「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

そもそもロシアが、どんな国か知っているのだろうか❓<2024.06.20

2024-06-22 19:19:15 | ロシアと周辺国

『彼を知り己を知れば百戦殆からず』
永遠のベストセラーです。
こんなことを紀元前の大昔に考えた人がいたことに驚きます。余りにも真実すぎて、現在にも通用する考え方です。
人間がいて戦争がある限り、価値を失うことはないと思います。

であるのに❓
現在の人間は、愚かに過ぎますね❓

西側の敵(彼)がロシアであるなら、どれほど西側がロシアを知っているのか❓
ほゞ、ステレオタイプのロシアの漠然としたイメージしかないと思います。
日本も同じですね❓
単にプロパガンダと色眼鏡の決めつけしかないから、「鬼畜米英!」的なスローガンで済ませようとします。

ロシアは、単にロシアであってロシアでしかありません。
複雑なことは、私にも難しすぎるので書きません。

ごく大雑把に書くと共産主義ロシアは、東西冷戦に敗北し政治的に崩壊しました。
その後、10年近く混乱と悲惨な社会が出現しました。
第二次大戦に負けた日本の戦後の混乱期と大体同じです。
ギャングと新興財閥が支配する法も秩序も失われた貧しい社会が出現しました。
プーチン氏が政治権力を握ったのが、2000年です。
その後、政治基盤を固めるとともに混乱したロシア社会の秩序を取り戻しロシアの再建に取り組みました。
大混乱のロシアを掌握するには、強権的な手段を用いるしかありませんでした。

そこからロシアの再建が始まりました。
今、2024年です。
混乱し無秩序だったロシアをたった20年少々で再建したのが、プーチン氏です。
ロシア人の目から見れば、ロシア中興の祖と言えます。
最悪の時と現在を比較するなら、ロシア人は誰も最悪の時期に戻りたいとは思わないでしょう。

西側が極悪非道と中傷するプーチン氏は、ロシア人から見れば英雄です。

プロパガンダの色眼鏡とは、随分違うでしょう❓

その過程でプーチン氏がロシア国民結束の手段として用いたのが、ロシアの誇りです。
それは、何か❓
第二次大戦でナチスドイツと独ソ戦(大祖国戦争)を戦い勝利したロシア民族の誇りです。
ロシアでは大祖国戦争と呼びます。
『大祖国戦争に勝利した父祖を思い出せ!
今、我々は困難な状況にある。
しかし団結して勝利しよう!』

大体、このようなイメージで国内の結束を取り戻し再びロシアを一つの国にしました。

そのようなロシアの国内事情は一切無視してアメリカは、NATO東方拡大戦略を決めてウクライナを抱き込み、ロシア国境に迫りました。

ほぼアメリカ=NATO=ウクライナは、ロシア側から見るとナチス・ドイツと同じです。
だからロシアは、それを防止するためにウクライナへの軍事介入に踏み切りました。
ロシアにしてみれば正当防衛と同じ感覚です。
罪の意識などあるはずもありません。

それを歌で知ってほしいと思います。
「カチューシャ」
ほとんどロシア民謡と書いています。
これは戦時流行歌でロシア民謡ではありません。
大祖国戦争の中でロシア国民が愛唱してロシアの国民歌になりました。第2国歌と言っていいでしょう。
大祖国戦争をロシア人が思い出せば、まず「カチューシャ」を思い出すでしょう。
そんな歌です。

もう一つロシア人にとって神聖な歌があります。
「聖なる戦い」です。
独ソ戦の勝利を祝う歌です。
独ソ戦でどれだけのロシア人が犠牲になったか知っていますか❓
民間人も含めて2000万人から3000万人と言われています。
それほど過酷な戦いを戦い抜いてナチス・ドイツの勝利しました。
「聖なる戦い」は1941年6月22日に新聞に歌詞が掲載されその後すぐに軍歌になったそうです。
まさに独ソ戦を戦って勝利したソ連軍のための歌です。

①Елена Ваенга - Песни Военных Лет ✬ LIVE ✬ Elena Vaenga - Songs of the War Years
https://www.youtube.com/watch?v=Hl0myzExUaY
Священная война (Концерт "Песни военных лет"). Поёт Елена Ваенга.
https://www.youtube.com/watch?v=8Y4_2Qa0QQs

これは赤軍合唱団のステージの風景です。
見て欲しいのは客席の風景です。①では高齢者が招待されていて勲章を沢山つけたおじいちゃんとおばあちゃんがいます。
独ソ戦に参戦して生き延びた元軍人たちです。
特に高齢者には、こうまでして守ったロシアが再び侵略されるのを許せるひとはいないでしょう❓

つまり❓
ウクライナとNATOは、ロシア人から見ればナチス・ドイツと同じだと言うことです。
ロシア人からウクライナ紛争を見れば、こう見えると言うことです。
民主主義のための戦いなど笑い話でしょう❓
侵略のための戦争に決まっています。

見る立場が違えば、見える風景は全然違うと言うことです。こんなロシアに戦争を仕掛けたウクライナは、愚かと言うしかありません。

もっと気軽にカチューシャ
【和訳付き】カチューシャ(ロシア民謡)"Катюша" - カナ読み有
https://www.youtube.com/watch?v=LH6gREvUhlc
Katyusha dance War Army solo Военный танец Катюша сольный
https://www.youtube.com/watch?v=YoB4Vkvceo0

Катюша-Марина Девятова и Катя Рябова.
https://www.youtube.com/watch?v=rnt-7MWxb8M

③Sisters Tolmachevy Katyusha, Катюша Den pobedy 2007
https://www.youtube.com/watch?v=ivASIwtHALM

③は可愛らしいですよ。
幼い双子の女の子が、上手に歌います。

☆私の大好きなカチューシャ
これはシンガーが歌手としてデビュー前のステージです。
所属する歌謡団が応援でバック・コーラスを務めています。もう、ノリノリでひたすら楽しいです。
Katioucha - Tatiana Bulanova & Chœur Piatnitski -- English & French subtitle
https://www.youtube.com/watch?v=ngK_Cj5bH9I&list=PLYRpau8yECtTIHPM3ALRaQKTj8ooOGAPT&index=2


☆これはロシア民謡です。今風の「カリンカ」
Marina Devyatova - Kalinka Malinka
https://www.youtube.com/watch?v=cfg-PeG7pOE&list=PLYRpau8yECtTIHPM3ALRaQKTj8ooOGAPT

平和な時代には、こんな風景もありました。
平和は、尊いですね❓
André Rieu - Kalinka
https://www.youtube.com/watch?v=VuF9N0VFcfk

☆結論、私が言いたいのはロシアのステージでは必ず赤軍がバックにいます。
プーチン氏が目指すロシア、ロシア国民がイメージするロシアが分かるような気がします。
西側の感覚とは、全然違うでしょう❓


※関連記事目次
項目「ロシアと周辺国」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/c/a23a051cf8ecfe4e9a324034dc37f999


2024年プーチン氏の北朝鮮訪問が朝鮮半島の軍事バランスを変える<2024.06.19

2024-06-19 20:47:27 | ロシアと周辺国

「朝露親善は永遠」「不敗の朝露親善団結 万歳!」 平壌でプーチン露大統領を歓迎
2024/6/18 18:39
https://www.sankei.com/article/20240618-5QH4BMS4BZN5JLTNOFAHQ4FJGY/
「ロシアは得るもの多きナンバーワン国家」金正恩氏は後戻りしない露朝関係構築急ぐ
2024/6/18 18:25
https://www.sankei.com/article/20240618-G4JOII5I5VNWPLWDBHES3XQT4A/
中国はプーチン露大統領の訪朝を静観 報道官「2国間の往来」
2024/6/18 18:03
https://www.sankei.com/article/20240618-ZKV4G6NZTZJRDBS2P25GHL2PK4/
「地域安定妨げるな」韓国、プーチン氏訪朝を牽制 宇宙分野の協力に「鋭意注視」と警戒感
2024/6/18 19:24
https://www.sankei.com/article/20240618-UGOTN3Z4KZP2NJBBWIJY5FPHDE/
北朝鮮、非武装地帯で地雷埋設中に爆発事故 「死傷者多数」と韓国軍
2024/6/18 14:45
https://www.sankei.com/article/20240618-JOB7V4HKWRM37PHDGJ5QOGAM54/

中韓初の次官級2プラス2、韓国が露朝の軍事協力への憂慮示す、中国に建設的役割要請
2024/6/19 08:30
https://www.sankei.com/article/20240619-52HD5665AVLOHCNNHQ4YQ4RA5U/

予定されていたことですが、プーチン氏の北朝鮮訪問が実現しました。
会談後、包括的提携条約が調印される見通しです。
去年のウラジオストクでの会談後、北朝鮮はロシアへ砲弾とミサイルを大量に売却しました。
ロシアのほうからも様々な見返りがありました。
今後、その関係を深めて行こうと言う狙いだと思います。

これまで北朝鮮の主要な相手国は中国でした。
しかし、中国と北朝鮮の関係は蜜月と言うには程遠いものがあります。
中国は北朝鮮が中国の傘下に入るべきだと考えていた節があります。一方で北朝鮮は、それを拒否していました。中国と協力はしても指図は受けないと言う立場です。
中国も北朝鮮と韓国を競わせるような態度も見せていました。

ロシアは、これまではアメリカに配慮して北朝鮮に深入りするのは避けてきました。中国に対する遠慮もあったと思います。

それがあったから、6カ国協議も機能してきました。
北朝鮮に対する経済制裁もそうです。ロシアと中国の協力がなければ、成立しません。
ウクライナ紛争をきっかけにロシアはアメリカとは、完全手切れになりました。
そうなると北朝鮮の軍事力と武器生産能力はロシアにとって重要なものになりました。
それがウラジオストクでの首脳会談になりました。

その結果、ロシアと北朝鮮の強い協力関係が出来上がりました。ロシアは、その後アメリカの北朝鮮封じ込めに対する協力は拒否して、今年3月には「北朝鮮は独自の核の傘を備えている」と発言し事実上、北朝鮮の核兵器の保有を認める立場に変化しました。
中国は、この点には反対の立場です。

ロシアにとっては、北朝鮮との関係を深めて準軍事同盟的な関係を作ることは、アメリカと完全手切れになった以上、極東のロシアの安全保障には重要なことになりました。
元々北朝鮮は、完全な反アメリカでアメリカと対立していますから、反アメリカに外交方針を変更したロシアには都合が良いです。
アメリカとの極東での紛争に備える意味でも、ロシアにとって北朝鮮との準軍事同盟関係は、今後重要になります。

一方で北朝鮮は、ロシアとの関係を深めることで様々な支援が得られます。同時に朝鮮半島有事の際には、後方に強力な支援基地が得られます。

双方の利害が、ここで完全に一致しました。
そしてロシアの北朝鮮に対する態度は、親分子分の関係ではなく対等の立場です。
これが北朝鮮がロシアとの関係に前向きになった、最大の理由だと思います。

アメリカの愚かすぎる世界戦略は、アメリカの言う「悪の枢軸」の団結の東側を完成させてしまいました。西のイランもほぼ完成しています。
全部、弾圧すれば弾圧された者同志が、やがては協力関係を作ると言う単純な理屈です。

今年になり北朝鮮は、韓国を「第1の主敵」と宣言しました。南北統一路線は、完全に放棄しました。

https://www.sankei.com/article/20240618-JOB7V4HKWRM37PHDGJ5QOGAM54/
非武装地帯には、壁の建設を始めたようです。
新朝鮮半島冷戦時代の始まりです。

今後は、韓国はアメリカとグルになって北朝鮮を煽りすぎるとかなり強烈なリアクションがあると思います。跳ね返りはまず韓国に来ますから、間違えると痛い目に会うのも韓国です。

そして北朝鮮も主にロシアへの武器輸出で経済が楽になってきました。軍事面だけでなく民生面でもロシアの支援が受けられると思います。
悲惨な境遇に置かれてきた北朝鮮国民も多少は、政府が生活支援を行えるようになると思います。

まあ、そのほうが朝鮮半島の安定には良いと思います。生活が向上すれば、普通は戦争などしないと思います。

現在、北朝鮮は新たに多連装ロケット砲の生産と配備に力を入れています。従来の大砲に代わる攻撃兵器です。大型のものは射程300km程度あると思いますので韓国がこれまでと同じように考えていると、とんでもない間違いを犯すことになると思います。
ロシアと言う後背基地を得た北朝鮮は、これまでとは比較にならないほど強力だと思います。

そのような意味で朝鮮半島の軍事バランスは、大きく変化したと思います。
これまでは、アメリカ+韓国VS北朝鮮でした。
これからは、アメリカ+韓国VS北朝鮮+ロシアです。
軽々しく朝鮮半島で緊張を高めれば、国境紛争くらいは簡単に起きる可能性があります。

お互い自重してよい緊張関係の下、仲良く?喧嘩して欲しいものだと思います。
(永遠に仲良しには、なれません)


BRICSについて<2024.06.19

2024-06-19 20:45:57 | ロシアと周辺国

Hara Blogの記事を見るまで、全然気にしていませんでした。
2024年06月16日10:21
『米国の経済学者「BRICSの脱ドル化は米国に対する戦争である」』
https://hara.livedoor.biz/archives/52339713.html

グローバル・サウスの仲良しクラブか?
この程度の認識でした。
BRICS
https://ja.wikipedia.org/wiki/BRICS

BRICSという言葉自体がアメリカの経済学者の造語で単に参加国の頭文字を、くっつけただけです。
だから当初は、会議の趣旨が分からなかったのだろうと思います。
あるいは、西側があえて無視していたのかもしれません。
始まりは、2009年のようです。
最初にブラジル、ロシア、インド、中国の首脳が集まり会議を開きました。
2011年に南アフリカが参加して5カ国になります。

2014年7月15日
「新開発銀行」を設立
BRICSが運営する国際開発金融機関で、国際通貨基金(IMF)の国際金融への対抗する位置付けです。
これが、具体的な最初の成果のようです。
形になるまで随分、時間がかかっています。

2015年
偶発準備金協定2015年に設立
通貨危機に備えたものだろうと思います。

主にウクライナ紛争後、参加を検討する国が増え・・
2024年1月、BRICSに正式に加盟
サウジアラビア、UAE、イラン、エチオピア、エジプト


BRICSに正式に加盟申請国(多分、予定国)
カザフスタン、ベラルーシ、パキスタン、ベトナム、タイ、マレーシア、バングラデッシュ、アルジェリア、ナイジェリア、ギニア、キューバ、ホンジェラス、ベネズエラ、ボリビア

最近、正式に加盟申請を行った
タイ、マレーシア

『BRICS加盟に34カ国が関心表明、今年はロシアが議長国』
2024.02.04 Sun posted at 15:47 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35214806.html

加盟に関心を持つ国は、第三世界を中心にかなりあるようです。
ウクライナ紛争勃発後、西側がロシアの海外資産の全面凍結を実行したのが、大きな原因となり加盟の動きが急に広がりました。

現在の検討課題
「BRICS共通通貨」の創設
ドルに代わる決済手段としての『BRICS共通通貨』構想が議論されている

と言うような流れと現状です。
「BRICS共通通貨」の創設が実現できるかどうか・が今後の最大の課題です。
暗号通貨の技術と為替レートの妥当な調整方法を決められれば、十分可能なような気がします。

現在の世界貿易では、ドル決済から締め出されるとそれだけで、世界貿易から排除されます。
そのリスクを第三世界の国々が、西側のロシア資産凍結で認識したのが、根本的な原因です。

実際にロシアが行う貿易は、ドル以外の決済手段が用いられています。中国は人民元決済を拡大していますし、他の参加国もドルを使わなくて済む部分は、自国通貨などを利用していると思います。
ここに「BRICS共通通貨」が創設され利用されると、一気にこれらの国々の貿易決済が、ドルから「BRICS共通通貨」に置き換わる可能性があります。

大体、現在の参加国が世界貿易に占める割合が、40%程度のようです。

2009年の段階では、明確な構想はなかったと思います。その後、歴史から見ると瞬間的に「BRICS共通通貨」の創設が検討されています。
必要だから実現に向けた動きが加速していると言うことだろうと思います。

やはり時事日記を書いていると西側のダブル・スタンダードと横暴のひどさが目に付きます。
第三世界の世界に占める政治的・経済的比重が少なかったときは、それでも我慢するしかありませんでした。
しかし、第三世界の世界に占める政治的・経済的比重が大きくなった今は、我慢する必要はなく自分たちが新しい制度を作って利用しようと言うことだと思います。

おそらくこの流れは、進むことがあっても終わることは無いように思います。


プーチン氏が北朝鮮を訪問、何かと心配な韓国<2024.06.18

2024-06-18 20:15:42 | ロシアと周辺国

プーチン大統領18日訪朝、24年ぶり 関係強化の動き鮮明に
By ロイター編集
2024年6月17日午後 11:22 GMT+91時間前更新
https://jp.reuters.com/world/security/JABXOZHLUFKAFB7QR7MVBX5OY4-2024-06-17/
②中韓、18日に外交安保対話 プーチン氏訪朝議論か
2024年06月17日21時18分配信
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024061700919&g=int&utm_source=top&utm_medium=topics&utm_campaign=edit
③「一線越えるな」韓国、露朝の軍事協力巡り警告 有事に軍事介入し合う条約結ぶ可能性も
2024/6/17 17:44
https://www.sankei.com/article/20240617-6OPIA6WKQRKFJAU5UNE4Q7WFKE/

風船(汚物)爆弾問題でもめていた北朝鮮と韓国。
今度は、プーチン氏の北朝鮮訪問で韓国がジタバタしています。

北朝鮮とロシアは、今後関係を深めて行くのだろうと思います。ともに帝国主義アメリカと戦う同志国です。
アメリカが西でロシアを脅し上げ、東で北朝鮮を脅し上げた結果、脅し上げられた同志が結束してしまいました。

結局、ロシアと徹底的に敵対したアメリカ外交は完全な誤りでした。
それまでは、ロシアもアメリカに配慮して北朝鮮を露骨に支援することは、ありませんでした。
北朝鮮6カ国協議が成立していたのは、ロシアと中国の協力があったからです。
今は、そんなものはなくなりました。
北朝鮮の制裁も安保理で中国とロシアが拒否権を発動するので、決議できなくなりました。

それでアメリカに何か得があったかと言うと、何もありません。
ロシアと北朝鮮、ロシアとイラン
アメリカの敵国同士を結びつけただけでした。
本当にアメリカは、何も先のことを考えていないのが良く分かります。
衝動的に目先のことに反応するだけです。

まあ、それは脇において・・・
ロシアと北朝鮮の関係は、今後も深まると思います。
ロシアも砲弾不足のときに北朝鮮から大量の砲弾を買い付けて急場をしのぎました。
ロシアは、アメリカと違いますから借りを返すだけでなく相手との関係を重視します。
用事が済んだら、ポイ!のアメリカとは正反対です。

そして双方にメリットがありますから、やがて準軍事同盟的な関係になると思います。
だから北朝鮮の金正恩氏は、今年になりやたら強気です。
韓国は、「第1の主敵」にされてしまいました。

そんな経緯があり、韓国は心配で仕方ありません。
②、そこで韓国は中国と話し合うことにしました。
意味が一見分かりません。
中国は、朝鮮戦争を北朝鮮と一緒に戦った同志です。
だから、あまり北朝鮮とロシアが親しすぎるのも気に入りません。といって北朝鮮が中国の言うことを聞くわけでもありません。不思議で微妙な関係です。
そこで韓国をダシに使って牽制しています。

③、無駄かもしれないけれど韓国は、一応北朝鮮を脅しました。ほぼ効き目はないでしょうね?
親分がバカだと子分が苦労すると言う話です。

日本もこんな事に成らないように注意したほうがいいと思います。
最近、アメリカは頭が少し壊れて?いるように見えなくもありません。

③の記事には、意味深なことが書いてあります。
『複数の韓国メディアは、露朝が有事の際に互いに自動的に軍事介入する条約を結ぶ可能性があると報じている。』
つまり?
この条約が結ばれると北朝鮮がロシアに派兵する根拠が生まれます。直接、戦闘地域に派兵しなくても中央付近でロシアの国境警備隊が手薄な地域の国境警備を代行することは出来ます。
ロシアは、その付近のロシア軍を戦闘地域に移動できます。

あれあれ?でしょう?


マスコミが報道しない世界の裏側(BRICSの脱ドル化).<2024.06.17

2024-06-17 19:15:42 | ロシアと周辺国

ロシアは6月13日、モスクワ証券取引所がドル建て取引をすべて停止しました。
ロイターの記事は、以下のようになっています。

『モスクワ取引所でドルとユーロの取引停止、米の対ロ追加制裁受け』
By Alexander Marrow、 Mark Trevelyan
2024年6月13日午前 7:59 GMT+94日前更新
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/FFPB64UZZBJSXEIHRYBMX4D5KQ-2024-06-12/

ロイターの記事を読むと、経済制裁の結果のように書かれています。
ところが、どうも違う意味らしいことを「Hara Blog」が記事にしています。

2024年06月16日10:21
米国の経済学者「BRICSの脱ドル化は米国に対する戦争である」
https://hara.livedoor.biz/archives/52339713.html

『BRICSは、ドルに挑戦し、新たな世界貿易通貨を世界に提供する最先端の機関に変貌しつつある。ウラジーミル・プーチン大統領はサンクトペテルブルク経済フォーラムでの演説でこれについて言及した。』
『サンクトペテルブルクで開催された第27回国際経済フォーラムは、新たな世界経済圏形成の初期段階の終わりを告げた。私たちはそれをBRICSとして知っているが、すでに数十の国が参加を待っているため、近い将来その名前は変更される可能性がある。』
『このクラブは単なる発展途上国間の協力体制ではなくなり、BRICSを超えて急速に成長している。この組織は徐々に、ドルに対抗する新たな世界貿易通貨を世界に提供する最先端の機関へと変貌しつつある。』
『「西側の決済システムに対する信頼性と信頼が、西側諸国自身によって根本的に損なわれていることは周知の事実です。この点で、昨年、ロシアの輸出に対する非友好国のいわゆる有害通貨での支払いの割合が半減したことに注目したい。」
大統領は、BRICSに基づくドルに代わる通貨が現在開発中であると述べた。それが開始されると、それは「政治的圧力、濫用、外部制裁の干渉を受けない」完全に独立した決済システムとなる。』
・・・・・・
『新しい取引通貨が実現しないと期待するのは愚かだ。 BRICSの中核国であるブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカは、しばらくの間、ドルに代わる通貨の創設に取り組んできた。新たな二国間貿易協定が非ドルベースで交渉されており、サウジアラビアが石油輸出用のオイルダラーを一貫して拒否していることから、世界貿易からドルを排除しようとする協調的かつ多国間の動きが起きている。』
・・・・・
『もちろん、この動きによって貿易通貨としてのドルが破壊されることは決してないが、世界貿易の大きなシェアを占める恐るべき並行システムを生み出す可能性があることは確かだ。プーチン大統領が指摘したように、新規加盟国の流入により、BRICSは現在世界のGDPの36%を占めることになる。これは、ブロック内の国家間のすべての貿易が新しい貿易通貨で行われることを意味する。これらの国の多くは、例えば米国よりも対外貿易への依存度が高いため、近い将来、BRICS貿易通貨が世界貿易の最大40%を占めると考えるのが妥当だろう。』

<以上、抜粋引用>

BRICSの趣旨は、調べてもよく分かりません。
仲のよくないインドと中国が一緒にいるのは非常に変です。
しかし、新決済制度の創設が目的なら簡単に理解できます。ドル以外の決済手段が欲しいけれど、元・ルピー・ルーブルなどが、それぞれ単独ではドルの代わりにはなりません。しかし各通貨の交換比率を妥当な範囲で決めてそれを表す仮想通貨を創設すれば、これが可能になります。

それを現在、話し合っているということでしょうね。
現実に部分的には、実現しています。ロシアと中国の貿易決済は、人民元です。
他にも個別にドル以外の決済は、あると思います。

『モスクワ証券取引所がドル建て取引をすべて停止する』
意味は、この始まりという説明です。

随分、意味が違うでしょう?
ロイターの記事だと経済制裁の結果のように受け取れます。
実際には、ロシアのほうがドルを自国の証券取引から締め出したという事のようです。

※BRICS共通通貨
https://ja.wikipedia.org/wiki/BRICS
西側のロシア資産凍結と経済制裁が、この構想を具体化させたようです。今後どうなるかは、現時点では不明ですが構想が、後戻りすることはないと思います。

現実的な意味は、この試みが成功するとBRICSに加盟している国と、これから加盟する国のうちアメリカやユーロ圏と大した取引のない国は、ドルが必要なくなるということです。
ドルが余る事になります。
ドル余剰→ドルの価値の減価→ドル経済圏のインフレ

このようなことになります。
特にエネルギーや食料などを輸入に頼る国は、影響が大きいでしょうね?
日本など、もろにそうです。


※これは、全然別の話ですが興味深い話題にも触れています。
2024年06月16日18:48
元国務省サイバー担当官「ブリスマはCIAのプロジェクトだった」
https://hara.livedoor.biz/archives/52339727.html

ややロシアのプロパガンダ的な要素はありますが、西側のメデイアは、ほとんど触れない内容です。

『51人のスパイが嘘をついていたという事実だけでも十分ひどいことですが、実際には驚くべきことではありません。そして、彼ら自身もウクライナでのCIA作戦の真っ只中にいたのですから、その書簡を撤回することは決してないでしょう。ニューヨーク・タイムズは約2カ月前、国務省が米国から50億ドルを投じて民主的に選出されたウクライナ政府を打倒した後、どのようにしてCIAが実質的にウクライナ政府を乗っ取ったかについての記事さえ掲載しました。そのクーデターを支援するために税金が使われています。』

NYタイムスが、2014年ウクライナ・クーデターへの国務省とCIAの関与を記事にしているようです。
残念ながらその記事のリンクは書いていませんが、探せば記事があると思います。

私が、スプートニクの記事を引用してもロシアのプロパガンダだと思うでしょう?
もっと、詳しい内容をNYタイムスが報道していたとするなら、どうです?

2008年のアメリカのNATO東方拡大決定から、現在のウクライナ紛争は、アメリカの東ヨーロッパ戦略の一連の流れだと思います。

2022年2月24日から切り取って流れを見る欺瞞性と愚かしさを感じませんか?


BRICSと加盟申請国<2024年6月

2024-06-11 19:54:30 | ロシアと周辺国

①ロシアでBRICS外相会議 中国と協調、西側けん制狙う
2024年06月10日18時11分配信
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024061000579&g=int

大体、記事の書き方としてタイトルのようになります。
しかし、趣旨が違います。
西側の色眼鏡を外して、見てみると違う側面があります。

BRICs
https://ja.wikipedia.org/wiki/BRICS
会合の趣旨は経済的なものです。政治的なものではありません。
TPPと同じと言えるでしょうね。
TPPよりは、ゆるく規則的なものは現在ありません。
参加国の経済同友会的なものだと思います。
組織的な部分が出来上がっていくのは、これからだと思います。

当初の参加国が、ブラジル(Brazil)、ロシア(Russia)、インド(India)、中国(China)、南アフリカ(South Africa)で頭文字をとってBRICSですが、これも欧米が付けた名称です。
いわゆるグローバル・サウスの主要国の会合が始まりです。
現在、参加しているのがイラン、アラブ首長国連邦(UAE)、エジプト、エチオピア。
参加検討中がサウジアラビア。
参加申請国が・・・
タイ、ベトナム、バングラデッシュ、パキスタン
トルコ、カザフスタン、ベラルーシ
アルジェリア、ナイジェリア、セネガル
参加に興味を示しているのが約10か国。

特段、同盟や連合など政治的な連帯を目的にするものではありません。
①の記事タイトルを見ると、本当に嫌です。
敵か味方の二元論で決めようとします。
その考え方が、現在の世界の摩擦をわざわざ拡大しています。

そう言った考え方が嫌な国々が、何となくBRICSに集まりつつあると言えます。
逆に言うと西側が二元論的に敵味方を分けようとするからBRICSの集まりが出来たとも言えます。

見てわかる通り西側以外の資源国と新興国が、ほぼ集まっています。
他にもアラブ連盟とか
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%83%96%E9%80%A3%E7%9B%9F
アフリカ連合とかあります。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%95%E3%83%AA%E3%82%AB%E9%80%A3%E5%90%88

これらは、どちらかと言うと政治的な色彩があります。
BRICSは、ここから政治的な色彩を薄めたものと言えます。
だからイランが参加してサウジも参加を検討することが出来ます。
多元論の世界と言っていいでしょう。

今の西側は、敵味方の二元論です。
それでは、イランとサウジは同席できません。
多元論なら同席できるし、場合によっては経済的な関係も持てる・と言う仕組みです。

まあ❓
政治的なゴタゴタは抜きにして、みんなで金儲けしようぜ!
と、言うことなんでしょうね。
その方が、大勢集まるでしょう。
参加してメリットがあれば、参加国が増えると思います。
日本も顔出ししておいた方が、いいでしょうね❓
参加国が増えれば、相当大きな集まりに成長すると思います。

つまり、外交とはこのようなものだと思います。
外交を失った安全保障オンリーの現在の西側とは、付き合いたくない国が多いと思います。

※関連記事目次
項目「中国と東アジア」の目次①
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/f1f533ed01e2ff185e6b598bf5010540
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項目「ロシアと周辺国」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/c/a23a051cf8ecfe4e9a324034dc37f999


ロシアの国防相人事と国防省改革の裏側<2024.05.24

2024-05-25 20:02:03 | ロシアと周辺国

今回のプーチン政権の人事のうち国防相人事は、驚きがありました。
戦争の最中に戦争で一番重要な国防省のトップである、前ジョイグ国防相を移動(更迭)することは、普通考えられません。
しかしゲラシモフ参謀総長は留任となり、替える考えはないことをプーチン氏は明言しています。ただし、いつまでも・とは言っていません。

今回新国防相に任命されたアンドレイ・ベロウソフ氏は、経済担当の第1副首相からの昇格です。
ロシアの幹部では国防省のポストは、No4です。
アンドレイ・ベロウソフ氏は、大幹部に昇格したことになります。
第1副首相時代は、兵器用ドローン機開発の政府責任者だったと言うことで、戦争への貢献度は大きいと言えます。
軍の経験がないことは不思議ではなく、前国防相のジョイグ氏も軍は未経験での国防相登用でした。
軍の経験ではなく忠誠心と能力を基準にするのが、プーチン式です。

ジョイグ氏が国防相としての能力に足りなかったのは、戦争開始後のロシア軍のドタバタぶりと弱体ぶりを見れば明らかです。その意味でゲラシモフ参謀総長も同じですが、こちらは取り敢えず留任しました。

アンドレイ・ベロウソフは国防相就任にあたり、ごく大雑把に・・・
「一般予算と国防予算との効率的両立や兵器増産、さらに兵士の待遇改善などを掲げる」

戦争の長期化が予想される中で、予算の効率化と適正配分は避けて通れません。経済専門家のアンドレイ・ベロウソフ氏が登用された一番の理由だと思います。
それ以前からプーチン氏の経済顧問として能力を発揮し評価されたのでしょう。
もう一つの要素は、プーチン氏への忠誠心です。
大統領の家族とも親しく、プーチン氏の次女カテリーナ・チホノワ氏との近い関係であるとされています。

まだあります。
国防相交代の前に・・・
ロシアのチムル・イワノフ国防次官、収賄容疑で拘束
2024.04.24 Wed posted at 20:30 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35218213.html

超ド級の爆弾がさく裂しました。
ロシアの国防省の次官は5人くらいいて業務を分担しています。その後・・・

ロシア国防省人事担当幹部、収賄容疑で拘束 高官2人目
By ロイター編集
2024年5月14日午後 7:58 GMT+98時間前更新
https://jp.reuters.com/world/ukraine/UGPCPRECT5IGJOJWUDX2KZGQAI-2024-05-14/
「ロシアの連邦捜査委員会は14日、国防省人事総局長のユーリー・クズネツォフ中将を収賄容疑で拘束」

この他にも移動した次官もいて、ジョイグ時代の次官は一掃されたと思います。

予算の効果的な使用のためには、腐敗や汚職を排除しなければなりません。
西側の観測によるとロシアの国防関連予算の20%~40%は消えているのではないか❓と言われる「白蟻」ぶりです。
国防相とその次の次官を全部飛ばせば❓
「腐敗や汚職は、もうダメ!」
と宣言したのに等しいと思います。
これだけで使える国防予算が、20%~40%増えることになります。

更には、ここにワグネル事件も関係してきます。
ワグネル事件は、簡単に言うと国防省・ロシア軍内部の権力闘争です。
主流派がジョイグ&ゲラシモフ。
反主流派がプリゴジンとその支持者。
その支持者については、はっきり分かりません。

ワグネル事件については大きな疑問があります。
あれだけの大部隊が移動しているのに、国境警備を始めとして主に南部軍管区では、ロシア軍も警察も治安組織も全く抵抗しませんでした。ワグネルがフリーパスだからごく短時間でロシア軍の施設を掌握し、モスクワへの進撃が可能でした。
南部軍管区の司令部では、プリゴジンと国防省次官が1人、南部軍管区の将軍が1人話し合っているのが確認されています。反乱軍の首謀者のプリゴジンと、そんなのんびりしていていいのか❓
これらを考え合わせると、ロシア政府の相当な大幹部が指示を出していたとしか思えません。

共同通信ロシア・東欧ファイル編集長の吉田 成之氏の書いた記事によると、この大幹部は、当時の政権のNo2であったニコライ・パトルシェフ安全保障会議書記であったとしています。

『プーチン政権に激震!国防相はなぜ解任されたのか
12年間の盟友をクビにしたプーチンの本音は』
https://toyokeizai.net/articles/-/754863

※ただしこの筆者は、この記事が参考になるだけで基本的には、プロパガンダに沿った記事を書いています。全部が正しいとは思わないでください。この記事の内容の一部が参考になるので取り上げただけです。

当時No2であったニコライ・パトルシェフ安全保障会議書記がプリゴジンと何らかの関係があったとすると、大体辻褄が合います。
国防省&ロシア軍の反主流派にもかなりの同調予備軍がいたと思われます。
一番、疑わしいのはスロビキン将軍です。
しかし、ワグネル蜂起後、映像で帰順を呼びかけました。
これでワグネルの反乱は、不発に終わったのだろうと思います。
プリゴジンの蜂起に同調する大きな部隊に命令を出せる指揮官は、いませんでした。
もし、同調者がいたならロシアは内戦状態に陥ったと思います。

そして、どうもニコライ・パトルシェフ安全保障会議書記は反乱の兆候をプーチン氏に伝えず見過ごし、反乱収束に向け一切動かなかったとの説もあります。
※なぜなら、アメリカすらワグネルの部隊移動を探知していました。ロシア国内でその動きを見落とすことは、ありえません。敢えて見過ごしたとしか思えません。暴発させて、その後どうなるかの問題だったように見えます。

ニコライ・パトルシェフは、今回の人事で閑職の大統領補佐官に追放されました。プーチン政権から事実上、排除されました。

そしてジョイグ氏も12年も国防相の地位にあります。
ゲラシモフ参謀総長と一心同体のような関係ですからロシア軍に対する影響力が大きくなりすぎました。
今、戦時下で軍の権力は大きいです。
プーチン追い落としに動くことは、可能です。

このような事情が様々絡み合い、ジョイグ派閥から権力を奪ったのが、今回の国防相人事のようです。
やりそこなうとジョイグ氏の反逆まで考えられますから細心の注意を払って人事を行ったようです。
これを考えるとジョイグ氏も事実上、プーチン政権から追放でしょうね❓
今回就任した安全保障会議書記のポストは、双六で上がった人用の名誉職的な部分もあるそうです。
やはり、上り!のドミートリー・メドヴェージェフ前大統領が、副議長です。

こう見てくるとこれまでのプーチン政権の大幹部2人が事実上追放され、アンドレイ・ベロウソフ氏が大幹部の仲間入りを果たしたところまでは、分かります。
他にもいるのかどうかは、表に出てくる人事では不明です。

少なくともロシア政府では、大幹部が2人事実上の追放を受けましたし、若い有能なテクノラートが重要ポストに昇格しています。

これはプーチン氏が権力を固めたとみるのは、視野が狭すぎますし敵を侮る典型的なパターンです。西側は、それが大好きですね❓

ロシアの政治機構が安定してきて本来のあるべき政治の姿を追求し始めたと見るべきです。
プーチン氏は有能であり、ロシア政府の閣僚も上級官僚も有能です。
だから、西側のロシア潰しは失敗しつつあり、経済封鎖でロシアの政変を誘発する試みも失敗しました。

西側政府の最近の欠点は、プロパガンダを叫び、敵を侮り軽視する部分にあります。
見ていると中国政府やロシア政府の方が、余程ましなことをしています。

1回、東西冷戦で西側が完全勝利したのが、そのような風潮を生みだしたのだろうと思います。
東西冷戦の時代であれば、あり得ないようなミスを西側政府は連発し、それがミスだとすら気が付かないようです。

ウクライナ政府と同じで、自分たちのミスは絶対に認めずひたすら失敗の原因を自分以外に押し付けます。
こんな調子で西側が、中国やロシアに競り勝つことは不可能だと思います。
旧ソ連時代のソ連の悪かった部分が、そのまま西側に移動しているように見えます。
教条主義と非効率です。
共産主義を民主主義と置き換えれば、ほぼ同じです。

民主主義だって親玉が無能で茶坊主を集めれば、独裁主義と同じで、よりマシな独裁主義に劣ると言うことです。
「何でも民主主義・・・」の大きな欠陥です。
民主主義は正常に機能して役に立つのであって、機能しなければ「三文の値打ち」もないと言ことです。⇒衆愚政治=今の欧米の民主主義=日本も同じ。
アメリカの過去の傀儡政権を、見れば良く分かるでしょう❓
民主主義は適切に運用しなければ、すぐ劣化して腐敗し役に立たなくなります。今、西側はそんな状態にあります。


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑤
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27


イラン大統領搭乗ヘリ不時着事件に見るコーカサスの地政学上の変化<2024.05.21

2024-05-22 19:46:23 | ロシアと周辺国

まずは、イランの大統領・外相・イラン国民にお悔やみを申し上げます。

私は国際政治と言う意味では、中立の立場です。
その視点から見ると、アメリカもヨーロッパもロシアもイランも全部同じです。どの国が正しくどの国が悪いとは考えていません。
欧米のプロパガンダとフェイクニュースにすっかり騙されて反省しました。
私が最も嫌うのは、ダブル・スタンダードです。
その視点から見ると欧米は、ダブルスタンダードそのものです。
ガザ紛争やウクライナ紛争を中立の立場から見れば、それが嫌になるくらい分かります。

最初、イスラエルかアメリカの謀略を疑いました。
『イラン大統領ヘリ墜落、原因は不明 「米国は関与せず」=米国防長官』
By ロイター編集
2024年5月21日午前 4:16 GMT+928分前更新
https://jp.reuters.com/world/security/JGXKZBM3NJORFGSLVBOENSC4FE-2024-05-20/

疑いをかけられそうなアメリカは、早速言い訳をしました。
もっとも事故当時の現地の気象状況を見ると、山奥のダムの完成式に出席し、次の目的地に移動する時に事故に遭遇しています。スケジュールがあったから移動を強行したのであろうと思います。
現地では濃霧が立ち込め断続的に雨が降る悪天候だったようです。
有視界飛行のヘリコプターが飛行してはならない気象条件です。周囲が見えなければ山肌や樹木などの障害物が見えません。気流も不安定な空域もあります。だから通常ならヘリコプターの飛行は絶対に避けると思います。
それを強行したのが事故の原因だと思います。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024052000175&g=int

※ここから見えてくるコーカサスの国際情勢の大きな変化があります。
イラン北西部とアゼルバイジャンの国境地帯の山奥のダムの完成式に出席したとあります。
ダムがどちら側にあるのかは記事からは不明ですがアゼルバイジャンとイランの共同事業のようです。

そして事故後、すぐトルコがドローンを飛ばして捜索に協力し、ロシアも協力を申し出ました。

以前は、イランはアルメニア経由でロシアとの陸路を確保していました。アルメニアとアゼルバイジャンの戦争が終結し、イランとアゼルバイジャンの関係が深まっていることが分かります。
アルメニアは山の中の国家です。そこを通るよりカスピ海側のアゼルバイジャンを通る方が平坦で安全な道です。
もちろん、アゼルバイジャンはトルコの弟のような国です。
トルコとイランも様々な協力関係が出来ました。
だから弟分のアゼルバイジャンとイランも関係が深まったのであろうと思います。

これまでコーカサスの勢力関係は・・・
トルコ=アゼルバイジャン
ロシア=アルメニア
こうなっていました。この関係を固定していたのが、アルメニア・アゼルバイジャン戦争です。
以前は、トルコとロシアの対立もありました。

トルコとロシアの関係は、対立から友好に劇的に変化しています。
そしてガザ紛争を契機に一気にトルコとイランの関係も深まりました。

アルメニア・アゼルバイジャン戦争の終結とガザ紛争が、一気にロシア・トルコ・アゼルバイジャン・イランの関係を深めました。
ほぼコーカサス同盟に近いですね。
コーカサスから欧米の勢力は、ほぼ排除されたと言っていいと思います。
欧米にすり寄っているのはアルメニアですが、山の中の孤立した小国です。周囲が敵対的な国ばかりですから陸路すらありません。アルメニアが逆らえば、即陸上封鎖されます。その意味で以前は貴重だったアルメニアのロシアとイランを結ぶ陸路の役割は、なくなりました。

ロシアの立場から言うと、ロシア~アゼルバイジャン~イランの安全な陸路を確保したことになります。

そしてアメリカが狙っていたアゼルバイジャンの石油も、ほぼアメリカの手から離れたと言えます。
コーカサスの覇権とアゼルバイジャンの石油はアメリカが1990年代の半ばから手を付けていた場所です。

アメリカのコーカサスへの影響力は、ロシア・トルコ・アゼルバイジャン・イランのかなり強い友好関係により排除されたと言えます。
ロシア外交が勝利したわけではありませんが、アメリカ外交はコーカサスで完敗しました。そして元には、戻らないと思います。

似たような事例は、結構ほかの地域でも見られます。

アメリカのウクライナ紛争とガザ紛争におけるダブル・スタンダード外交が、アメリカの敵性国家の友好関係を深め、あるいは団結を呼び寄せています。

ロシアと北朝鮮の準軍事同盟と言える関係もウクライナ紛争が生み出したと言えます。イランとロシアの関係も同じですね❓
そして今では、北朝鮮とイランの協力関係も復活しようとしています。

ダブル・スタンダード外交(または政策)をやっていれば、欧米以外の国々の反発を招き結果として欧米以外の国々の多くが欧米から距離を取り、場合によっては団結すると言うことです。

欧米は、どうしてもその理屈が理解できません。
昔、欧米の力が圧倒的に強かった時代の自分たちの主張を押し通す外交や政策を行おうとします。
第三世界の経済力や政治力が、世界に占める割合が大きくなった現在は、それは無理筋です。

力ではなく話し合いでアプローチしないと、欧米は益々世界の中での比重が軽くなり、影響力は減少すると思います。現に、そうなりつつあります。

欧米が理解できないうちに国際情勢の大きな変化が起きています。


※関連記事目次
項目「ロシアと周辺国」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/c/a23a051cf8ecfe4e9a324034dc37f999


プーチン氏が北京を訪問、習近平 国家主席と会談<2024.05.17

2024-05-18 19:22:37 | ロシアと周辺国

「尊敬する習近平さん」中国依存が際立つロシア、ウクライナ侵略の兵器用資材を調達か
2024/05/17 06:45
https://www.yomiuri.co.jp/world/20240517-OYT1T50020/
習氏、親友のプーチン氏を歓待 首脳会談で強い結束誇示
2024.05.16 Thu posted at 19:20 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35219007.html

昨年3月に3期目の最初の外遊で習近平 国家主席はモスクワを訪問しプーチン大統領と会談しました。
その返礼と言えますが・・・
『プーチン氏が新国防相をはじめ、閣僚や主要企業のトップらを多数同行させたことにも、中国重視の姿勢が見て取れる。』

と言うことで中ロの関係を対外的にアピールするとともに関係閣僚同士が会談して更に協力関係を深めると思われます。
更には新国防相のアンドレイ・ベロウソフ氏と旧国防相のショイグ氏も同行しています。
ショイグ氏は変わらずプーチン政権の幹部のようです。
つまりショイグ氏の移動は、やはり昇格人事のようです。

そしてこれまでの中ロ関係に変化がないことが確認されました。今後も中国はロシアを支えていく・と言うことを内外に宣言しました。

中国を引き込もうとした西側の淡い期待は、消えました。
中国がロシアを支える限り、ロシアが戦争で負けることはありません。

一方でアメリカは中国封じ込めを図っていて、ヨーロッパで中国の協力を期待するのは、ご都合主義の行き過ぎだと思います。

これで中国・ロシア・北朝鮮・イランなどの反米国家は、より一層関係を深めると思います。

アメリカのロシア潰しは、反アメリカ勢力の団結を強めただけでした。北朝鮮とイランなどは、より国際社会で積極的な動きをしています。イランは、イスラムの同胞から受け入れられるようになりました。
ここにトルコ、インド、元々親ロシアのブラジルや南アフリカが参加します。ヨーロッパでは、ハンガリーやセルビアがいます。中央アジアや中東、アフリカにもメンバーがいます。

私が言う仮称ユーラシア連帯(反アメリカの大陸諸国の緩やかな政治的・経済的協力関係)は、更に強まると思います。

アメリカのロシア潰し、中国・イラン・北朝鮮封じ込め政策は、完全に破綻したと言えます。
愚かである・と思います。
もう、元には戻れません。
日本政府もよく考えるべきでしょうね❓
民主主義のお題目では❓
メシは、食えない!
(民主主義のいらない国は、世界には多いです・・)


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑤
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27


(ロシア)ジョイグ国防相が国防相退任、国家安全保障会議書記に就任<2024.05.13

2024-05-13 20:15:16 | ロシアと周辺国

<時事通信>プーチン氏、ロシア国防相交代 ショイグ氏更迭か、後任ベロウソフ氏
2024年05月13日05時21分配信
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024051300106&g=int&utm_source=top&utm_medium=topics&utm_campaign=edit
https://www.asahi.com/articles/ASS5D6FXTS5DUHBI024M.html
https://www.tokyo-np.co.jp/article/326671

時事通信の記事タイトルを見て、ロシアの人脈に変化があったのかと思いました。
『ロシア、国防次官を収賄容疑で拘束 ショイグ国防相の側近』
By Guy Faulconbridge、 Lidia Kelly
2024年4月24日午後 7:41 GMT+918日前更新
https://jp.reuters.com/world/ukraine/WBMSLIVNZBJCNA5ARQJQCKLYSQ-2024-04-24/

このような事件があったからです。
時事通信の記事タイトルだけ見ると引責解任かと思います。
しかし他のメデイアの記事を見ると違います。
ショイグ国防相は国家安全保障会議書記に就任する予定です。
国家安全保障会議書記はニコライ・パトルシェフ氏でプーチン氏の側近中の側近です。解任と書いていますが退任=引退です。
息子の農相だったドミトリー・パトルシェフが副首相に昇格することが決まったからです。72歳のニコライ氏は息子の昇進を見て引退と言うことです。

相当、マスコミの記事もおかしいし言葉の使い方も敢えて歪めているのか、違います。
退任と解任では、全然意味が違うでしょう❓

ジョイグ氏は、プーチン氏の側近のポストである国家安全保障会議書記に昇進しました。ここから伺えることはジョイグ氏はプーチン政権のNo3かNo4(多分)になったと言うことです。

プーチンの側近
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-60614782
ニコライ・パトルシェフ安全保障会議書記
アレクサンドル・ボルトニコフ連邦保安局(FSB)長官
セルゲイ・ナルイシキン対外情報局長官

この3人がプーチン政権の中心人物だと目されています。
ニコライ・パトルシェフ安全保障会議書記が引退してジョイグ氏が、その後任として昇格したことが推測されます。
ジョイグ氏は、これまで最高幹部3人の次の序列でした(4番目)。
一時期は、プーチン氏の後継者と見られていたこともあります。
ジョイグ氏が3人の最高幹部入りしたことにプーチン氏の意図が表れていると思います。

ここまで書いて記事でしょう❓

※マスコミの論調は、特別軍事作戦が上手く行っていない責任を取らされたという論調です。だから昇格人事ではないと言っています。
果たして本当にそうなのかどうか❓
時間がたてば分かります。
少なくとも責任を取らされたのなら、安全保障会議書記のような重要なポストに就任することは、ないと思います。

ポイントは❓
ロシア軍のヘロヘロと連邦保安局の大甘の戦争予測で特別軍事作戦は、一時危なくなりました。またプリゴジンが政権をかき回しました。
これはジョイグ氏の責任ではありません。
その後、スロビキン将軍を特別軍事作戦の司令官に抜擢し戦線の立て直しと安定化に成功しました。
その後、プリゴジンを排除してロシア軍とロシア政府の一本化に成功しました。
また兵器生産と供給ではジョイグ氏が指導した通りに生産は拡大し、現在武器供給でロシアが困ることはありません。これは、全部ジョイグ氏が指導したものです。
更には、外交官的に北朝鮮との関係を深め現在のロシアと北朝鮮の良い関係の基礎を作りました。去年の3月か4月ごろジョイグ氏の所在が不明になりました。その後北朝鮮に行っていたことが判明しました。結構、長かったですよ。2~3週間ぐらい北朝鮮に滞在していました。

プーチン氏は、愚かではありません。
部下の働きをよく見ています。
その証拠は、西側の一般的な見解と違いロシア政府の幹部や上級官僚に無能な人間は、いません。

このような点を考え合わせると、ジョイグ氏の安全保障会議書記就任は、どのような意味があるのか❓
考えるまでもなく分かると思います。

※共同通信
2024年05月13日 07時54分
ロシア、ショイグ国防相が交代 安保会議書記に昇格
https://www.47news.jp/10912495.html

ジョイグ氏の人事は、メデイアの理解度を判定するのに丁度よいリトマス試験紙です。

※関連記事目次
項目「ロシアと周辺国」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/c/a23a051cf8ecfe4e9a324034dc37f999


モスクワ市民が大喜び!西側戦車の展示会<2024.05.03

2024-05-03 22:43:23 | ロシアと周辺国

「誰もが見物できる」ロシア、鹵獲したM1エイブラムスをモスクワで展示へ...「撃破の瞬間」とする映像も公開
Russia to Display Captured US-Made Abrams Tank 'Trophy' in Moscow
2024年5月2日(木)21時05分
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2024/05/m1-2.php
【動画】ロシア、鹵獲した「戦利品」をモスクワで展示...M1エイブラムス戦車「撃破の瞬間」とする映像も公開
2024年5月2日(木)19時10分
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2024/05/m1-3_2.php

BBC
ロシアがウクライナ侵攻の「戦利品」をモスクワで展示、欧米供与の戦車など その狙いは
2024年5月2日
https://www.bbc.com/japanese/articles/c88zv74e0ylo

ロシアも休日なのか、家族連れもいて賑わっていますね❓
もちろんアメリカのM1エイブラムスもあります。
今年の2月に、分捕ったばかりです。
メーデーに間に合って良かったですね❓

懐かしいですね❓

万国の労働者よ!団結せよ!

BBCは、モスクワ支局長が取材に行きました。
もちろんイギリスの戦闘車両も展示されています。
やや、げんなり・でしょうね❓
(少し、ぶち切れているようにも見えます・・その心は❓周りはみんなメーデー気分で浮かれています。自分だけ❓なんでシリアルにリポートしなければならないんだ!)

デッカイ、看板があります。
『我々の勝利は、必然だ!』
市民は、その看板をバックに記念撮影しています。
中々、ロシアらしい光景です・・・


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次④
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27


ロシアとアルメニアとアゼルバイジャン、その後<2024.05.03

2024-05-03 15:09:51 | ロシアと周辺国

露、同盟国アルメニアの「離反」にいらだち 縮む影響圏、係争地から部隊撤収
2024/5/1 16:52
https://www.sankei.com/article/20240501-GOYYN3XNA5IGVCGL4LLGY7N7PA/

旧ソ連崩壊後、長らく南コーカサスの紛争の種となっていたナゴルノカラバフ紛争は、アゼルバイジャンがナゴルノカラバフ地区のアルメニア系武装勢力を武装解除して決着を見ました。
ナゴルノ・カラバフ戦争1988年 - 1991年2月
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%82%B4%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%90%E3%83%95%E6%88%A6%E4%BA%89
2020年ナゴルノ・カラバフ紛争
https://ja.wikipedia.org/wiki/2020%E5%B9%B4%E3%83%8A%E3%82%B4%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%90%E3%83%95%E7%B4%9B%E4%BA%89

簡単に言うとナゴルノ・カラバフ地区をネタにしたアルメニアの侵略戦争です。
紛争が、こうも長期化した原因は、アルメニアをロシアが支援し、アゼルバイジャンをトルコが支援してきたからです。

トルコにとっては、アゼルバイジャンは同胞国家であり支援に理由は必要ありません。文句なしに絶対支援します。

一方、ロシアにとってはアルメニアはイランとの交通路であり南コーカサスにロシアの影響力を及ぼす窓口です。だからロシアにとってもアルメニアを失うわけにはいきませんでした。

その背景としてロシアとトルコの対立関係があります。これがごく大雑把に言うと、ナゴルノ・カラバフ紛争が続いてきた背景です。

ところが近年、ロシアとトルコの関係が劇的に改善しました。今では、むしろ友好国と言うべき関係です。そうなるとナゴルノ・カラバフ紛争は両国関係の障害でしかありません。そこでロシアがトルコに譲歩する形でアルメニアの軍事支援を止めました。
その結果、2020年ナゴルノ・カラバフ紛争でアゼルバイジャンは、アルメニアに占領されていた領土のほとんどを回復しました。
アルメニアの安全を保障するためにロシアは、平和維持部隊を駐留させて国家同士の軍事衝突を防ぎました。

その後、アゼルバイジャンは(ロシアの暗黙の了解を得て)最後に残されたナゴルノ・カラバフ地区のアルメニア系反政府武装組織を武装解除して、長きにわたったナゴルノ・カラバフ紛争は終結しました。

侵略戦争を遂行してきたアルメニアが悪いと思いますが、ロシアに支援を打ち切られたアルメニアは、収まりません。当然ながらロシアに逆らうようになりました。

ロシアの方は大した困りません。
元々ロシアとアゼルバイジャンは友好的な関係です。それを阻んできたのがロシアとトルコの対立であり、ナゴルノ・カラバフ紛争です。その要因がなくなったのでロシアとアゼルバイジャンは友好的な関係は継続すると思います。
ロシアは、カスピ海に近い平地にイランとの交通路を確保できます。ロシアにとってアルメニアは、メンツの問題で地政学的な必要性はなくなりました。
(どっちでもいい地域になりました)

アルメニアの要請によりロシアの停戦維持部隊は駐留する必要性がなくなり、ロシアも撤退に応じたという流れです。ウクライナ戦争を戦っているロシアは、こんな地域に派兵しておきたくはないと思います。

そこでアルメニアは、ロシアの傘下を離れたい国がよくやるようにEUとアメリカにすり寄りました。
『パシニャン氏はロシアから距離を置く一方で欧米への接近を強めている。4月5日にはブリンケン米国務長官、欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長らとブリュッセルで会談した。EUはアルメニアに今後4年間で2億7千万ユーロ(約453億円)を支援すると発表した。』
例によって、金で釣る作戦です。

ロシアにとってもお荷物国家を厄介払い出来ますから、本音は(ホッとしている)と思います。アルメニアは、ロシアにとってはアゼルバイジャンとの友好関係があれば重要性の低い土地です。
はっきり言ってロシア・トルコ・イランの勢力圏の接した位置にある山の上の飛び地みたいな国家です。ここだけポツンと孤立していて、「EUに帰属したければ勝手にど~ぞ」と言うような土地です。

周辺諸国の国際関係が激変した結果、アルメニアの地政学的な価値はなくなり、ロシア・トルコ・イランの勢力圏の真ん中の離れ小島みたいな小さな土地です。
ロシア・トルコ・イランは、現在全部友好関係にあり、このどこかの国の勢力圏に入らないと外部の援助がなければ国の経済が立ち行かないと思います。
EUの勢力圏に入ればEUの援助がなければ、成り立たないでしょうね❓
EUにしてもアルメニアを引き込んだところで自尊心の満足以外のメリットはないと思います。毎年、アルメニアの運営資金を出し続けなければなりません。

地図でアルメニアの位置を見てください。
私の言うことが分かると思います。
しかも❓
国境封鎖されれば、即・陸の孤島になります。


※関連記事目次
項目「ロシアと周辺国」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/c/a23a051cf8ecfe4e9a324034dc37f999


ロシアのコンサートホールで起きたテロが再び起きる可能性<2024.4.14

2024-04-14 20:15:03 | ロシアと周辺国

米FBI長官、組織的攻撃の可能性を懸念 ロシア銃乱射事件受け
By Andrew Goudsward
2024年4月11日午後 7:10 GMT+91時間前更新
https://jp.reuters.com/world/security/RDEMSRERLFNSTE4VZIKXZVK3KA-2024-04-11/

「イスラム国」がUEFAチャンピオンズリーグにテロ攻撃示唆 当局が警戒強化
2024/4/9 22:24
https://www.sankei.com/article/20240409-DZMYUVIG5FKCPLWV7EXEDQVVGI/

ロシアで起きたテロは多くの犠牲者が出て悲惨なものでした。
今、紛争が二つ同時に起きています。
紛争が長引けば治安も乱れますし、特にガザ紛争の場合はイスラム過激派のテロを誘発する部分が大きいです。大量虐殺に対する報復と言う大義名分が立ちます。
イスラエルを過度に支持・支援した国々は全部、報復の対象になります。

紛争が起きれば情報組織や治安機関の国際的な協力も崩れます。もし平和なときだったら、テロ情報を握っていたアメリカはロシアにもっと真剣に警告したでしょうし、ロシアの側も警告を真剣に受け止めたと思います。アメリカのかく乱情報を疑ったロシアは、テロの警戒レベルを引き上げずテロを成功させてしまいました。

紛争や戦争を長く続けては、ならない理由の一つです。緊張関係が続けば社会不安も大きくなり犯罪も増えます。関係する国々では貧しくなる市民も出てくるでしょう。ヨーロッパでは実際に戦争による不景気から、そうなっていると思います。犯罪やテロが起きやすい土壌が出来てしまいます。

ロシア・ウクライナ・ルーマニアにはかなり規模の大きな組織犯罪グループが存在します。
特にウクライナ~ルーマニア経由は、税関が緩くなっていると思います。犯罪者の往来や禁制品の密輸がやりやすいと思います。
ウクライナをせっせと支援しているヨーロッパにウクライナから犯罪者が、禁制品をせっせと輸出しているとしたら笑い話でしょう。
ウクライナでどれだけの武器が闇に流れているかなど誰にも把握不能だと思います。
小火器、銃弾、小型の砲弾、手りゅう弾・その他小さな武器は、横流ししやすいです。手りゅう弾などウクライナ軍の幹部将校ですら勝手に持ち出して私物化していました。上がそうなら下が何をやっているかなど把握するのは不可能です。
特殊な爆薬もあります。これなども小分けして持ち出せば分かりません。
全部、テロリストの道具です。

もちろんロシア側から闇に消えている武器・弾薬・爆発物もあると思います。全部、闇ルートで武装勢力やテロ組織に流れます。

だからテロリストにとって、今ほどテロのやりやすい環境はないでしょう。
多分、テロリストが虎視眈々と狙っているのは、パリ五輪だと思います。テロの効果が抜群です。
パリ五輪は無観客で実施するか中止した方がいいと思います。数百万規模の観客が短期間に押し寄せればテロリストの入国を防ぐのは不可能です。
道具は簡単に手に入ります。
テロを狙わない方が不思議です。

等々紛争や戦争を続ければ、様々な社会に対する害悪が増えます。
アメリカの方は比較的テロを防ぎやすいですが、ヨーロッパの方でテロを計画されると防ぎにくいと思います。普通は世界からの批判を考えてしないだけです。
大義名分があるのなら❓
実行する可能性は、あるでしょうね❓


※関連記事目次
項目「ヨーロッパ」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/70484af7010580642c91d2a502a7002d


(ロシア)モスクワ郊外コンサート会場テロ事件その後<2024.3.27

2024-03-27 20:24:20 | ロシアと周辺国

まずは、参考記事
「ISホラサン州」パキスタン過激派らで構成 イスラム抑圧に加担とロシア敵視か
2024/3/23 21:48
https://www.sankei.com/article/20240323-QOMHK34MTJN3PPUYVWMGE4LGVI/
(米国の安全保障当局者が関与を疑うイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)系勢力
「ISホラサン州」)

(米国務省によると、ISホラサン州はパキスタンの過激派やタリバンの元メンバーらで構成され
15年にISに忠誠を誓った。)

モスクワ銃乱射テロの容疑者「82万円の報酬約束された」 露メディアが尋問動画を公開
2024/3/23 20:43
https://www.sankei.com/article/20240323-FNSVMAFT3VKTDKWQPSAGDEWDMI/
(テロの容疑者
約1カ月前に交流サイト(SNS)を通じ
氏名などが不明な人物から接触を受けた
「50万ルーブル(約82万円)の報酬を約束されて銃撃事件を起こした」
事件で使った銃に関しては「彼らから渡された。彼らが何者かは知らない」)

ロシア当局、4容疑者を起訴 タジク国籍、動機捜査 銃乱射テロ死者137人に
2024/3/25 10:50
https://www.sankei.com/article/20240325-MEU7KRIDBJJRTAKZPADT3W5ZTY/
(ウクライナ国境の西部ブリャンスク州で拘束した容疑者4人
4人はいずれも中央アジアのタジキスタン国籍)

テロ計画の情報、米から事前の伝達なかったと駐米ロシア大使
2024.03.25 Mon posted at 12:19 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35216885.html

モスクワ銃乱射、プーチン氏が米の事前警告を「挑発」と軽視
2024.03.24 Sun posted at 14:53 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35216863.html

IS、モスクワ郊外銃撃の動画投稿 実行犯が撮影か
2024年3月24日 15:49 発信地:パリ/フランス [ フランス ヨーロッパ ロシア ロシア・CIS ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3511323?cx_part=related_yahoo

※主なニュースを拾ってみました。
まず、テロの内容です。
かなり広いコンサート会場を効果的に爆発物で破壊して火災を起こし、それに乗じて複数の実行犯が銃を乱射して殺傷しています。
犠牲者の数の多さと建物の破壊のひどさをみるなら、このテロは事前にコンサート会場を調べて綿密に実行手順が練り上げられています。
潜伏場所を複数準備し、武器と爆弾や爆薬をかなりの量入手し隠匿していました。移動に使う車も必要な台数準備して実行犯に供与しています。当然ながらこれらのことを準備し実行するには、かなりの組織力と資金と裏方で支援する相当数のメンバーが必要です。
これは単なるテロではなく、事前に綿密に計画され準備された軍事攻撃です。
普通なら特殊部隊が実行するような内容です。

IS系の組織が犯行声明を出しました。
「ISホラサン州」はアフガン国内に潜伏するさほど大規模でも広範囲なテロを計画して実行する能力はないと思います。精々出来る範囲は、アフガン国内、パキスタン、タジキスタン、イランこの程度が行動範囲の限界だと思います。

実行犯の複数は、タジク人でした。だから実行犯はアフガンかタジキスタンで募集されたと思います。
実行犯は、ISのテロリストではなく正体不明の誰かに金で雇われた殺し屋です。
約1か月前に正体不明の人間に話を持ち掛けられ報酬の半額を前金で受け取り、ロシアに行ったと思います。
ロシア国内で潜伏場所を指定され潜伏していたと思われます。
そしてやはり正体不明の人物から武器を受け取り、実行手順を指示されて車でコンサート会場まで移動したと思われます。
どこから潜入してどの場所で何をするか事前にトレーニングしているでしょう。

そして犯行後は、自動車でロシア西部に逃走してウクライナに逃げ込むつもりだったようです。逮捕された州がロシア西部のブリャンスク州でウクライナに隣接した州です。当然、逃走先も指示されていたと思います。

逮捕された実行犯の他にも実行犯がいます。むしろこちらの方が遥かに重要です。建物の要所に爆発物を仕掛けて爆発させ大規模火災を発生させ建物を破壊しています。死傷者は、銃撃よりもこちらの方が圧倒的に多いと思います。
動画を撮影したものもいますね❓

その他潜伏場所を準備したもの、武器と爆弾などを準備したもの、移動と逃走用の車を準備したものなどかなりの人数が関与しています。

これは、事前に計画され綿密に準備された軍事攻撃とほぼ同じです。

アフガンの山奥の末端のIS組織に出来ることではありません。こちらも報酬を受け取って犯行声明を出したのだろうと思います。
テロの首謀者を作り出すためです。

アメリカは、事前にこのテロ(攻撃)計画をかなり詳細に把握しています。3月7日にロシア在住のアメリカ人に「コンサート会場など人が沢山集まる場所」を避けるように警告を出しています。
もろテロの実行場所を言っています。
即座にニュースにもなりました。

この時点では、アメリカはテロの実行を阻止するために計画を一部リークした可能性があります。

だから一旦はテロ計画はストップしたと思います。予定日は最初は、8日か9日だと思います。

ところが、その後ロシアの情報組織と治安当局はテロへの警戒レベルを上げませんでした。大統領選挙に向けたアメリカの攪乱情報だと誤解したのだろうと思います。

そこで再度、テロの実行日が設定され実行されたと思います。

もしロシアがアメリカが情報をリークした段階で国内のテロ警戒レベルを最大まで引き上げれば、おそらくテロは中止されたと思います。

では、なぜアメリカが事前にテロ計画を探知したのかが問題です。そんな情報をアメリカに通知するであろう国はごく限られています。

そして、これほどの攻撃計画を立てて準備して実行できるのはテロ組織でなく国家レベルの組織です。

アメリカは、事件発生後ISの犯行であることを盛んに宣伝しています。
それは、本当の攻撃計画の実行者を隠ぺいするためではないのか❓と強く疑われます。

以上を考え合わせると、この大規模テロ事件を計画して実行した国家レベルの組織は、範囲が絞られます。
末端のISを犯行主体にして、責任逃れが出来るわけではありません。

この大規模テロ事件は、裏の汚い仕事です。
ロシアは犯行の背景を調査していると思います。
最初からある疑いを持っていると思います。
疑いが確信に変われば❓
裏の小汚い方法で、報復がなされると思います。

裏の話ですから証拠だの裁判だのには、なりません。
裏の小汚い方法で報復がなされるだけです。
こんな犠牲者の多い大規模テロを実行して、無事で済むと思ったら大間違いです。
報復は、あとになって忘れたころにあるかもしれません。
復讐は遅い方が、楽しいのだそうです❓


※関連記事目次
項目「ロシアと周辺国」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/c/a23a051cf8ecfe4e9a324034dc37f999


モスクワ近郊のコンサートホールで銃撃テロ死者40人以上<2024.3.23

2024-03-23 22:01:00 | ロシアと周辺国

※追記

 

モスクワ近郊のコンサートホールで銃撃、死者14名
ロイター編集
2024年3月23日午前 4:23 GMT+929分前更新
https://jp.reuters.com/world/security/NDGC4ULANNMVTMOUMO3EZZI2FI-2024-03-22/

遂に起きてしまいました。
既に1回未遂事件が起きたようでこれはロシアの治安当局が事前に防いだようでした。
その後、アメリカ大使館がアメリカ人にテロを警戒して人の多い場所は避けるように警告を出していました。

その時の記事では、ISIS系のテロリストのテロの可能性を言っていました。ISISには、チェチェン人もずいぶん参加しています。ウクライナに義勇兵として参加しているチェチェン人もいます。
だからウクライナの対外情報庁がテロを企画すれば実行要員はいます。自爆テロ式に片道切符でやるでしょうね。

ウクライナの対外情報庁が関与している証拠は何もありません。可能性を示しただけです。しかしやろうと思えばこれ位の事は簡単にやる組織です。実際にすでに様々な非合法活動をロシア国内でしている模様です。

ウクライナ紛争も新段階に入ったのかもしれません。
通常の手段では、到底勝ち目のなくなったウクライナは社会インフラを狙ったり、ロシア人の傭兵集団を使ってベルゴロド州に奇襲攻撃をかけたり、これまでやらなかった攻撃を実行しています。

ロシアの方もこれまでは控えていた電力施設などに対する攻撃を実行しました。

ウクライナ「ロ製油施設は正当な標的」、米が攻撃停止要請との報道で
ロイター編集
2024年3月22日午後 11:51 GMT+95時間前更新
https://jp.reuters.com/world/ukraine/H6VWSOP6FBLUFNZ44YCAV2OOY4-2024-03-22/

ロ軍、ウクライナのエネ施設に戦争開始以来最大の攻撃 ダムも被害
Max Hunder
202https://jp.reuters.com/world/ukraine/YBTKKW4VC5NC5JFQECJYYCZSSQ-2024-03-22/4年3月23日午前 1:14 GMT+94時間前更新

戦争を煽って継続させれば、どんどん激化します。
劣勢が明らかになったウクライナは、何でもやると思います。
ロシアは、それに対して倍付で報復すると思います。

テロに対してはこれまで民間人の巻き添えを避けて攻撃しなかったような施設に対してもミサイル攻撃を実行すると思います。
1回そのような施設に対してミサイルを撃ち込めば、今回のテロの殺人より多く殺せるでしょう。

ウクライナが何でもあり・をやれば、ロシアもやります。ロシアの方は少々の民間人の巻き添えは、気にしなくなるでしょうね。

周囲が双方に自制を呼びかけないと、ほぼ無差別殺人に近いような殺し合いが起きて続くと思います。

少なくともロシアは、今回のコンサートホールでの銃撃テロの犯行主体の目星は付けていると思います。その犯行を企画したものや組織に報復するでしょうね❓

特にヨーロッパの大国は、無責任に戦争を煽り立てる事は止めるべきだと思います。
やるべきことは、戦争を終わらせるために双方に働きかけることです。

日本政府もアメリカの尻馬に乗って無責任に戦争に関与するのは、止めるべきです。

『ロシア大使、日本に「深刻な結果」警告 パトリオット輸出巡り』
ロイター編集
2024年3月23日午前 1:50 GMT+94時間前更新
https://jp.reuters.com/world/japan/5MGVEXAKWRJRPIST34P6LZEZNY-2024-03-22/

ロシアが極悪国家であるなら、ウクライナも似たぐらいの極悪国家です。極悪同士の戦争に関わっていいはずがありません。
日本の武器が間接的にロシア攻撃に使われたなら、立派な交戦国認定の根拠になります。
ロシアが日本の軍事基地や軍事施設を攻撃する正当な根拠になることを、日本政府は理解しているのでしょうね❓

北海道の自衛隊関連施設に何発かミサイルを撃ち込まれても自衛戦争しか出来ない日本は、事実上泣き寝入りするしかありません。

遠い他国の戦争に等、関与してはならないと言うことです。それでミサイルを撃ち込まれて泣き寝入りでは、馬鹿らしいにもほどがあります。

戦争を気軽に「ひとごと」だとは考えない方が無難です。
日本の場合、特に狙われやすいです。
それを忘れないことですね❓


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次④
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27