「金もち喧嘩せず」とTVで言い放ったのは野球監督だった野村克也さんの奥様、野村沙知代さんだった。サッチーこと沙知代さんの物言いは結構物議を醸した。もっとも野村沙知代さんを知っている人はもう少ないかも知れない。
野村沙知代さんは、脱税容疑で逮捕され、選挙に立候補して落選し、学歴詐称で世間を騒がし、浅香光代さんとの騒動も有名だ。野村監督は、サッチーのせいで2度も監督をクビになったほど、強烈な個性の持ち主だったように思う。
野村沙知代さんが言った「金もち喧嘩せず」の言葉の本質は、本当に喧嘩をしないことではなく、少々のことでカッとなったり、アタフタしたりしないなど、感情が揺さぶられないということだ。
成功するような知的基盤のある人間が、容易に感情を左右されることはなく、ささいなことで怒ったり動揺したり、ネガティブな感情を表に出したりしない。だからお金持ちなんだと言う意味だ。
実際に、貧しい人ほど感情的になりやすい傾向があるそうで、ちょっとのことで頭に血が上り、冷静さを失う。だから、問題解決が難しくなる。怒りをコントロールできなければ、人生を破壊することにもつながる。
冷静な精神状態を保ったり、感情を制御したりするにためには「教養」をつけることだ。教養とは「リベラル・アーツ」、訳すと「人間を自由にする技」だ。教養は、人間の価値・判断基準を形成するものであり、物事を解釈したり考えたりする際の軸だ。
言い換えると、知識と経験からもたらされる問題解決能力ともいえ、教養を得るための方法として、手っ取り早いのが「読書」だ。「知的に怠惰な人の部屋には本がない」と言われる通り、読書は教養を得るには重要な方法といえる。