ろくびー

山中清隆 作品日記
Kiyotaka Yamanaka

日本の風景「オランダ坂のある町」長崎2016年 水彩画のご紹介です。

2020-04-18 21:13:54 | 長崎

「オランダ坂のある町」 透明水彩画 長崎 A3(420×297) 2016~2017年作 個人蔵

この絵は長崎の観光名所の一つに数えられる
オランダ坂を描いた作品です。

グラバー園の裏側にある大浦展望公園から街並みを眺めて
上側に活水学院のキャンパス、
右側の赤色の建物は昭和会病院、
その左側にチラッと見える
青い車の走る道がオランダ坂です。

ほんのチラッとしか描いていませんが、
この絵の真ん中あたりをぐるりと囲むように横切っています。

長崎のガイドによると、むかし出島にオランダ人が来ていた影響で、
東洋人以外を「オランダさん」と呼んでいたらしく、
それでその人たちが住んだ居留地にある坂は
すべてオランダ坂と呼ばれるようになったそうです。

今でも居留地の洋風住宅が何軒か保存されていて、
見学もできるので当時のオランダさんの生活をしのぶことができました。

長崎の街が好きなのは、やっぱりその坂の多さですね。

海に挟まれ、そこからすぐに始まる小さな山に
何が何でもへばり付くように家が建っていまして、
街が山を登るように広がっていています。

その山に登れば鳥になったような空からの目線で
向こうの街の生活風景が箱庭のように
手に取るように見えて楽しいのですよ。

生き生きとした表情のある風景はいくら見ていても飽きません。

以前に沖縄の海の中で飽きもせずに朝から晩まで見続けた
サンゴ礁の中で繰り広げられる生き物たちの素晴らしい世界と
どこか似ているのです。

やっぱり私たちも自然の中の素敵な風景なんだよな~

と嬉しく思いました。


早くコロナウイルスが終息して
以前のように
また街に平和と活気がもどりますように。


長崎市役所文化観光部 東山手甲十三番館の庭あたりから
オランダ坂を見下ろした写真。
への字に曲がる坂道の開けたとこらへんを絵に描いています。



イタリア風景「ミラコリー教会」ヴェネチア2019年 水彩画のご紹介です。

2020-04-12 20:26:51 | ヴェネチア

「ミラコリー教会」 透明水彩画 A5(210×148)2019年作 イタリア・ヴェネチア 個人蔵

この絵はカンナレージョ地区にある
サンタ・マリア・デイ・ミラーコリ教会を描いた作品です。

今から500年ほど前に建てられたそうで、
細長いかまぼこ型をしています。

私の絵では青緑色に塗られていますが、
実際は大理石で作られた豪華な白い教会で、
所々にグレーとピンク色の大理石をカクカクとはめ込み
不思議な存在感を出しています。

どうしてヴェネチアのわざわざこの狭い路地を選んで、
まるで宝石箱のような秘めた美しさのある教会を建てたのだろう?

ひょっとすると
誰かが橋向の小さな広場で夢中になって遊び
帰りしなに置き忘れていったのだろうか

もしくは
この教会はどこか違う場所の住人で
ただ500年ほど遊びにきているだけなのだろうか

あるいは
夜な夜な動き回っていて
朝が来る頃、結局ここに落ち着くのだろうか

本当のことは分かりませんが
動き回れそうな印象をうけるほど
どこか違う空気をもっているのです。


今日もここに居てくれてよかった♪


この日は正面玄関に下りてきた白い2羽の鳥を
興味深々に眺めていました。

その目はいつもより
嬉しそうでした。




教会から橋向こうの小さな広場に渡って眺めた
ミラコリー教会の不思議な後ろ姿。



イタリア風景「おとなりさん」ヴェネチア2019年 水彩画のご紹介です。

2020-04-04 20:46:38 | ヴェネチア

「おとなりさん」 透明水彩画 A5(210×148)2019年作 イタリア・ヴェネチア 個人蔵 

この絵はヴェネチアのサン・ジョルジョ島(左)と
ジュデッカ島(右)の境目あたりを描いた作品です。
どちらの島もヴェネチア本島とは離れていまして、
船で渡らないと上陸できません。

私はサン・ジョルジョ島が好きで、
いつも隅々まで眺めているものですから、
自然と視界の中にジュデッカ島の岬が目に入ります。

そこに若い木がたくさん生えているところがあって、
海をみんなで背伸びして眺めているようで、
それがなんだかおかしくて好きになり
この絵が生まれてくれました。

「おとなりさん」はサン・ジョルジョ島のおとなりさんという意味です。

やっぱり海が好きなのでしょうね。
塩っ辛くて苦手なはずなのに
興味津々で身を乗り出して海を眺めています。

毎日同じように見えるヴェネチアの海も
好意をもって観察する者や
生まれつき自然を愛する力が強い者たちには
特別美しい表情を見せてくれるものです。

それは生きてる植物だって同じことだろうし
私には見ることのできない海の不思議な表情や
私には聞こえないヴェネチアの物語をたくさん見聞きしていて

仲間とクスクスわらったり
サン・ジョルジョや周りの者たちとうっとりしていたり
時には葉をブルブル震わすほどの発見や感動をしていたりしていると、

この若い木たちを見るたび、
私は勝手に思っています。







ヴェネチアからサン・ジョルジョ島(左)と
ジュデッカ島(右)の境目あたり見たところの若い木たち。
島が繋がってるみたいだけど、ちゃんと離れています。


サン・ジョルジョ教会の鐘楼から細長いジュデッカ島を見たところ。
私の背が足りなくて、島が離れているところを撮影しきれていませんが、
ちゃんと離れています。