ごっとさんのブログ

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あまり知らない「唾液」のはなし

2018-01-24 10:41:38 | 自然
唾液は1日に1~1.5リットルも分泌されているようですが、あまり注意したことがありません。この唾液につての解説記事がありました。

唾液は、耳の前方にある耳下腺、下あごにある顎下腺、舌の付け根にある舌下腺という3大唾液腺と舌の表面や口腔粘膜に多く存在する小唾液腺で作られます。

耳下腺からはサラサラの唾液、舌下腺からはネバネバした唾液、顎下腺からは中間の唾液が分泌されます。サラサラした唾液は消化酵素のアミラーゼなどを多く含み、食事のときにたくさん分泌されて消化吸収を助けています。ネバネバした唾液は、かみ砕かれた食物の表面を被い、滑らかにして飲み込みやすくします。

また口腔粘膜の保湿や保護に関わり、細菌の侵入を防ぐ効果があります。唾液の重要な働きの一つは洗浄作用です。食べ物のかすや口腔内に入ってきた細菌を洗浄・飲み下すことにより胃液や胆汁酸の力を借りて殺菌します。

口腔内の性質(pH)をほぼ中性に保つ働きもあります。虫歯の原因となるミュータンス菌は砂糖を分解して大量の酸を産生しますし、酢やレモンなど、飲食物にも酸を含む物があります。このため、食後は口の中は酸性になっているのですが、酸は歯の表面のエナメル質を溶かしてしまうので放ってはおけません。そこで、唾液中には重炭酸塩などが含まれており、その働きによって食後30分くらいでpHを元の状態に戻します。

唾液は味覚にも深く関わっており、味は舌表面の「味蕾」という組織が唾液に溶け出した味物質を受け取り、その情報を脳に伝達することで感じます。ですから、唾液の量が減ると味覚も低下します。

口腔には食物などと共にさまざまな微生物が入ってきます。唾液には多種類の抗菌物質が含まれており、それらからの感染防御に役立っています。また、口腔には大量の細菌が生息しており、バランスによって味方にも敵にもなり得ます。唾液には、共生していくために細菌の発育を抑え、バランスを保つ働きもあるのです。

物を噛んだ状態で、10分間に10ml未満しか唾液が分泌されない場合をドライマウス(口腔乾燥症)といいます。ドライマウスになると、まず口が渇き味がよく分からなくなります。さらに物が飲み込みにくくなり、舌や唇、口腔粘膜に痛みが出て食欲が減退し、スムーズな会話ができなくなって口臭もひどくなります。

この原因は加齢による唾液腺細胞の減少や、ストレス、口呼吸、乾燥した環境などいろいろです。このように唾液は単に口の中を潤しているだけでなく、多くの重要な働きがあるようです。

物を噛む回数を増やしたり、こまめに水分補給するなど唾液の健康に注意する必要があるようです。