ごっとさんのブログ

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昆虫の減少が「大量絶滅」の過程か

2019-03-21 10:25:09 | 自然
オオカミやウミガメ、シロサイなどの減少が良く話題になりますが、昆虫の減少が恐るべき脅威となっているようです。

こういった研究は世界的なものとしては初めてのもので、世界各地で今までに発表された昆虫の減少に関する73件の研究を参考とし、地球上に生息する昆虫の総数が1年に2.5%のペースで減少していることを明らかにしました。

シドニー大学の研究者は、10年で4分の1が減少し、50年で半分しか残らず、100年後には全くいなくなってしまうと予測しています。昆虫は、鳥、魚、哺乳類など数多くの生物の食料であり、ハチやチョウといった花粉を運ぶ昆虫は、果物、野菜、ナッツ類の栽培において極めて重要な役割を担っています。

私の家の小さな庭でも、数年前までは大小さまざまなカマキリや色々な種類のバッタ類、コウロギなど多くの昆虫を見かけました。それが確かにこのところ見なくなった気がしていました。

これは家の周りの一面の田んぼや多くの畑が完全に開発され、住宅が建ってしまったり、里山風の小さな山が開発され木が無くなってしまうなど、環境の変化なのかもしれません。このところ夏になってもほとんどセミの鳴き声が聞こえなくなってしまいました。

さてこの研究者は、ヨーロッパ諸国と北アメリカ諸国の昆虫に焦点を当てて分析しています。彼らの予測では41%の昆虫種が減少の傾向にあり、31%に絶滅の恐れがあり(国際自然保護連合の基準)、10%が場所によっては絶滅しつつあるようです。

またイギリスや北アメリカに生息するハチが大きな打撃を受けており、ミツバチの巣の数は1947年の600万個から、わずか60年で250万個まで減少しています。チョウやガもヨーロッパ各地で姿を消しつつあり、イギリスでは2000~2009年の間だけで、農地に生息する数が58%減少しました。

2017年に発表された研究によると、地球上のすべての動物の個体数(昆虫だけではなく)を観察すると、地球は「生物学的な絶滅」の過程にあるようです。

研究では、かつて地球上に生息して動物個体のうち、およそ50%がすでに死滅したと推測しています。この地球規模の生物多様性の急激な減少は、「6度目の大量絶滅」と呼ばれ、地球の生物史においては過去に5度動物の数が大規模に減少しています。

これは氷河期の到来や隕石の衝突が原因でしたが、今回は人間の活動が原因、つまり森林破壊、資源採掘、地球温暖化の促進などのようです。

同研究は、昆虫がすべての生態系を正常に機能させるための必須のものと強調しています。こういった昆虫減少の原因は、殺虫剤、肥料、土地の過度な農業利用としています。

といってもこれを簡単に減らすことは難しそうですので、この昆虫の減少は予測通り続くのかもしれません。