプル 

ハンピ村にも夏の風物詩がありまして、夜になると川沿いの土手道にホタルが舞っています。私がハンピに滞在した8月から11月までずっとホタルが舞っていました。ホタルの数は少数ですが、夜は真っ暗なので発見するのは簡単でした。

私の部屋にも一度だけホタルが迷い込んだことがありまして、日中でしたが、すぐにホタルと分かりました。色は赤茶色で、形と大きさは日本で見たことのあるホタルと似てました。手の中に捕まえてみて、逃げないように覗き込んだらお尻がピカピカと、SOS信号を出していたので、部屋の外へ逃がしてやりました。

以前カメレオン騒動で紹介したマンゴツリィーレストランへ夜行くには、真っ暗な誰もいない川沿いの土手道を、700メーターほど行かないとたどり着かない(懐中電灯必要)辺鄙な場所にあるので、格好のホタルウォッチングになります。

大きな木の下に入って葉っぱ越しに満天の夜空を見上げれば、薄黄緑色のホタルの光が葉っぱの下で流れて、頼りなげに見えたりします。
風にそよいでいるのか、誰かを誘っているのかは分かりませんが、ついつい付いて行ってしまう事を思うと、誘っているのかもしれません。

そんなある日のこと、いつものように晩御飯を食べようと、マンゴツリィーレストランへ一人でトボトボ歩いていたら、遺跡の下の茂みに何やら光るものがありました。
光は地面を這うように動いていてホタルよりかなり強い薄黄緑色で、しかも光りっぱなしです。
慌てて近づいてみると、幅2センチ長さ8センチぐらいの平べったいナウシカに出てくるような形のゲジゲジで、そいつのお尻が明るく光ってて、周りの様子が目視確認できるぐらい明るかったです。
しかも光りっぱなし・・・・なんです。

「光らすのは逆だろ!!!」

そう思ってしまうぐらい風情無く、お尻が光りっぱなしのひょうきんなやつでした。


光りっぱなしは狙われやすくて危ないよな~  毒でもあんのかな~あいつ?