ろくびー

山中清隆 作品日記
Kiyotaka Yamanaka

伏見ビル

2011-08-14 17:30:20 | オーダー風景透明水彩画
Copyright2008-2011 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「伏見ビル」 オーダー風景透明水彩画 (880×700) 2011年作(個人蔵)


「伏見ビル」


今回ご紹介いたしますオーダー作品は

大阪での展示会のときはいつもお世話になっております、
大正生まれの登録有形文化財・伏見ビルです。

ご依頼者さんは伏見ビルのオーナーさんで、
ご依頼内容は

①伏見ビル
②オーナーさんとお二人の娘さんとご友人さま

です。


伏見ビルを描くのは今回で3度目。
オーナーさんは伏見ビルと同じく
おおらかで可愛らしく優しい女性の方ですが、
私が11年前に初めてこちらで個展をさせていただいたとき
「とんかつ屋もず」を1階の今のフレンチレストランの場所で経営されていまして、
美味しいとんかつを食べさせていただいたときの
オーナーさんの切り盛りする凛々しい姿を
今もよく覚えています。

娘さんお二人も
お母さまをお助けになって、
このビルに携わる大切な方々。

ご友人さまもまた女性で
古くからこのビルに携わってこられた
無くてはならない大切な方なんだそうです。



テーマが伏見ビルなので、
今回はビルの様子が分かるように2面を入れて
少し立体的に描くことにしました。
緑がほしかったので、隣の青山ビルさんのツタを描かせていただき、
伏見ビルの玄関には花を生けてある梅鉢を描いています。

道路の角に座ってビルを眺めながら描いていますと、
この街を支えている大切な人々が、
自然な姿で
時の流れに身を任せて
優しく歩いている美しさに気づきます。



薄紫の道の色は
伏見ビルと青山ビルを乗せて走る大きな船のイメージ

そして
風になびく草原の花はその船を浮かせる幸せの海のイメージ

その下地で
薄紫の道の船を取り巻いている白くてぼんやりとした余白は

子供が田んぼでオタマジャクシを見つけて
おもわず両手ですくって
顔の近くで目をキラキラさせながら
大切に小さな命を眺めるように

このビルに携わった4人さんそれぞれの
白くてあたたかくて優しい女性の手が重なって
壊さないように両手で大切にすくい上げ
今も見守ってくださっている
愛の手のイメージです。


伏見ビルと共に歩まれた
素敵な女性の物語。



ありがとうございました。

■現在作品は、伏見ビル1階ギャラリーもずにて展示していただいております。
〒541-0044
大阪市中央区伏見町2-2-3 
伏見ビル1階
ギャラリーもず
TEL : 06-6231-2035
FAX : 06-6231-2034

■地図

地下鉄堺筋線「北浜駅」6番出口徒歩1分
地下鉄御堂筋線「淀屋橋駅」11番出口東へ徒歩6分
京阪「北浜駅」徒歩7分


そういえば
クロネコヤマトさんも

女性だったな♪




にほんブログ村 美術ブログへ


Dr.Makise

2011-08-12 08:52:07 | オーダー風景透明水彩画
Copyright2008-2011 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「Dr.Makise」 オーダー風景透明水彩画 (500×390) 2011年作(個人蔵)


「Dr.Makise」


今回ご紹介いたしますオーダー作品は
「サプリメント会社のポスターとして使える絵を描いてください」です。

依頼者さんは株式会社牧瀬ライフアップ研究所の社長さんで、
ご依頼内容は

①羽織袴を着た牧瀬医師
②先生が研究、調査のために訪れた世界中の風景
③絵のベースカラーは黄色

です。


牧瀬ライフアップ研究所は、
「健康と、幸福と、美と、長寿」をテーマに
サプリメントなどの健康関連商品を真面目に手がける会社。

サプリメント商品の中には月桃加工食品というものがありまして、
実はこの月桃、私には特別なじみのある植物なんです。

沖縄の小浜島で滞在制作していたときに初めて出会ったのですが、
ショウガ科の植物で生命力が強く、島中いたるところに生えていました。
夏には白くて可愛らしい房なりの花を咲かせ、
葉は殺菌力が強く、地元の人が生活の中で大切に利用しています。

私がバイトしていた島の飲食店では、
お店で出す蒸し料理の食材に、
香り付けをする葉として食材を包み使っていましたので、
大将と一緒に月桃の葉をよくとりに行ったものです。
蒸しますと、その上品な芳しい香りが食材に移り、
強い殺菌力のせいでしょうか、
特に魚などは臭みが消えて旨みが引き立ちました。
これをポン酢で頂きますと・・・・
たまらない美味しさです♪


で、
絵の話。

先生は実際にスケッチをさせていただきました。
先生のイメージを確りつかむためのスケッチで、
絵には先生の羽織袴を着た動画を参考にして描いています。

世界中の風景は、
先生が実際に現地でお撮りになった、
たくさんのお写真を画像データでお借りいたしまして、
スライドショーで旅をしているかのように何度も見させていただきました。
先生の視点はとても楽しく
なにごとも喜んで取り組まれている姿勢や
景色を穏やかなお気持ちで眺められているところが
なんとなく伝わってくるようです。
その画像から、私の方でピックアップ
風景として一つにまとめました。

カラコルム山脈の大きな山の風景を黄色く絵のベースにして、
その向こう側にはスイスの湖と南米の川とアラブの海が一つになって広がっています。
真ん中に羽織袴を着た牧瀬医師
左には南米の歴史的建物と教会
右にはネパールの寺院と沖縄の首里城
先生の足もとを賑やかにしていますのは、
先生が微笑みをもって眺められ、写真に撮られた様々な物語。
そして
先生の研究にかかせない植物には、
下側に赤い花を咲かせる月桃を
上側に星型の実がなるツル植物を
描いています。


会社の文字などを後から入れてもおかしくないように
カラコルム山脈に少しスペースを作りました。



■この絵をラベルに使ってくださった商品「泡なしオイル石けん」の詳しい情報はこちら
http://www.makise.jp/product/

■会社のホームページでは、絵の文字入り画像を使っていただいております(海外用)。
Makise Lifeup Laboratory
http://www.makiselabo.com/

■牧瀬ライフアップ研究所の健康関連商品の詳しい情報はこちら
株式会社牧瀬ライフアップ研究所
http://www.makise.jp/

■牧瀬医師の詳しい情報はこちら
牧瀬クリニック公式HP*ドクター牧瀬のサプリメント・クリニック
http://www.drmakise.com/


ありがとうございました。




健康は
全ての人の

宝物♪




にほんブログ村 美術ブログへ



なかやまさん

2011-08-09 17:34:22 | オーダー風景透明水彩画
Copyright2008-2011 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「なかやまさん」 オーダー風景透明水彩画 (380×280) 2011年作(個人蔵)




「なかやまさん」

今回ご紹介いたしますオーダー作品は
「今年で3回忌を迎える父の生きた証を絵にしてください」です。


ご依頼者さんは実の娘さんで、依頼内容は

①家の外観とちょっとした近所の風景
②ベストを着たお父さまとご家族さま
③お父さまの自営業で使用していた魚の形のロゴマーク
④光雲のイメージ
⑤お父さまのご趣味の鮎つりのイメージ
⑥満開の桜のイメージ
⑦お父さまの愛車ローレル

です。


依頼者さんのお家で制作の打ち合わせをいたしました。
お亡くなりになられたお父さまを偲ぶお気持ちが、
お話の中からあたたかく伝わってきます。
ご家族さまの愛情で光り輝いたお父さまのエピソードは、
まるで実際にお会いしているかのような気持ちにさえなりますから
ほんとうに不思議です。

お父さまと愛車ローレルのお写真、
スケジュールの調整がつかないご家族さま、
そして魚の形のロゴマークなど、
必要なお写真をお借りいたしまして、
まずはお家のスケッチからスタートです。

お父さまは黒と白の模様が入ったお気に入りのベストをよく着用していたそうで、
絵にもそのベスト姿でご登場。

お母さまと依頼者さんとお孫さんにモデルになっていただき、
ご家族さまが賑やかにお家を取り囲んでいるイメージを作ってもらって撮影。
後から参考にして描き入れました。

お父さまが依頼者さんに見届けられ、ご他界なさったとき、
早朝の病室の窓に射し込んできた眩しいほどの朝の光が、
忘れられない思い出だそうで、
その光雲のイメージを、空と家を使って光り輝くように表現しています。

そして
お葬式が終わり、
火葬場に向かうまでの目に映る風景が、
満開の桜だったことも強く印象に残っているそうで、
その美しさがそのままお父さまの思い出の入り口になりますように
大きくご家族さまを包み込んで、桜を象徴的に表現いたしました。


その桜の左上にはお店のロゴマーク、
右上にはお父さまに鮎つりを楽しんでいただき、
愛車ローレルは1階の車庫に入れさせていただきました。





残された
お家とご家族さまは
お父さまの愛の証
光となって
いつまでも
いつまでも
見守って下さっているような気がいたします。



ありがとうございました。








にほんブログ村 美術ブログへ


シロちゃんの世界

2011-08-02 17:50:02 | オーダー風景透明水彩画
Copyright2008-2011 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「シロちゃんの世界」 オーダー風景透明水彩画 (380×280) 2011年作(個人蔵)

「シロちゃんの世界」


今回ご紹介いたしますオーダー作品は
ご依頼者さんとペットのワンちゃんとのあたたかい絆の風景画。

ご依頼内容は
①犬のシロちゃんの大切な世界を描いてください。
②シロちゃん行きつけのドック・アミューズメントビルを入れてください。
③シロちゃんとの散歩道の、コブシ並木が満開に咲いているシーンで。


です。


コブシの花は私も大好きで、
冬の終わりごろ
葉っぱの何も無い枝に
じわじわと
あたたかそうな服を着たつぼみを膨らませ
厚手のもっちゃりとした
白くて優しい手のひらサイズの
可愛らしいお花さん。


シロちゃんとの散歩道は、ご自宅からすぐのコブシ並木を通り、
行きつけのドック・アミューズメントビルぐらいまでの往復だそうです。

私もご依頼者さんとシロちゃんと一緒に、
このコースを散歩させていただきました。

残念ながら
まだコブシは小さなつぼみで咲いておらず
冬の寒い青空の中でしたが、
シロちゃんへの大切な思いや
この街へのあたたかい愛情や
コブシが満開に咲くころの美しさ
お気に入りの建物など
楽しいお散歩の会話の中で
色々とお聞かせ頂き
この絵の姿が見えてきました。



並木道は直線の見通しのいい印象でしたので、
絵もそのままのイメージで

子供達がいつも微笑み遊んでいる大きなグランドに
シロちゃんのドック・アミューズメントビルと
大きな塔のある幼稚園と
アパレル会社の洋風の洒落たビルを街並みとして入れ

シロちゃんと依頼者さんには
手前に入れた真っ直ぐな道に
いつものように登場していただき

依頼者さんの大好きな
白くてあたたかい満開のコブシ並木で
大きく包みました。

私のスケジュールの都合で
コブシが満開に咲くころ
現場へ描きに行けず、
当初はコブシの写真を使おうと予定していましたが、
たまたま一足早く
私の家の近くのコブシ並木が満開に咲いてくれましたので、
ありがたくこちらを現場スケッチ♪


おかげで私も
コブシの花の優しさを
以前よりもずっと好きになり
教えていただけたように思います。



ありがとうございました。



あぁぁ

来年のコブシが
楽しみ♪



にほんブログ村 美術ブログへ