ろくびー

山中清隆 作品日記
Kiyotaka Yamanaka

イタリア・ベネチア3 「食パン教会」

2010-09-18 00:06:18 | 油彩画ベネチア3
Copyright2008-2010 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「食パン教会」油彩画  4号F  2002年(個人蔵) イタリア・ベネチア


思い出の絵
イタリア・ベネチア3


「食パン教会」


ベネチアの教会の中で、ちょっと変わったデザインの
サンタ・マリア・デイ・ミラーコリー教会。

絵には、「まる」を描いていませんが、
まるを基調に可愛くデザインされた小さな教会で、
白大理石にピンクや緑やグレーや茶色などの石で豪華に装飾され
リズミカルな「まる」のアクセントが、とても印象に残る教会でした。

教会の中のシンボル的十字架にまで、
まるを並べた十字でデザインされていて
これがまた可愛らしい。

で、
この小さな教会の屋根が「かまぼこ型」をしてまして、
教会に怒られるかもしれませんが、
食パンの一斤に見えなくもありません。
もちろん
食パンが大好きなので、褒め言葉なんですけど・・・・

以前
大家さんの友人のフランス人の文学系・大学教授さんと仲良くなって、
通訳してもらいながらお喋りしてましたら
三島由紀夫の文学的な話の時に彼に質問されました。

「あなたにとってフランスのイメージとは、なに?」

空気の読めないフランスパン好きの私はつい

ん・・・・・「パン♪」


彼は怒ってしまいました。



なので、
食パン教会さんに

「けしからん!」と

怒られるかもしれません。



が、

かまぼこ教会よりは・・・・










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イタリア・ベネチア3 「散歩道」

2010-09-14 21:28:57 | 油彩画ベネチア3
Copyright2008-2010 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「散歩道」油彩画  15号F  2002年 イタリア・ベネチア


思い出の絵
イタリア・ベネチア3


「散歩道」



はじめ、家が可愛くて好きだったので描き始めました。
実際は、家の正面が広場で左側が運河になっています。

で、この家を現場で描いていたら
黒い犬が一匹通り過ぎていきました。

まるで犯人探しで、建物の隅を調べてるみたいに
もくもくと歩いていきます。

飼い主からはぐれたのか
遅いので置いてきたのか
遅くて置いていかれたのかは
まったくわかりません。

一匹であることになんの不自然さもなく
アンテナのようにピンっと立った尻尾や
黒くてりっぱなお尻もかっこよく決まっていて
この風景が日常的だったらいいな~
なんて勝手なことを思いつつ・・・・

犬は、止まることなく歩いていって
ついに見えなくなりました。


きっと

建物が、どんなに美しくかっこよかったとしても
空が、どんなに青く底抜けに広かったとしても
運河の揺らめきが、どんなに優雅で深々と優しかったとしても

いつもの散歩道の「におい」には、かないません。



あんまりに自由で可愛らしかったせいか
犬の散歩道に気持ちを持ってかれたせいか

家の絵は、
いつのまにか
犬の心の絵に

変わっていきました。



クンクン♪






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イタリア・ベネチア3 「待つ」

2010-09-10 23:31:12 | 油彩画ベネチア3
Copyright2008-2010 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「待つ」油彩画  30号F  2002年 イタリア・ベネチア

思い出の絵
イタリア・ベネチア3

「待つ」

ベネチアの鉄道駅からバボレット(水上バス)に乗って
二つ目の船乗り場にサン・マルコーラ教会があります。
船乗り場の名前もサン・マルコーラで、降りると目の前が教会です。

大運河から見る表側の表情は、
レンガむき出しのゴツゴツした感じなのですが、
裏側には白い漆喰が施され、所々に昔のピンク色をした壁が見えていて、
なんとなく色っぽくて可愛らしいんです。
この絵は、そのサン・マルコーラ教会の裏側を描いています(実際は表なのかも)。

船乗り場のそばですから偶然ばったり知人と会ったりして、
楽しい立ち話が始まりますと、
長い人では20分ぐらいは喋られますから
ご主人さまと散歩中だったワンちゃんには、
辛い時間かもしれません。

ベネチアでは、犬のしつけが徹底していて、
紐でつながれ散歩している犬を見るのは稀なぐらいで、

「待ってて!」

と言えば、かわいそうなぐらい待ちますし、
じっとしていました。


待つのは舟ばかりではありませんね~


絵を現場で描いていたので、
ワンちゃんの忍耐が気になってしかたありません。
教会もなんだか私と同じく、気にしているみたいです。


まだかな・・・・

待つのって長いな~



で、
しつけは徹底していますが、
フンのお持ち帰り率は低いのか、
犬が多すぎてなのか?

よく転がっていますし
踏まれたのも見ますし

たまに私も・・・・



「ふにゃ」




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イタリア・ベネチア3 「舟の見える路地」

2010-09-09 22:37:10 | 油彩画ベネチア3
Copyright2008-2010 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「舟の見える路地」油彩画  4号F  2002年 イタリア・ベネチア




思い出の絵
イタリア・ベネチア3


「舟の見える路地」


私の住んでいたアパートの近くに
食材の買える市場のような広い通りがありまして、
名前をジョゼッペ・ガルバルディ通りといいます。

ベネチアの端っこの方にあるので、観光客より地元の人が多く
子供達とか犬とかが遊んでいて、賑やかで楽しく馴染みやすい通りです。

運河を埋め立てて出来たらしく、ベネチアでは珍しい広くて真っ直ぐな通りで、
奥まで進むと、突然通りの真ん中から運河が現れます。

運河には、日よけの張られた船の野菜屋さんが停泊していて、
お店と同じように綺麗に並べられた新鮮な野菜を
運河越しに買うことが出来るので、お洒落で楽しいです。

野菜舟屋さんのそばには、ワイン屋さん、肉屋さん、パン屋さん、
魚屋さんとかもあってとても便利で、
魚は、リアルト市場よりも少し高いですが、
手頃で新鮮な小イワシがあるときは買って、
スパゲティーにしたり、フライにしたり、マリネにしたりしました。
特にマリネは大好物ですからよく作りましたね。

仲良しのイタリア人Pさんに食べてもらったら
「うっ うま~い♪ 誰に教わった?」
と、かなり好評でして、私の自慢の1品でございます。

作り方はいたって簡単なのですが、ラ・カッレッタのシェフ
「てっちゃん」直伝の代物なので、レシピの公開は控えさせていただきます。

この通りで仲良しの人にバッタリ会うと、そのまま立ち話かバール行き♪
いいですね~
最高の環境です。


で、
この絵はその楽園のような賑やかな通りから、
なにげなく入っていった細い路地の突き当たりの
白い建物の下にある通路の向こう側の運河に
静か~に浮かぶ青い舟がちらりと見える風景なんです。

そのちらりと見える青い舟が、
誰かをじっと心待ちにしているようで、
気になってしまい
好きになってしまい
描きました。

誰もいない静かな所から
賑やかな通りを、ほんの少し覗き見している具合が
とても切なく愛らしい。

なにも喋らないけれど、
待っててくれている舟
どこかに連れてってくれる舟


何かをきっかけに
自由に飛べる心の不思議。



どこに飛ぶのかなぁ・・・・

















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イタリア・ベネチア3 「バザーのあと」

2010-09-07 07:21:19 | 油彩画ベネチア3
Copyright2008-2010 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「バザーのあと」油彩画  4号F  2002年(個人蔵) イタリア・ベネチア

思い出の絵
イタリア・ベネチア3

「バザーのあと」


月に一度でしたか忘れましたが、
広場でバザーの催しがあり
なんやかんや売っていまして、
みなさん掘り出し物探しで楽しそうです。

バザーが終わって店や品物が片付けられ、
残っているのは大きなパラソルと
祭りの後の不思議な余韻。


物語の抜け殻でしょうか
お喋り声のこだまでしょうか
みんなの思い出が、まだここにいるのでしょうか

いつもの広場は
普段と違うこの余韻に
幸せそうにひたっていました。

で、
その幸せ顔に
またひたっていた私を
お散歩中のワンちゃんが、
不思議そうに観察しています。


あっ

たぶん
油絵での犬初登場。







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イタリア・ベネチア3 「ゴンドラの休日」

2010-09-05 07:23:38 | 油彩画ベネチア3
Copyright2008-2010 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「ゴンドラの休日」油彩画  6号F  2002年(個人蔵) イタリア・ベネチア

思い出の絵
イタリア・ベネチア3

「ゴンドラの休日」

大運河沿いの開けたところや
海岸沿いの邪魔にならないところには
細い杭がたくさん打ち込まれ
ゴンドラの停泊場所があります。

この絵のゴンドラは
大運河沿いの陸上からの乗船が出来ない場所にあって、
誰にも邪魔されずに休んでいました。

休みの日には
雨水が入ったり汚れたりしないよう
上に青い綺麗なシートをしっかりかぶせてもらい
静かに安心して休んでいます。

私だったら
山に行きたいな~とか
海で泳ぎたいな~とか
散歩がしたいな~とか
思いますけど、
ゴンドラさんは夢でも見ているのでしょうか。

運河の音色や波に心をゆだねて楽しく自由に
お気に入りの場所まで飛んでいって
ゆっくり人生を眺めているのかも

時折仲間達が通りますから

ひやかしたり
ねぎらったり
お喋りしたりして


案外忙しいのかもしれません。







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