1月3日(木)17時半、風呂に入ろうとした。
その時、自宅の電話が鳴った。
自宅電話が鳴ることは良いことではない。
詐欺、勧誘、間違い!
それも、正月3日だ。
無視するかとも考えたが受話器取った。
「おう!社長、新年おめでとーうございます」
台湾のKENNYからだ。
弊社の委嘱社員だ。
現在は台湾2部上場プレスメーカーで
取締役貿易部長の要職に就いている。
20年以上の付き合いで
元は弊社をバックアップしてくれた筆記具メーカーの社員だった。
日本留学もして、日本語、英語、北京語、福建語を話せる。
台北にある本社は1月2日より営業。
5年程会っていない。
新年の挨拶をする。
「日本も首相代わったから景気良くなるね」
「台湾の馬総統は人気ない」
KENNYの会社の主要顧客はモトローラー社だ
携帯電話の外形を生産している。
去年の業績は順調だったが
今年は悪くなる。
原因はモトローラー社が携帯電話の外形を
金属からプラスチックに変えることになった。
全てではないが、年間で300万個生産が減少する。
影響は多大だ。
日本円換算18億円が失われる。
モトローラー社のコスト削減は
金属加工メーカーには痛手だ。
「北米、ヨーロッパが景気回復して
円安、台湾ドル安にならなければ
日本、台湾経済は維持できない」。
「中国など当てに出来ない。
中国など商売では信用していない」。
「なぜ、日本企業は中国に工場作るのか理解できない」?
KENNYは一気にまくし立てる。
日本のノロマ、偏狭政策、対応に苛立っている。
親日の台湾人は怒っている。
本省人であるKENNY君は大陸が台湾攻めてきたら
武器を持って参戦すると言う。
日本の経済学者、評論家がのたまう抽象的評論より
海外の台湾、香港、大陸、イタリアの零細企業との
商取引での景気実感の実態は説得力がある。
従来、大量発注しなければならなかった海外取引先が
小ロットでも受けてくれる会社も出てきた。
政権が代わり期待値で株価上り、円安になったが
元総理が以前「美しい日本」などと高らかに宣言したが
サラリーマンの首切り、派遣労働の切捨てが進み
あの言葉には違和感があった。
前政権もご立派な事を国民にお約束したが
殆ど何も出来ず崩壊。
労組書記長をしていた頃、威勢のいい、理想をぶち上げる役員に限って
現実の交渉になると腰砕け、逃げてしまう。
海外取引先は円高の時は、原材料費高騰だとして値上げ。
円安になれば、円安だから値上げをする。
日本国内に工場が無いのだから
雇用環境が上昇できる訳がない。
嘆いても致し方ない。
日々、地味、堅実に仕事しよう。
海外から半製品で輸入して、国内加工。
スワロスキーボールペンは売れる。