Kinoの自転車日記

自転車と共に過ごす日々

アルテグラ ハブ HB-6500 分解 整備

2010-09-16 20:14:20 | 自転車整備 ハブ
SHIMANO ULTEGRA シマノ アルテグラ HB-6500 ロードハブを分解し
グリスアップをします 現行商品は HB-6700 になっていますが構造に
大きく違いは有りません




アルテグラ HB-6500 フロントの 28穴ハブです 現行の6700には28穴が
有りません 最近本当に 28穴のハブが少なくなりました

先日私のブログにご質問を頂きました アルテグラのハブをグリスアップした
のですがどうしても上手く調整が出来ない、との内容でした 
私がアルテグラを分解した事が無く 何のアドバイスも出来ませんでした
今回の記事で何かお役に立てば良いのですが・・・






では分解しましょう このハブ、私が新品から使っていた物ではなく
どの様に使われていたか分かりません 玉当りに少しゴリを感じます
 
ハブの玉押しとロックナット部です このタイプはハブスパナが 2枚必要です 
間にワッシャーが入っていなくスパナが掛かり難そうです






スパナのサイズは 13mmが 2枚 双方の間隔が狭く少々作業が
し難いですね
まだ内部の構造が良く解りませんが こんな場合気を付けるのは
あまり無理をしてダストキャップを奥に押し込んでしまわない事です




ロックナットを緩めます ネジは全て正ネジです






ロックナットと玉押しを取り外しました






ロックナット部です 分解する時には現状を良く確認しながら作業を
進めると良いですよ この時に何か気が付く事も良く有ります






ボールの納まりと玉受け、ボールレース部です ゴリを感じる原因が
有るのか目を凝らしましたが 今の処その様な物は有りません






では各構成部品を洗浄します 普段はあまりスプレー式のデグリーザーは
使わないのですが 使う時はこの KURE 呉の物がお気に入りです




スチールボールに傷が無いか確認すると 傷もなく綺麗な状態です
サイズは 3/16 4.7625mm が片方 10個使われています ただシマノの
展開図では 11個 この展開図と現物が違うと言う話は良く聞くのですが
この理由は不案内です






玉押しには溝が切ってあり そこにゴム質のシールリングが入っています
ダストキャップを外そうとしましたが 結構きつめに装着されており補修
パーツも無いので今回は止めておきました シマノの展開図ではダストキャップ
と玉押しはアッセンになっています 通常は外すなと言う事なんでしょうか




玉受け、ボールレース部です ここの仕上がりは玉押しに比べ この程度なの?
と感じます ハブに装着されている樹脂部品も固くて外せませんでした 
補修パーツを用意して 駄目にするつもりなら取り外しは可能でしょう

このハブの各部品達 特に悪い所は無くどちらかと言うと状態は良い方です




今回はデュラのグリスを使います 各所に防水 防塵が考慮されており
試合でこのハブは使わないでしょうから 密封性が高いグリスにします






まずボールを納める前の準備 中空シャフトにグリスを塗ります
これば防錆が目的 指では難しい所は先の細い物で






先程外したゴム質のシールリング これにもグリスを塗り玉押しに装着
これは方向が有るので外す時に良く見ておきましょう






じゃボールを納めて行きましょう デュラのグリスは粘度が有るので
先にボールレースにグリスを入れ その粘度を利用しスチールボールを
並べると簡単です






ボールを並べ終われば玉押しで少し回してやります これでグリスの
回り具合が確認できます







玉押しで少し回してやるとグリスはこんな状態 マイクロロンならこれで充分ですが今回は防水、防塵も確保したいので 
もう少しグリスを足しましょう 下、これだけ入っていれば良いでしょう




両側同じ様にボールを納めたらシャフトを通します






反対側には玉押しとロックナットを装着します






ハブのグリスアップの最後の作業は玉当りの調整 指先でガタを感じる
一歩手前で玉押しとロックナットを締め込みキメます
ハブに依れば自転車に装着しクイックを締めると 回転が渋くなる物も
有ります そんな癖の有るハブはそれを見込んで調整してやれば良いですね

この様な癖には、クイックを締め込むと逆にガタが出る物も有ります 不思議ですね






これでハブの分解整備が終わりました クイックシャフトも清掃しオイルアップ
整備前に感じたわずかなゴリも無くなりました 分解した中でそれらしい原因は
見つからなかったので おそらく磨耗した金属粉などが古いグリスに混入されて
いたのでしょう





アルテグラ HB-6500 28穴のハブが案外手に入らないので スペアホイールを組む時まで置いておきましょう

過日ご質問を頂いた内容は
※6700のハブグリスアップしたのですが玉の当たりがどうもうまくいきません。
 ガタを無くすと回らないし、回りを意識するとガタがでる。クイックを締めると回らなくなる。

今回アルテのハブを分解しその様な症状が出る可能性が有るのは 玉受け、玉押しの虫食い
鋼球の傷や焼け、シャフトの歪み以外なら 玉押しとロックナットにハブレンチを掛けるのがかなり窮屈な状態
そこで無理をしダストキャップが奥に入り ハブ本体に装着されている樹脂の小物にきつく当ってしまっている
推測できるのはこれくらいかな・・・


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21 コメント

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うれしい (よね)
2010-09-16 20:46:44
早速のアップありがとうございます。

こんなに丁寧に解説していただけるなんて・・・

今までのブログを読み返し、今回の作業を拝見してやってることに間違いは無かったと。

ただ、後は技量の問題でしたね(><)

何度もやり直してみます。
ほんとにありがとうございます。

今度こっそり作業してるとこ盗み見しに行きます(笑)

★でも玉が一個少なくても大丈夫なのですか?
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よねさん (Kino)
2010-09-17 07:47:37
アルテの1000Kmしか走行していない新しいハブだとの事ですが 何故なんでしょうね
分解前は普通に回っていたのでしょうか

ボールの数 どうなんでしょうね
少ないのは一点に掛かる力が大きくなるだろうし良くないかも分からないですね
手で回して軽いのと実走行は又違いますからね

ただボールの数を減らすチューンをする人も居ますよ 私はそんな事はしませんが・・
返信する
お久しぶりにコメント書かせていただきます。 (ジョージ)
2010-09-17 11:16:05
以前 コメントさせていただきました ジョージです
いつも更新されるのを楽しみにしています。
最近 古いパナソニックのロードを kino様にならって 分解及び塗装しました。
私もハブの調整に苦心していた1人でしたので この度の記事は大変役に立ちました。いやっ、今までの過去記事全ても 私のバイブルになっております(笑)
来週のヒルクライム大会が終わったら ポジションを一度見直してみたいと思ってます。
ピストとロード両方乗るのですが 様々な資料を参考にして いじっては頭を悩ませております(泣)
競輪学校の資料まで引っ張り出しました(笑)
何か基本になるような事柄をご教授いただければ幸いです。
ちなみにkino様のラティード号と私のロードのジオメトリーがほぼ一緒でビックリしました(笑)
返信する
初めまして。 (杓子猫)
2010-09-17 19:36:11
 初めてコメントさせていただきます。
 いつも楽しく拝見させていただいています。また、色々と参考にさせていただいています。

 横レスになるのですが、6700のアルテハブ、もしかして玉押しのカバー(刻印のしてある部分)が斜めになっていませんか?
 自分はリアハブの方ですが、ロックナットを緩める際に、この部分を斜めにしてしまいました。
 うまく修正できずに、結局補修パーツを取り寄せるハメに……。

 自分が力のかける方向を間違えたのが原因ですが、まさか簡単にずれるとは思いませんでした。
 このタイプの玉押しは最初からずれている場合も、たまにですがあるようです。
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ジョージさん (Kino)
2010-09-17 20:58:33
コメントを有り難うございます

自転車のポジション出し
これは難しいですね 文字で表すと数値になり、最近はその様に書かれた物も有ると聞きます

ただその様な物は目安にはなるでしょうが やはり最終的には個々の体型や乗り方で細かく変える必要が有ります
まあそれだからこそ悩むのでしょうが・・

一度でも自転車に乗っている姿を見た方になら
多少、具体的な事もアドバイス出来ますが
全く面識の無い方には何をアドバイスをすれば良いのか見当も付きません

実際私もフレームの寸法等は細かな所まで把握しその様にオーダーしていましたが
今迄サドルの高さやハンドルまでの距離等、測った事も有りませんでした

全て自分の感覚なのですが ジョージさんも自転車を良くご存知の方に
走る姿を見て頂きながらアドバイスを貰われるのが良いのじゃないでしょうか
これについてはお役に立てそうに有りません 申し訳ないです・・・
返信する
杓子猫さん (Kino)
2010-09-17 21:04:10
初めまして コメントを有り難うございます

シマノのこのタイプ ダストキャップがハブシャフトと一緒に回転する構造は
その様な事が起こる可能性が非常に高いですね
まして私の薄いVARのハブレンチがやっと掛かるチリしか無い状態では
少し無理をすればダストキャップに影響を与えそうです
返信する
すみません。 (杓子猫)
2010-09-18 00:27:26
 あのカバーはダストキャップというんですね。
 よく読めば自分が書いたことは、kinoさんがちゃんと記事内で書かれてますよね(^^;)

 よく分っていない初心者が口を挟んでしまい、申し訳ありませんでしたm(_ _)m
 ブログの更新、これからも楽しみにしています。
 
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杓子猫さん (Kino)
2010-09-18 07:17:46
おはようございます
とんでもないですよ 色々な方からコメントを頂く事で
私の気が付かなかった事などが分かる様になり
読んで頂く皆さんも分かり易くなると思います

どうぞこれからも宜しくお願い致します
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kino様 ありがとうございます (ジョージ)
2010-09-18 09:19:50
はい それでは一度購入店舗に相談に行ってみることにします。

何度かお邪魔しただけでしたし いつも作業をされているので なかなかタイミングがありませんでしたが 勇気?(笑)を持ってアドバイスいただいてきます。

とても気さくでいい店主なのですが オリンピックの代表にもなられたようなお方で 色々聞くのは気が引けてました(汗)

アラフォーと言われる年になりましたが 少しでも速くなりたいので 相談してみます ありがとうございました。


今後もブログ 楽しく読ませていただきます♪
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ジョージさん (Kino)
2010-09-18 16:40:36
ポジションはやはり見てもらうのが一番
誰でも良いと言う訳には行きませんは
オリンピック選手に選ばれるまで極めた方なら心強いですね

誰だろう オリンピック選手で自転車屋さんをされている人は
そんなに多く居ないと思いますが 思いつく人は2人・・
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