ろくびー

山中清隆 作品日記
Kiyotaka Yamanaka

イタリア・ベネチア 「左が学校 右が緑」

2010-07-18 00:08:18 | 油彩画ベネチア
Copyright2008-2010 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「左が学校 右が緑」油彩画  10号F  1997年(個人蔵) イタリア・ベネチア


思い出の絵
イタリア・ベネチア

ベネチアに来て19枚目、20枚目の作品は以前に紹介しています。

19枚目の作品 「風の通り道」
以前にお話ししたかもしれませんが、
洗濯物は建物の両サイドに駒を付けて、
自転車のチェーンみたいな感じで、紐を渡して干し物を付けて干します。

で、
鳥好きの私が、引っ越す前から気になっていた聞きなれない鳥の声がありまして、
「ギーィ ギーィギーィ」と朝と夕方、姿は見えませんが大きな声で鳴きます。

鳴き声の大きさから、とんでもないぐらいデカイ鳥だと思っていました。

が、
引っ越してから何気に朝、中庭で歯をみがいていたら、
おばさんが洗濯物を干そおと紐を引っ張って、
「ギーィ ギーィギーィ」

この絵を見ると思い出します。


20枚目の作品 「歩きながらの赤い橋」
歩きながら横を眺めていると、風景の動いているエネルギーが気持ちよく
「あ~気になる橋が見えなくなる!」的緊張感もあって、
非常にテンションが上がります。
橋が見えなくなる瞬間なんか、呼吸を忘れるぐらいのシーンで迫ってきますから
今流行の3Dテレビ並みかもしれません。

ぼかしながら描いたのは、横見の気持ちいい流動間が欲しかったからで、
さらに現場では出せない心の要素をアトリエで加えて、
この絵から現場とアトリエの両方活用制作に変えてみました。

ただ、
横見は気持ちいいのですが、
「ふにゃ」っとしてしまうこともありますので、
足元には注意です。


今日は最終回の21枚目の作品。

「左が学校 右が緑」

20枚目の作品が気に入ったので、現場とアトリエ(部屋)の両方活用制作を続行。
現場だけで描いていると、不必要なものまで描いてしまうのと
現場の強さに引っ張られ過ぎてしまうのと
もうすこし心の描写が欲しいと思い始めていたので、
これらの要素を満たすための対策として試してみました。

現場で感動と向き合い
アトリエで心と向き合う


あれこれ アレコレ
試行錯誤は

たぶん
ずっと・・・・

続きます♪


この絵を描き終わって、お世話になったベネチアの友達とお別れパーティー
ベネチアを舞台にいろんなことがありましたが、今でも大切な楽しい思い出です。


おわり




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イタリア・ベネチア 「歩いてみれば」

2010-07-17 00:50:15 | 油彩画ベネチア
Copyright2008-2010 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「歩いてみれば」油彩画  6号P  1997年(個人蔵) イタリア・ベネチア

思い出の絵
イタリア・ベネチア

「歩いてみれば」

ベネチアに来て18枚目に描いた作品。

かなり狭いカーブがかった路地で、
このまま歩いていくと大運河で行き止まりですが、
先まで行くと、光と空と開放感に包まれた大運河越しに
向こう岸がパッと見えて気持ちよかったです。
この絵の上部に通路なのか部屋なのか分かりませんが、
建物向かい同士、3階あたりで一部くっついていました。
建物と家同士結婚されているのかも?

ベネチアの路地は真っ直ぐ走っていませんから
先が見えず、知らないところだと迷子になります。

特に本通りから脇道に入っていくと楽しく迷います。

島の中心は逆S字の大運河で大きく二つに分かれていまして、
見えるといい目印になりますが、たいがい続きの道がなくて、
来た道を引き返してから
新しく前進。

先に何があるのか分からないから面白いし
どんな景色がまっているのか
いつもワクワクしながら路地探索していました。
気に入った道はどうしても通りたいけどワンパターンになりますので、
そんなときは人に付いて行くと、いつもと違う景色で面白かったです。


いきなりパッと見えるんだよな~

で、道はなしぃ♪



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イタリア・ベネチア 「VENEZIA Ⅱ」

2010-07-15 01:44:12 | 油彩画ベネチア
Copyright2008-2010 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「VENEZIA Ⅱ」油彩画  10号F  1997年(個人蔵) イタリア・ベネチア


思い出の絵
イタリア・ベネチア

「VENEZIA Ⅱ」

ベネチアに来て17枚目に描いた作品。


サンマルコ地区のレンタルアパートから引越しする前に、
観光ビザ3ヶ月を気にして飛行機でイタリアを出て、
ベルギーのブルージュへ遊びに行きました。
宿はブルージュのユースホテルに決めて早速!
前年ブルージュでお世話になったマリアおばさんの家を懐かしく訪ねてみると、
あいにく留守で、近所のおばさんに尋ねてみたらイタリア旅行に出かけているらしく、
しばらくは帰らないそうです・・・・。

すっ すれ違い!

とても残念でしたが、その他のお友達やジョンさんファミリーには会えたので、
一年ぶりの再会を素直に喜びました。
ユースホテルでは、なんだか見たことのある日本人お婆さんが連泊していて、
声をかけてみたら、昨年ブルージュ滞在中に会った人でビックリ!
全て日本語で一人旅をしている面白い元気な方で、とても懐かしかったです。

再会っていいもんですね♪

ブルージュからベネチアに帰って
ベネチアのイメージが違うことに気づきました。

ベネチアに来て1枚目の「ベネチア」
4ヶ月間見つめてイメージが変わった「VENEZIA Ⅱ」
圧力が好きだったのか、当時ストライプで表現することが一番心の印象に近かったんだと思います。



お付き合いして、初めて分かることがあるから・・・・

面白いっす♪




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イタリア・ベネチア 「日光浴」

2010-07-14 01:14:14 | 油彩画ベネチア
Copyright2008-2010 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「日光浴」油彩画  6号F  1997年 イタリア・ベネチア

思い出の絵
イタリア・ベネチア

ベネチアに来て14、15枚目の作品は、以前に紹介しています。

14枚目の作品
「路地裏が張り切る頃」
この作品は、私の住んでいたお家の玄関を出てすぐの、人通りのない場所の風景です。(約10秒)
3ヶ月ほど毎日見てお付き合いいたしましたから、いろんな表情を知ることができました。
路地裏が張り切る時間は、夕方4時ごろ、建物の頭に光が当たって、
ポッと照れて色っぽいシーンから始まり、日が沈むまでの美しい色の駆け引きの間中
誰に見られることもなく・・・・
張り切っているんです。

で、
私は、昼はパスタを作ってワインを飲んで、3時半までお昼寝♪
寝起きの目覚ましにカフェ・コスタリカのコーヒーを部屋で飲んで、
描きかけの絵を見ながら調子を上げて
画材道具とキャンバスを持って玄関を出て同じく

私も張り切る頃なんです♪


15枚目の作品
「合唱」
私も張り切っている頃にお目にかかれる素晴らしい光景で、
大運河にかかるアカデミア橋の端っこの踊り場から描きました。
午後の光に照らされ、建物たちがみんなで歓喜の歌をうたっています。


今日の絵は、16枚目に描いた作品です。

ベネチアで知り合ったベネチア在住日本人女性の方に、
レンタルアパートの紹介をしてもらって、引越しをすることにいたしました。
駅から近くのカンナレージョ地区のリオ・テラ・サン・レオナルド通りにある賑やかないい場所で、
不動産屋さんを通していませんから値段も格安で部屋も最高♪
で、この絵は引越ししてからの作品。

朝のすがすがしい太陽の光を浴びて、
気持ち良さそうに目覚める建物
私も同じく目覚めたい気持ちが描かせた一枚です。

朝、コーヒーを飲まないと目が覚めない方で、
引っ越してカフェ・コスタリカが近くなり
コクと香り豊かなカプチーノが大活躍。
これは有り難かったな~♪

で、
仲良くなったベネチア在住日本人友達の家も近く、
みんな貧乏?だったせいか、夢を追いかけている気持ちが同じだったせいか
飲んだり食べたり喋ったりと、よく集まりよく遊び、
夜がとても楽しい時間に変わりました。
これも人生の贈り物だったな~♪

が、
ベネチア滞在後半というのに
遊びすぎて描く枚数が・・・・

減る!




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イタリア・ベネチア 「顔の家」

2010-07-13 01:47:34 | 油彩画ベネチア
Copyright2008-2010 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「顔の家」油彩画  10号F  1997年 イタリア・ベネチア

思い出の絵
イタリア・ベネチア

「顔の家」

ベネチアに来て13枚目に描いた作品。


このころ
ベネチアの路地を歩き
見上げて見ることが私の中で流行っていました。

建物の顔が無邪気に空を向いて、
誰かとお喋りをしているように見えたりすると
楽しくて描かずにはいられません。

なにを楽しそうに喋っているのかは、
描いた私にも、まったく分かりませんが、
何百年も前に誰かの思いでベネチアに生まれ
今はこの家の主さんに大事に手入れされて、
嬉しい気持ちが、たくさんあふれている
そんな素敵な表情に見えました。


紫がかった真ん中の鎧戸は、
開けると小さなテラスがあって
小さなテーブルと椅子ぐらいは置けます。

私がもし
顔の家の主になったなら
夕方、運河と小道と人の通りを眺め
ベネチアの栄光の思い出に浸って
一杯飲んで

楽しんでみたいな~♪





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イタリア・ベネチア 「空は上」

2010-07-11 23:57:17 | 油彩画ベネチア
Copyright2008-2010 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「空は上」油彩画  10号P  1997年 イタリア・ベネチア


以前に、11枚目の作品「壁とサルーテ」を紹介していますので、今日は12枚目。

思い出の絵
イタリア・ベネチア

「空は上」

下を向いて歩いていたり
前を向いて歩いていたり
横を向いて歩いていたり

しても・・・・

青空が見えないシーンの多いベネチアでは、
ちょっとした青空栄養不足にかかることがあります。

どこまでも続く路地の薄暗さに疲れ
なんとなく息苦しく
少し憂鬱で、
逃げたいくらいの圧迫感

そんな時
自然と見上げていて
青空と出会い
気持ちよく開放されました。

建物に当たる透き通った光りが、
そんな気持ちをクスクス笑って、
宝石のようにキラキラと輝きながら挨拶してくれます。

こんにちは♪


あんがい
人生も同じで

ふと
見上げてみれば

誰かがきっと
キラキラと輝いた目で
見ていてくれているのかも~

知れません。







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イタリア・ベネチア 「夕暮れ」

2010-07-10 23:30:02 | 油彩画ベネチア
Copyright2008-2010 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「夕暮れ」油彩画  6号F  1997年(個人蔵) イタリア・ベネチア

思い出の絵
イタリア・ベネチア

「夕暮れ」

ベネチアに来て10枚目に描いた作品。

サンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会から
夕方、サンマルコ広場の方角を向いて描いています。

ベネチアの夕方の空は
あまい青色が名残惜しそうにキラキラ輝いて消えて、
赤紫のカーテンがやんわり広がり
その美しさに見惚れていると
いつのまにか星の世界が始まっています。

その星の時間までが大好きで、心に留めたくて描きました。

絵を描いている背中側にはサルーテ教会があって、
教会の外壁の高いところには、彫刻が飾り付いています。
その彫刻をクローズアップして、油で描いている人がいました。
すこし覗きにいくと、向こうから話しかけてくれて、
喋ってみると、私と同い年ぐらいのアメリカ人男性でした。

彼もベネチアに絵を描きに来ていて長期滞在。
アカデミックな描き方で、彫刻のみに執着している絵と
喋ると陽気で明るいところが見た目一致しません。

当時、彼の彫刻への執着が不思議でしたが、
よく考えてみれば、私もインパクトに執着していたので、
執着と言う意味では似たもの同士のようです。

彼はマシンガンのように英語で喋ってきますものですからサッパリ?で、
飲みにいこうよぉ!と誘われ、電話番号をもらいましたが、
マシンガン英語が怖いので、
結局行きませんでした。


まだ

執着して
描いてるのかな・・・・




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イタリア・ベネチア 「岩山」

2010-07-09 23:27:39 | 油彩画ベネチア
Copyright2008-2010 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「岩山」油彩画  10号P  1997年 イタリア・ベネチア


思い出の絵
イタリア・ベネチア

「岩山」

ベネチアに来て9枚目に描いた作品。


岩山みたいに迫ってくる建物でした。
片方の運河を埋め立てたせいでしょうか
ケーキ型の3角形をしています。
このころ迫力が大好きだったので、
絵も迫力の再現に徹していたように思います。

夕方、この絵を描いていたら
一人の男性が後ろから声をかけてきました。
控えめな英語で喋る彼は、ベネチアにアトリエを持つイタリア人画家で、
まだ若く、私と同い年ぐらいです。
名前はもう忘れてしまいましたが、
優しく聞き上手な人だったことを覚えています。

他人の絵が生まれるメカニズムに興味があるのかして
この絵のラインはどこからくるのか?
なぜ下がカットされているのか?
と、色々質問されました。

で、
その後、彼のアトリエに案内してもらって作品を見せてもらうと、
逆に質問したいぐらいのフワフワ系抽象イメージの持ち主で、
無邪気な好奇心が、うまく彼と絵をつないでいるように思えました。

アトリエを出て一杯飲みに行って、
あまり分からない英語で
絵にたいする熱い思いを
お互い語り合い

楽しく過ごしました。



まだ絵を描き続けてるのかな・・・・






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イタリア・ベネチア 「正午前のカフェ」

2010-07-08 00:02:13 | 油彩画ベネチア
Copyright2008-2010 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「正午前のカフェ」油彩画  10号P  1997年 イタリア・ベネチア


思い出の絵
イタリア・ベネチア

「正午前のカフェ」

ベネチアに来て8枚目に描いた作品。

レストラン・フェニーチェの二枚目
今度はお店の正面を描きました。
私の住んでいたお家の玄関を出て、薄暗い路地から賑やかな路地に出てすぐ
右を向いたらこの風景です(家から1分)。

たとえば・・・・

毎日会う身近な人が
もし
気持ち良く心を通わせてくれたなら
いつの間にだか大切な人になり
不意に
素敵な仕草を見つけてしまいます。

気が付いたら大好きで!
胸の中はその人でいっぱい
明日が来るのをもう待てません♪


この絵もそんな感じなんです。
毎日見ていますから
いつの間にか大好きになっていて、
必然的に描きました。

正面から見ると
雨の痕が縦に気持ちよくたれて
壁面の変色が綺麗です。
筆で勢いよく描き入れ
窓そっちのけで優先。

あのころ毎日言ってたな~
家を出て、
路地を出てすぐ
右向いて、
心で眺めて


いってきま~す♪






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イタリア・ベネチア 「杭と大運河」

2010-07-07 04:34:01 | 油彩画ベネチア
Copyright2008-2010 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「杭と大運河」油彩画  8号P  1997年 イタリア・ベネチア

思い出の絵
イタリア・ベネチア

「杭と大運河」

ベネチアに来て7枚目に描いた作品。

遠くに見えるのはリアルト橋です。
手前には舟を泊める杭と、プライベート桟橋
よごぎるゴンドーラ
影を入れようと描き込んだ油が水面にたれていますが
リズムを優先して
気にせずそのままにしておきました。

満潮近くの波のあるときは、
ドップリ ドップリ
ゆっくりとうねって
運河の水が楽しそうです。
その楽しいリズムに合わせて
杭や桟橋も動きます。

運河のリズムは、
救急船や消防船が、緊急出動のサイレンを鳴らして
F1レースのようにぶっ飛ばしてくると、
平和な世界は一変してしまい
恐怖の大波が少し遅れてやってくるんです。

ま~何もかもがゆれるゆれる!

運河沿いは、波しぶきが津波のように走ってきて上がるし
ゴンドーラなんかひっくり返りそうな勢いで上下して怖いし
大波に当たってクルリと一回転して、まるで木の葉のように回ったシーンも見たし



ちょっとワクワク♪






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イタリア・ベネチア 「3時のレストラン」

2010-07-06 00:59:44 | 油彩画ベネチア
Copyright2008-2010 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「3時のレストラン」油彩画  8号F  1997年(個人蔵) イタリア・ベネチア


思い出の絵
イタリア・ベネチア

「3時のレストラン」

ベネチアに来て6枚目に描いた作品。

私が住んでいたお家は、フェニーチェ劇場近くで、
その劇場裏のレストラン・フェニーチェです。
いつもここを通って絵を描きに行ってましたので、
レストランの若いボーイさんが

今日の絵は?
いつ僕達を描いてくれるんだ?
なんで描いてくれないんだ?

陽気にからかってくれます。

このころ、ベネチア在住の日本人友達がだんだん出来てきて、
よくここのバールで一杯飲みました。
昼に飲んでもイタリア社会的にはOKなので(?)
気分最高です♪

毎日見て通り、挨拶や、お喋りしていると、
なじんで描きたくなってくるもので、
ついに
描いてしまいました。


建物の勢いのある筆さばきは、
感動している痕跡が残ればと思い
荒々しいままにしています。

レストランの先の路地は突然狭くなり、
建物が大きく上まで伸びているので、
入り込むと薄暗くて

石畳と
レンガと
ドアと
ガラスと
漆喰の世界

空は遠く
足音がよく響くので、
普段気がつかない自分の音に
耳と心が集中して
意外に心地いいものです。



コツ コツ コツ ふにゃ




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イタリア・ベネチア 「橋とゴンドーラ」

2010-07-05 00:23:49 | 油彩画ベネチア
Copyright2008-2010 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「橋とゴンドーラ」油彩画  8号P  1997年 イタリア・ベネチア

思い出の絵
イタリア・ベネチア

「橋とゴンドーラ」

ベネチアに来て5枚目に描いた作品。

ゴンドーラが橋の下をくぐり、ゆっくりと滑るように行く様は、
見ていてあきませんし
全長10mもあるゴンドーラを、慣れた手つきで操るゴンドリエーレは、
正直カッコいいし憧れますよ♪

ベネチアの狭い運河は建物に囲まれているので、音の逃げ場がなく
いろんな時代のいろんな思い出にあたり、色の付いた音色となって跳ね返ってきます。
その音色が優しく耳に届けられ、心の奥まで響いたのなら
映画館の中で主人公に感情移入してしまった時のように
自分の存在を忘れてしまう不思議な気持ちにさせてくれるんです。

運河のうねり

オールの摩擦

押される海水

空まで響く
ゴンドリエーレの大きな掛け声

どの音もスローに
細かい描写まで伝わり
時間の流れがいつもより遅いことに

後から気づくはずです。



最近
時間の流れがぁ・・・・

はえぇぇ~




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イタリア・ベネチア 「リアルト橋」

2010-07-03 23:04:56 | 油彩画ベネチア
Copyright2008-2010 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「Ponte di Rialto」油彩画  10号P  1997年(個人蔵) イタリア・ベネチア

思い出の絵
イタリア・ベネチア

「Ponte di Rialto」

ベネチアに来て4枚目に描いた作品。


この絵のリアルト橋は、ベネチアを二分している大運河に架かる三つの橋の中で唯一の石造りで、
1592年完成の長さ48m、幅22mもある古い橋です。
橋の上には小さなお店が仲良く並んでいて、橋というよりかアーチ型の市場風建物。
そのスタイルは遠目で見ても美しく、白い橋の存在感は絶大でした。

で、このころ
私の住んでいる家は、橋の右側のずっと向こうのフェニーチェ劇場のそばにあり、
食材を買う市場は橋の左側を少し歩いたところにありました。
イタリアには昼休みの習慣がありますから
お昼の1時ごろから4時、5時ごろまで、どのお店もだいたい閉まります。
魚屋さんにいたっては午前中のみで、12時前ぐらいから閉め始めます。
魚貝類を食べたいのなら12時まで!

私が買い物に行けるのは、午前中の制作帰りで、時間的にギリギリかアウト。
リアルト橋はいじわるにも、腹ペコでふらふらの私に大きく立ちふさがり、
まるで小山のように階段がズラリと待っています。

食材が買えるかどうか怪しいながら・・・・
いつもこの橋を
めげずに上り下り。

でも
橋の上から見る大運河が美しく壮大で、

ちょこっと

ご褒美でした♪







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イタリア・ベネチア 「隙間の風景」

2010-07-02 10:29:26 | 油彩画ベネチア
Copyright2008-2010 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「隙間の風景」油彩画  6号F  1997年(個人蔵) イタリア・ベネチア

思い出の絵
イタリア・ベネチア

「隙間の風景」

ベネチアに来て3枚目に描いた絵です。

隙間の向こうに見えるの塔は、対岸の小さなサン・ジョルジョ島にあるマッジョーレ教会
この島は絵描きに人気?の島で、描かれた絵をよく目にしますし
私も大好きです。

小さな島のほとんどがこの教会で、中に入って塔の上の鐘まで行けます。
エレベーターおじさんにお金を払って一緒に昇るのですが、
当時27歳だった私は、イタリア人からは若く見えるのかして

エレベーターおじさん
「学生だろ!」


「シィー シィー」 (はいはい)

エレベーターおじさん
「タダでいいよ!」


「グラッチェ~♪」 (あんがとさ~ん♪)

優しいエレベーターおじさんです。


で、たとえば
町を歩いていて不意に路地の向こう側で、大好きな片思いの人を発見♪
あなたの足はピタリと止まり、心臓はドキドキと脈打ちはちきれんばかり
歩いていた目的も忘れて、釘付けになるほかありません。
なんせ相手は気づいていないかも知れないのですから・・・・

この絵はそんな感じで、
運河の隙間から不意にサンジョルジョが現れドキドキして
ギュッと見つめたときに、周りの建物がただの圧力となり
そのまま歩けば覆い隠そうと迫る!
縦に入るラインはベネチアのイメージと象徴的な緊迫感からきたものです。

突然のドキドキって・・・・
生涯忘れられない思い出になるんだよな~


シィ~










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イタリア・ベネチア 「邸の見える赤い路地」

2010-07-01 01:47:46 | 油彩画ベネチア
Copyright2008-2010 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「邸の見える赤い路地」油彩画  6号P  1997年 イタリア・ベネチア

思い出の絵
イタリア・ベネチア

「邸の見える赤い路地」
この絵はベネチアに来て2番目に描いた作品です。
1番目はこの作品

ブルージュ滞在制作が終わって無事に帰国、翌年に個展、
その後すぐイタリアのベネチアにいきました。
今回も約半年ほどの滞在制作です。

以前にもお話ししたと思いますが、
ブルージュでは現場制作にこだわりました。
その場で描く作戦ですね。最高♪

が、しかし
描き込めば描き込むほど、
見れば見るほど、
絵が出来上がってくるにつれて
感動から遠ざかる不思議な結果に・・・・

なっ なんでやろ~

風景に感動して描写につとめたのに、
感動から遠ざかるのは、
感動している私の心の気持ちを見落としたんじゃなかろうか?
外に意識しすぎて、内を見落としてしまった!
と思うようになり、
ベネチアでは
現場制作で風景に感動したら、その時!
目をつぶり、心を見て、
筆を入れてみよう作戦にいたしました。

ですが、
不器用な私は
感動する風景に出会い
心にエネルギーが沸き起こっても
視覚的に確認できる心モニターが無く


試行錯誤の・・・・はじまり始まり♪



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