235286 変化する米国の対中国戦略
猛獣王S ( 不惑 営業 ) 10/07/27 PM00
『やはりこの夏になにかあるのか?13 』(ヤスの備忘録 歴史と予言のあいだ)リンクより転載します。
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~前略~
●変化するアメリカの対中国戦略
現在の中国の自由貿易協定圏は、今後いわば中華経済圏とも呼べるものに成長する可能性がある。もはや中国は安い労働力を売りにして、先進国への輸出に過度に依存する開発途上国型の経済ではない。広大な中華経済圏と、豊かな内需によって支えられた覇権国となる可能性がある。
金融危機以降のそのような変化に対応するかのように、アメリカの対中国戦略が大きく変化する予兆が出てきた。
すでにメルマガでは紹介済みだが、オバマ政権の外交政策に大きな影響力をもつシンクタンクに「新アメリカ安全保障センター(CNAS)」がある。
アメリカの歴代の政権には、補佐官や閣僚などの高官を輩出する、影響力の強いシンクタンクがかならず存在している。ブッシュ政権ではネオコンのシンクタンク、「アメリカ新世紀プロジェクト(PNAC)」であった。
現在のオバマ政権の東アジア外交政策に強い影響力をもつのが「新アメリカ安全保障センター(CNAS)」である。東アジア・太平洋担当の国務次官補でジャパンハンドラーズのカート・キャンベルの出身母体である。
すでに方々で報道されているが、最近このシンクタンクの主席研究員であるロバート・カプランが、これまたアメリカの将来の外交政策を先取りした外交誌「フォーリンアフェアーズ」に「中国パワーの地理学」 という論文を発表した。その論文は次の点を強調し、大きな反響があった。
・中国は冷戦期のソビエトよりもはるかに安定した交渉相手である。ソビエトは共産主義のイデオロギーを広めるため、軍事的に拡大する意図をもっていたが、中国はそうではない。経済的な意図が強いように思われる。
・中国は海軍力を増強させているが、これは中国の現在の経済力に見合った増強である。経済力が拡大すると自国の経済的な利害を保護する必要がでてくるので、これは当然のことだ。したがってそれは脅威ではない。
・アメリカの覇権は西半球に限定し、東半球は中国に任せてもよいだろう。ただ中国が暴走しないように、
アメリカは日本、韓国、台湾との軍事的な同盟関係を強化し、中国を押さえ込めばよい。
・また、アメリカの覇権は西半球に限定されるのだから、中国を下手に刺激してはならない。沖縄などの米軍基地はグアムやテニアンなどへと撤退すべきだ。
・いま中国で考えられる最大の脅威は民主化である。下手に民主化した場合、極端な国粋主義的な政権ができてしまう恐れがある。中国が軍事的な拡大をするなら、それはこうした政権のもとであろう。
以上である。
明らかに、この論文は、中国に東半球の覇権国としての対等なパートナーシップを認め、中華経済圏の形成を既成事実として容認するような内容だ。
以上、中国の最近の変化を見て来たが、これは金融危機以降に加速化した変化である。今後、どうなるのか注視してゆくべきだろう。
~後略~
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猛獣王S ( 不惑 営業 ) 10/07/27 PM00
『やはりこの夏になにかあるのか?13 』(ヤスの備忘録 歴史と予言のあいだ)リンクより転載します。
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~前略~
●変化するアメリカの対中国戦略
現在の中国の自由貿易協定圏は、今後いわば中華経済圏とも呼べるものに成長する可能性がある。もはや中国は安い労働力を売りにして、先進国への輸出に過度に依存する開発途上国型の経済ではない。広大な中華経済圏と、豊かな内需によって支えられた覇権国となる可能性がある。
金融危機以降のそのような変化に対応するかのように、アメリカの対中国戦略が大きく変化する予兆が出てきた。
すでにメルマガでは紹介済みだが、オバマ政権の外交政策に大きな影響力をもつシンクタンクに「新アメリカ安全保障センター(CNAS)」がある。
アメリカの歴代の政権には、補佐官や閣僚などの高官を輩出する、影響力の強いシンクタンクがかならず存在している。ブッシュ政権ではネオコンのシンクタンク、「アメリカ新世紀プロジェクト(PNAC)」であった。
現在のオバマ政権の東アジア外交政策に強い影響力をもつのが「新アメリカ安全保障センター(CNAS)」である。東アジア・太平洋担当の国務次官補でジャパンハンドラーズのカート・キャンベルの出身母体である。
すでに方々で報道されているが、最近このシンクタンクの主席研究員であるロバート・カプランが、これまたアメリカの将来の外交政策を先取りした外交誌「フォーリンアフェアーズ」に「中国パワーの地理学」 という論文を発表した。その論文は次の点を強調し、大きな反響があった。
・中国は冷戦期のソビエトよりもはるかに安定した交渉相手である。ソビエトは共産主義のイデオロギーを広めるため、軍事的に拡大する意図をもっていたが、中国はそうではない。経済的な意図が強いように思われる。
・中国は海軍力を増強させているが、これは中国の現在の経済力に見合った増強である。経済力が拡大すると自国の経済的な利害を保護する必要がでてくるので、これは当然のことだ。したがってそれは脅威ではない。
・アメリカの覇権は西半球に限定し、東半球は中国に任せてもよいだろう。ただ中国が暴走しないように、
アメリカは日本、韓国、台湾との軍事的な同盟関係を強化し、中国を押さえ込めばよい。
・また、アメリカの覇権は西半球に限定されるのだから、中国を下手に刺激してはならない。沖縄などの米軍基地はグアムやテニアンなどへと撤退すべきだ。
・いま中国で考えられる最大の脅威は民主化である。下手に民主化した場合、極端な国粋主義的な政権ができてしまう恐れがある。中国が軍事的な拡大をするなら、それはこうした政権のもとであろう。
以上である。
明らかに、この論文は、中国に東半球の覇権国としての対等なパートナーシップを認め、中華経済圏の形成を既成事実として容認するような内容だ。
以上、中国の最近の変化を見て来たが、これは金融危機以降に加速化した変化である。今後、どうなるのか注視してゆくべきだろう。
~後略~
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