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ヘルペス感染者の認知症発症リスクは2.6倍

2025-03-17 10:32:47 | 健康・医療
唇の端がガサガサになり切れて痛いということは私も良くありますが、これはヘルペスウイルスのためのようです。

最近アルツハイマー型認知症は、このヘルペスウイルスが原因であるという説を見かけるようになりました。この仮説は1980年代からあったようですが、最近ではこの説を支持する論文がたくさん出ています。

一般的にアルツハイマー病はアミロイドβというタンパク質によって引き起こされるといわれていますが、多数の疫学研究論文から多くの人が感染するヘルペスウイルスが原因だと指摘しています。

もしそうであるならばすでにウイルスの増殖を抑える薬やワクチンもあるため期待ができるといえそうです。

現在アルツハイマー型認知症の原因はアミロイドβ、というのはほぼ常識になっていますが、これは1980年代に脳内の老人班がアミロイドβで構成されていることが分り、90年代になってアミロイドカスケード仮説として広く支持されてきたからです。

2018年ヘルペスウイルスが原因であるという仮説を実証する疫学研究が台湾で発表されました。50歳以上の健康保険加入者3万3448人を10年間にわたって追跡し、認知症発症リスクを調査しました。

それによるとヘルペスウイルスに感染している人は、感染していない人比べて認知症になる割合がハザード比で2.56倍と報告されました。

スウェーデンでも、単純ヘルペスの感染者と非感染者を11年以上追跡したら、感染している人は非感染者の1.96倍もアルツハイマー認知症を発症していました。フランスでは14年間追跡しましたが、やはり感染者は非感染者の2.55倍も発症していました。

ヘルペスウイルスはほとんどの人が若年で感染します、上半身に感染するヘルペスは、顔から侵入して三叉神経節に潜伏します。その後再活性化して他の部位に感染を繰り返しながら脳に侵入し、認知症を発症させるのです。

台湾の追跡調査では、感染後に抗ウイルス薬の投与を受けた人(7215人)と投与を受けなかった人(1147人)に分けて認知症になるリスクを比較しました。

その結果抗ウイルス薬を投与されたヒトのハザード比が、投与されなかった人に対して0.092、つまり認知症になるリスクが10分の1以下まで減っていたのです。これらのデータから、ヘルペスを抗ウイルス薬で治療すれば、認知症の発病はかなり抑えられることが分ります。

その後デンマーク、英国、ドイツ、スウェーデンなどで、同じように追跡調査をしましたが抗ウイルス薬を投与された人のハザード比が0.75~0.93と有意な予防効果を示したものの、台湾の調査に比べると弱い数値だったようです。

今後疫学調査によって、ヘルペスウイルス原因説がより強固になっていくでしょう。


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