ごっとさんのブログ

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歯周病が多くの病気の引き金に

2019-03-24 10:30:19 | 健康・医療
単なる歯の病気と考えがちな「歯周病」ですが、これが引き金になる色々な病気と関連があることが分かってきました。

歯磨きをきちんとしていても、プラークコントロールをしていても、血糖値のコントロールが悪いとたちどころに歯周病は悪化します。逆に歯周病が悪くなると糖尿病が悪化することが分かっています。

歯周病によって血糖値が上がる引き金は、歯周病菌の毒素であるエンドトキシンによって産生される炎症物質です。この物質は血糖値を下げるインスリンの働きを抑えてしまうようです。

きちんと歯周病の治療をすると炎症物質の血中濃度が下がり、血糖のコントロール状態を示すヘモグロビンA1cの値も改善されます。ですから内科的な治療をしても血糖値がなかなか下がらない場合は、歯科を受診し歯周病の有無を調べることを進めるようです。

この歯周病菌が引き金となって起こる身体の病気には、ほかに「狭心症・心筋梗塞」「関節リウマチ」「早産・低体重児」などがあります。重度の歯周病にかかっている人は、狭心症や心筋梗塞の発生率がそうでない人の約2倍も高いことが明らかになっています。

アテローム性動脈硬化症の患者の血管内から、歯周病菌が見つかったことが多数報告されています。歯周病菌が歯茎の血管を通じで動脈に入り込み、直接影響を与えているほか、炎症の起きた歯周組織から出てくる炎症性のサイトカインなども引き金になっているといわれています。

関節リウマチは自分自身の細胞や組織を攻撃する自己抗体がたくさん出てしまう病気です。関節リウマチに関係するある種の自己抗体の産生には、歯周病菌が関わっており、これが関節リウマチの発症に関与しているのではないかと考えられています。

妊娠している女性が重度の歯周病を発症していると、早産や低体重児の危険性が高くなることが指摘されています。口の中の歯周病菌が血管から胎盤を通して胎児に感染するのではないかと考えられています。

また早産については、歯周組織で作られるプロスタグランディンなどの炎症性物質は子宮内に増加することで引き起こされることが指摘されています。早産や低体重児のリスクは歯周病を発症していない人の7倍にも上るといわれ、タバコやアルコールなどよりも高い数字です。

その他EDなどいろいろあるようですが、歯周病菌が血管内を傷つけることが引き金となるようです。虫歯などで歯が痛む時だけではなく、定期的に口内の検査を受けることが必要なようです。