2024.06.3
ロシア軍の攻勢は6月も続く、チャシブ・ヤール東地区でグレーゾーンが拡大
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/russian-military-offensive-continues-in-june-gray-zone-expands-in-eastern-chasib-yar-area/
これが航空万能論の最新記事です。
1か月以上前からほとんど戦況に変化がありません。
その当時からチャシブ・ヤール市街東にある飛び地の運河小地区は廃墟になっておりいつでもロシア軍は総攻撃をかけられます。
何だか見ていると行き渋っています。
やるんだか❓やらないんだか❓
どうもロシア軍が情報統制しているようでいつもなら進軍ラッパを吹き鳴らすロシアの軍事ブロガーも静かです。
非常におかしいですね❓
『ロシア、ウクライナ東部要衝に集中攻撃 ウ軍総司令官「全体として状況は困難なまま」』
2024/6/6 09:50
https://www.sankei.com/article/20240606-T44G45R4ENNBFBCKUU3I3YSO4I/
ウクライナ軍は、ロシア軍が予定した通りにハルキウ北部戦線に吸い寄せられて、完全にはまり込んでいます。
写真で見るボルチャンスクВовчанськは早くも半分廃墟になっています。
これは市街南側から北側を撮影していると思います。
増援部隊を送り込んだウクライナ軍は、北側の市街を若干取り戻しました。
しかし市街戦に引き込まれてそれ以上の前進を阻まれているようです。
シルスキー総司令官は、「ウクライナ軍が前線に十分な弾薬と兵士を送り込み、主導権を奪い返すチャンスはある」と主張したようです。
ハルキウ北部は、あっと言う間にロシア軍に占領されてウクライナ政府に対する国内の批判が大きいようです。
その汚名を挽回するためにも占領された地域を奪還してロシア軍を追い払うのがノルマです。
それを違う言葉でシルスキー総司令官が発言しています。
つまり❓
これがロシア軍の狙いです。
ウクライナ軍が逃げられないような戦場に予備兵力を引き込んで持久戦(=消耗戦)をやってウクライナ軍をすり潰すのが狙いだろうと思います。
逃げたくても政府のメンツがかかっているので逃げられません。ひたすら戦い続けます。
ロシア軍は、それを読んでボルチャンスクВовчанськ北部に砲兵部隊やミサイル部隊が照準を合わせて叩き続ける要領です。
後方はドローン部隊が攻撃するでしょう。
大きな目標は、ミサイルで攻撃すると思います。
ウクライナ軍をすり潰す罠が、仕掛けられているという訳です。
名付けて❓
「ロシア軍のアリ地獄戦術」
多分、終わったころには増援で送り込まれたウクライナ軍は壊滅すると思います。
チャシブ・ヤールでも同じことをしている可能性があります。
運河小地区(東地区)にウクライナ軍の守備部隊を引き入れ爆撃や砲撃で数を減らします。
数が減るとまた増援部隊が送り込まれます。
これを延々と1か月以上やっているように思えてきました。
それ以外、ロシア軍が総攻撃しない理由がありません。
もっとも、それももう終わりかもしれません。
ロシア軍広報
https://sputniknews.jp/
『ドンバスの解放を賭けた特殊軍事作戦』
このようなコーナーがあります。
ロシアの広報誌のようなメデイアですからロシアに都合がいいことしか書いていません。その点は西側のメデイアと同じです。
6月3日
https://sputniknews.jp/20240603/63-18549276.html
『ロシア軍「セーヴェル」(北方面)隊はウクライナ軍の3旅団を敗退させ、5度の反攻を撃退した。ウクライナ軍は過去24時間に最多で215人の人員を失った。』
これはハルキウ北部戦線です。
余りウクライナ軍の反撃は、上手くいっていないようです。
『ロシア軍突撃隊はチャソフ・ヤル(バフムートの西)付近にあるウクライナ軍の巨大な要塞を掌握した。ドンバスではこの要塞の掌握をめぐって戦闘が繰り広げられている。』
チャシブ・ヤールの主要な市街地には、まだ戦闘は及んでいません。
「ウクライナ軍の巨大な要塞を掌握した」
と報告しています。
市街地の東で大きな要塞と言えるのは、飛び地の小運河地区(東地区)か、北側のボダニフカBohdanivkaのすぐ西のカリーニナKalininaのどちらかだと思います。
カリーニナKalininaにロシア軍の装甲車が乗り入れて破壊された動画がありました。
カリーニナKalininaをロシア軍が制圧したのであれば、いよいよ北側から運河を超えてロシア軍がチャシブ・ヤールの主要な市街地の北側の郊外から進撃を始めることになります。
情報統制が解除されたらロシアの軍事ブロガーが進軍ラッパを吹き鳴らすと思います。
ロシア軍の広報が発表していますから、もうすぐでしょう。
「いつ攻めるんだ❓」と、誰もが疑問に思っていたとおもいます。
※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑤
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27
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