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「複雑系科学」によって人間の意識を解明できるのか

2022-11-16 10:44:29 | その他
人類の文明の数千年の歴史の中で、近代科学はわずか数百年ですが素晴らしい成果や業績を上げています。

それでも近代科学には限界があり、人間の「意識」についてその本質を明確に説明できていないという指摘があります。その理由として現代の科学が、「唯物論的科学」だからであるとしています。

すなわち現代の科学は、この世界の本質は「物質」であり「生命」や生物も「意識」や心や精神もすべて、物質が複雑な物理的・化学的な相互作用を生じた結果生まれてきたものであるという立場、すなわち「唯物論」に立っているとしています。

これは言葉を換えればすべてを「物質」の性質で説明する「物質還元主義」の立場であるとも言えます。

その結果「唯物論的科学」は、「意識」というものもすべて物質が生み出したものであるとする立場に立ち、意識や心、精神というものも人体の中の「脳」という部位の神経細胞が起こす化学的・電気的な相互作用によって生まれてくるという立場に立っています。

私はここでいう物質還元主義にどっぷりつかっており、これを否定するものではありません。この唯物論的科学は、肉体が消えれば意識も消え、死後に意識が残ることはない、従って「死後の世界」などないとの明確な立場に立っています。

多くの人は現代の科学のこの考えを「絶対の教義」のように受け入れてしまっています。この理由は現代においては「科学」が最大の影響力を持つ宗教になっているからとしています。しかし現代の科学はすでに何十年も前から限界に直面しているようです。

現代の科学が直面するのは、「要素還元主義」の限界です。この要素還元主義とはある対象の性質を理解するためには、まずその対象を小さな要素に「分解」し、それぞれの要素を詳細に分析し最後にそこで得られた分析結果を「統合」すれば、その対象の性質がすべて解明できるという考えです。

しかし近年その限界が明らかになってきたことから、新しい科学手法として「複雑系科学」が注目されているようです。この複雑系科学がどんなものかは、現在の唯物論的科学を否定するものとしか記載がありませんので良く分かりません。

どうもかなり宗教的意味合いが強いように感じました。科学と宗教というと相対するもののようになっていますが、現代はそれが近付いているような気がします。科学は実験結果に基づく考察ですが、宗教は人の考えに基づく行動といえます。

ここで宗教論を述べるつもりはありませんが、科学が宗教の教義を解明しつつある時期といえるような気がします。

たぶんここでいう「意識」の問題も脳科学が進展すれば、唯物論的科学で十分説明できる時期は来ると考えています。


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