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バイオセンサーとは何か 今後の可能性

2018-01-15 10:49:01 | その他
バイオテクノロジーの発展に伴い、臨床診断検査、食品産業、環境分野などにおいて「バイオセンサー」が活用されるようになってきました。

生体分子を識別できる分析装置であるバイオセンサーはどのような活用の可能性があるのか紹介します。2020年には2.8兆円市場ににも成長すると見込まれていますが、現在の使用状況と今後の展望を解説しています。

バイオセンサーは、通常のセンサーとは異なり、生体分子を識別できる分析装置であり、酵素などの生物学的要素(バイオセンシング要素)と分析物との反応を電気信号に変換することにより、検査時の検体にあるヘモグロビンや特異抗原などの分子の存在もしくは濃度を感知し、測定する機能を持ちます。

バイオセンサーの構成要素は、大きく3つに分けることができます。1つ目は、検体の特定分子を識別する基質認識部位で、この基質認識部位と検体との化学反応の生成物をもとに、特定分子を認識し測定する役割を果たします。

2つ目は、「トランスジューサー(変換器)」であり、基質認識部位による物質識別素子となる抗体や酵素などの認識および測定を、電気信号に変換します。

3つ目は、認識された電子信号を正確に読み取るために、適切な単位に変換する「増幅器」「基準点」および「処理装置(プロセッサー)」があります。そこで処理されたデータを表示するために「ディスプレイ」が必要となります。

これらの機能により、臨床診断検査、食品産業、環境分野等において、アナログでかつ複数の段階・機器で実施されてきた測定検査が、一つの装置で実施することが可能となりました。

バイオセンサーは、分子のレベルで細かく検査できるといった特異性と的確性、また高速応答、コンパクトな構造及び合理的な開発コストといった特徴を備えています。

バイオセンサーが発展した理由として、遺伝子工学をはじめ、細胞培養、遺伝子組み換え作物、産業用発酵技術、バイオ燃料、環境汚染対策として使われるバイオレメディエーション技術などが活用例として増加したようです。

またヘルスケア業界では、生体検査が頻繁に幅広く実施されており、人件費および時間的コストを抑えるためバイオセンサーが導入されています。また臨床検査の現場において、体外診断用医薬品の測定速度と精度の向上にバイオセンサーは大きな役目を果たしたといわれています。

具体例としては「グルコースセンサー」があり、これのおかげで糖尿病の患者が自宅でも血糖値が測定でき、在宅治療が可能となっています。その他健康管理に必要なバイオセンサーも多く、今後も拡大していくようです。