黄色い拍子木

たまのをよたえなばたえねながらへば しのぶることのよわりもぞする

辛酸なめ子

2006-02-28 19:52:11 | Weblog
満員電車でブックカバーもせずに、辛酸なめ子氏の著作を
拝読するのは恥辱プレイでしょうか。読む人に与える恥辱
なのか、周囲に与える恥辱なのかはわかりませんが。

宇都宮旅行以来すっかり虜になってしまい、書店に寄る度に
ついつい立ち読みしてしまいます。

暗い青春時代と地味な風貌に何となく、親近感を感じます。
有るか無いかわからない微妙な霊感にも。

こんな事を言うのはおこがましく、身の程をわきまえて
いないのは重々承知ですが、私の書くものと雰囲気が似ている
ように思うのです。

勿論、彼女は売れっ子作家、私はしがないサラリーマンですから、
実力の差は火を見るよりも明らかです。


そう、明らかなんですよ…。


最近、このブログは何のために書いているのか?と言う
疑問が脳内に漂っています。

書くのは楽しいけど、それなら大学ノートで充分です。

日常生活じゃあ言いづらい事を、ここで発散しているだけの
ように思えます。


彼女は生活のために書いているけれど、それ意外にどういう事を
思いながら書いているのでしょうか。

聞けるなら、聞いてみたい。メールを送れば、聞いてくれるでしょうか?

(いや、こういうことは考えてはいけないのでしょうけれど)
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色あせるもの

2006-02-26 21:14:39 | Weblog
「姫路モノレール」に関するgooウェブ検索結果

美術館を後にして、友人の目的であるモノレール(正確には
モノレール跡)へと向かいます。友人の、と書いてはいますが
私も詳しく見たことはないので結構楽しみにしています。

遺跡を楽しむ心構えとして、あらかじめ背景などを知っておく
事が大切です。なぜ何のために建造されたのか、そしてなぜ遺棄
されてしまったのか。もちろん、そんな背景も調べられないほどの
物件は山とあります。特に戦後の物件は。

でも、姫路モノレールはその点に於いては秀逸です。文頭のリンク、
トップのサイトがそれを物語っています。

この遺構は大体次のようなパーツで存在しています。

・高尾アパート(「大将軍駅」)
・手柄山展望台(「手柄山駅」)
・軌道

美術館を出て、まずは高尾アパートを目指します。船場川沿いの道まで
移動し、右手側に「謎の船場ビル群」を意識しながら、歩いていきます。
もしかしたら支線が走っていたかも・・・みたいな妄想を膨らませつつ
歩きながら眺めます。それにしても、もし軌道が通ったかも知れない
場所を実際にモノレールが走っていたら、住人はさぞ騒がしい毎日を
送っていたに違いません。住人の健康を気遣うのも重要な都市計画の一部
ですので、正気の沙汰とは思えません(見てる分には楽しいだろうけど)。

さらに歩いていくと「大将軍駅」のある高尾アパート傍に着きます。
近くのラーメン屋で昼食を取り、いよいよ真下にまで近づきます。

中途半端に残された軌道が哀愁を誘います。かつては都市発展の重要な
インフラになると思われていたモノレールですが、現在は取り壊すのに
費用がかかるからと放置される厄介物と化しています。どこかしら、
磯野家の某マスオ氏を彷彿としてしまうのは私だけでしょうか。もしくは
マッサージチェア。

3階部分には今なおホームがあり、場所によっては駅名の看板を確認
することができます。今でも、こない電車を待つ何者かが待っているような、
悲しいホラーの1本でも書けそうな気配があります。ちなみに、この辺は
あまり治安がよろしくないような雰囲気がしますので、女子は必ず日の
高いうち、複数で来ましょう。男子がいるとなお可です。この場合男子は
女子から慕われ思わぬ展開に!?

「大将軍駅」からさらに、軌道に沿って「手柄山駅」を目指します。
途中には「山陽色素」の煉瓦造りの建物がありますが、そばに川が流れて
おり、バーチャル小樽を楽しむことが出来ます。ただし川は・・・哀愁を
引き立てるどぶ川ですので、悪しからず。小樽を期待して行ってガッカリ
されても、当方は責任を持ちません。

メインはモノレールですからネ。

手柄山周辺はすでに軌道など無く、存在そのものを否定するかのように
真新しい病院が建っていました。以前はここらあたりにも軌道があった
のでしょうけれど、残っているものと言えば軌道があったところにある
盛り土くらいです。

展望台は水族館と展覧会の時に作ったと言う欧風の城、それと展望
スペースで構成されています。欧風の城はラブホテルっぽいですが、
姫路を一望でき、遠くには姫路城が白く燦然と輝いています。

そこいらで中学生くらいの子供たちが遊んでいます。まさか、この展望台の
下にはロッキード社製のモノレールが4両眠っているなど思いもしない
でしょう。入り口はコンクリートで固められ、たとえそれを取り壊しても
重機が入れて車両を運び出すスペースはありませんので、二度と日の光を
浴びることはないでしょう。そう、まるで鉄仮面のように。あたりには
あってもよさそうな「モノレールがあったんだよ」記念碑らしいものも
ありません。何者かが本気で存在を抹消したいようです。

それにしても何故このようなものを作ったのか?補助金を出して山陽電車
(ほぼ同じルートを走っていて、梅田まで伸びている私鉄)を高架化したり
するほうがよっぽど現実的であっただろうに。

ロッキードに唆されたのか、市長の趣味なのか。あるいはそうする事が
出来なかったホニャララな何かがあったのか。未来的イメージは確かに
魅力的ですが、こうなってしまっては・・・。往時の姫路市は、やたらに
地下鉄を掘りまくり、意味不明な建造物をつくりまくる現在の大阪市に
イメージが重なります。

姫路城と言う、立派な物があるのにねぇ・・・。

帰り道はそんな背景のせいか妙に重たい気持ちとなり、やけに肩がこりました。
友人も同じく。昭和の亡霊が構って欲しさあまりに両肩にぶら下がって
いるのかもしれません。いまだ健在の懸垂式モノレールのように。

私が比較的順調なポートライナーの話題を持ち出した所為かもしれません。
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色あせないもの

2006-02-26 20:02:50 | Weblog
雨の列島、皆様はいかがお過ごしでしょうか?私は九連休最後の日を、
ジエンドオブザワールドジエンドオブザワールドと呟きながら、明日の準備をして
います。もちろん、出勤するための。

それでも、昨日はまだ自由を謳歌していましたので友人と共に姫路に
行きました。近いけれど、西にあるがゆえに行かない姫路。玉椿は
美味しいけれど、それは何処にでも売っているからわざわざ買いに
行くことはあるまい姫路。今回の目的は姫路市立美術館に「デルヴォーと
マグリット展」を見に行く事と、友人の目的である「姫路モノレール」を
見に行く事です。

姫路にしばしば行かれたりする人はモノレールと聞いて、「そんなもの
あっただろうか・・・?」と自己の記憶を疑い、挙句健忘症などと
思われるかもしれませんが、その心配は入や萬成証券のコマーシャル位
力強く否定申し上げます。正確には「あった」なのです。

モノレールの話は後述するとして。友人の車で姫路まで向かい、姫路城
近くの駐車場に停めました。そこから徒歩で7,8分くらい。芝生の上で
ボブとジョージとリエコがフリスビーしているのを横目に、彫刻が立ち並ぶ
煉瓦造りの建物にたどり着きました。旧帝国陸軍が使用していた建物は
往時を忍ばせる、情緒ある建物です。白鷺の城と謳われる姫路城の白色との
コントラストが素晴らしいです。

彫刻を鑑賞して、入館します。展示はまずデルヴォーから始まり、
マグリット監修のスケッチ、そして二人に影響を与えたであろう画家の作品、
そして目当てのマグリットです。

デルヴォーの幻想的な絵画は鉄道をモチーフ(鉄道マニアであったようです)
したものから始まり、神話を題材したものに続きます。「ニンフの水浴び」と
短編集の挿絵として描かれたものは割合気に入りましたが、それ以外は
あまり好きになれませんでした。そのあたりは好みでしょうから、1枚でも
本当に見たいものが見れれば御の字です。

今回の場合、私のその1枚はマグリットの「観光案内人」ですが、画集その
ままのそれが見れて非常に感動しました。でも、一番素晴らしと感じた絵は
「ジョルジュエット」でした。彼女はマグリットの妻で、彼にとって重要な
「美」の指針であり、「大いなる意思」でした。そんな彼女の名を関した
その絵は、一筆一筆に愛を込めて書き上げたマグリットの気持ちが垣間見える
ものでした。会場には二人の幸せそうな写真も展示されており、その絵への
気持ちが偽りではないだろうと思わせるような幸せな表情を見せてくれて
いました。ああ、何時かは私も。

マグリットがお好きな人はぜひ行くべきです。それに「シュルレアリスムを
体験しようコーナー」は・・・フフフ!

宇都宮美術館では売っていない「ゴルコンダ」の絵葉書を買って、
いよいよ「姫路モノレール」へと向かいます。

(続く)
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餃子

2006-02-26 18:11:47 | 旅行
雨の降る、夕飯の準備をするであろう時間を終えたスーパーは人影も
まばらです。見知らぬ土地に来た心細さとなんとなしの寂しさが助長
されます。

エスカレータで地下に下りてすぐ、その目的の店は見つかりました。
見た感じはスーパーに良くある、ごく普通のフードコーナーと
言った感じです。私以外にお客はスーツ姿のサラリーマン二人。
上司と部下といった感じです。上司の的を得ているのか得ていない
のかよく分からないアドヴァイスを聞きながら、部下は餃子を
食べてビールを飲んでいます。「ビールウマー」と言うのが聞こえて
来たように思われます。

市内にある20店程の餃子屋さんが共同でされているようで、日によって
用意されている餃子が違うようです。用意されているのは7種類ほど。
この日はスタンダードな形の餃子や春巻きのような餃子が用意されて
いました。

メニューに書かれている30文字ほどの紹介文を手がかりに、3品
(海老の入っている餃子と春巻きみたいな餃子、それに皮がモチモチ
していると言う餃子)と生ビールを頼みました。黄金のコンビを前に、
雨の中を歩き疲れた私の胃袋は、悲壮なまでの鳴き声を店内に轟かせます。

10分ほど待つと餃子が出てきました。メニューの写真通りのが3品。
最初、ビールに口をつけて、春巻き型の物からいただきます。

美味しい、けれど普通。形は面白い、けれど普通。

ここで気落ちするわけには行きません。まだ2種類残っているのですから。
次は皮がモチモチすると言う餃子をいただきます。

モチモチしている、けれど普通。美味しい、けれど普通。

最後の砦を残しているのに、気落ちするのはまだ早すぎます。そうです、
ここは餃子の街、宇都宮。餃子帝国が世界を征服した暁には首都となり、
ここのご主人は餃子皇帝として一生を過ごさねばなりません。恐ろしい、
恐ろしい!わははー、朕は餃子皇帝だぞー!大蒜ビーム!ニラウィップ!

やや妄想に浸りながら、海老入りの餃子をいただきます。

おお、美味しい!パリパリの外側と、しっとりした内側。海老はひき肉と
一体になっており、その出汁が肉のうまみを引き出しているように
思われます。ニラとかすかな苦味が味のバランスを調えていました。

ここを薦めていただいた魚屋さんには感謝です。もし、行こうとしていた
所の餃子が美味しくてもフツーな感じであったのなら、やはりショック
みたいなものを感じて、「餃子の都なのに・・・」なんて思いを抱きながら
一人寝の夜を過ごさなければならなかったのかも知れません。

モスバーガーで晩御飯を済ませてしまおうなんて事を少しは考えて
いましたが、雨の中彷徨った(もともとは靴下のためだったが)甲斐が
ありました。

最後に海老の餃子を残すようにローテーションしながら、すべて平らげました。
ご馳走様でした。

スーパーでホテルで飲むためのドリップ式のインスタント珈琲を買って、
長崎屋を後にします。

雨は冷たく降り続いていましたが、餃子とビールで活発となった血流は、
暖かに満腹となった私の体内を流れます。
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二度手間

2006-02-24 23:55:46 | Weblog
今日は確定申告に行ってきました。書類自体は旅行前に作成して
いたので、後は持っていくだけです。

税務署までは自転車で15分くらい。小春日和の気持ちのいい
サイクリングになりそうです。帰りには今宵の晩御飯の材料も
かって帰ろうと考えながら、家を出ます。

この日はついでに、愛犬を散髪に連れて行きます。年末に連れて
行こうと思ったのですが、体調が優れなかったので見送って
いました。ここ最近は薬が効いているのか、春めいた日が多く
なってきたためか調子が良く、今朝美容室に電話をすると空いて
ましたゆえ。

愛犬を前籠に乗せて出発。風はまだまだ冷たいですが、日差しの
中や膨らみ始めた梅の枝先に春を見受けることができます。

愛犬を預けて、税務署に向かいます。近頃背中以外の肌の調子が
いいのはストレスフリーな連休をすごしているせいだろうか・・・
なんて考えながら、あっという間につきました。

確定申告を行うのは今年で三回目ですので、大体要領は得ています。
確認の判子を貰うまでは、少し緊張しますが。あと、還付が本当に
確定するかについても。

書類を係りの人に渡して、チェックを受けます。ペラリ、ペラリと
書類をめくる音と「ん?」の声・・・え、なぜに「ん?」の声が?
なんと1表という、一番メインになる申告書が無かったのです!
確かに、PCで作成して印刷したのに・・・この瞬間、HPの無線
プリンタを疑いました。やっぱり有線に限りますね。まあ、ここで
どうのこうの思っても1表は出てきませんので、撤収です。

家に帰って早速確認します。ああ、やっぱり無い。すぐさま印刷を
して、再トライ!と思ったのですが、もう1往復する元気は無く。
自分のお間抜けな様が税務署の休憩室で笑いの種になっているかと
思うと、羞恥心がくすぐられます。マゾヒストなら昇天ものです。
残念ながら、私はそういった趣味が無いのでただ出かけるのが億劫に
なっただけでした。

夕方も近い頃、今日行かないと行くときがないぞ!と自分に鞭打ち
持っていくことにしました。こういう時ってまた何か忘れ物をするんじゃ
無いだろうかと心配になってしまいます。行く途中で何度も確認
しました。そもそも、何が必要なのかが分からなくなってきたのは
秘密です。

受け付けの前で並んでいたその時も書類をチェックしました。
多分大丈夫。そしていよいよ順番。先ほどとは異なる係員の、
やたら声が甲高いのが非常に恐ろしいですが、眼鏡の奥の眼光が
妙に輝いているのにも恐怖を感じます。

「いちひょう、にひょう、さんひょう・・・いちまいたりなひ・・・」
なんて事は言われずに、無事終了しました。あとは僅かではある
けれど還付を待つばかり。

本当はモスバーガーの「匠」を食べたり、プーシキン展に行きた
かったのに。僅かばかりの還付金に負けた私は、心のセレブ(笑)に
すらなれそうにありません。
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