Kenshunブログ Swingin' Cafe♪

Caféだから色々なお話し・・・

『モンスターズ・ユニバーシティ』

2013年07月26日 | Cinema Talk

Tジョイ稚内で『モンスターズ・ユニバーシティ』を観てきました

怖がらせ屋の名コンビ=サリー&マイクの冒険を描いた「モンスターズ・インク」の11年ぶりとなる続編で

大学時代にさかのぼり、ふたりの出会いを描いた前日譚(エピソード0的な)となっています

毛むくじゃらの巨体モンスターのサリーと、目玉ひとつの小さな怪物マイクが

それぞれの事情で退学のピンチに立たされるなか、互いに補い合い、夢を追いかける姿を描いています


(以下、ネタバレ注意)


まず前作では、お調子者キャラだったマイクが学生時代は非常に努力家だったということと

まじめで優しいサリーが一族の七光り的な嫌な奴だったりと、前作とはだいぶ性格が異なっています

例えば自分を例にとってみても、18~19歳の時と大人の自分では結構変っているわけで

マイクとサリーがお互い影響しあって“どう成長したのか”というのが1つのポイントとなっています

成長するということは、スタート地点が全然違わないと面白くないということが意図としてあったんですね

逆にひっくり返してみて、18歳のときにちょっと傲慢で生意気だったサリーが

どうやって前作で描かれていたような素敵な大人になれたのか?という見方も出来るかも知れません


また、後にライバルとなるランドールが初めはマイクの親友だったのも意外な設定でした

ここでのポイントは「人生でいかに人というのは大きく変わることがあるのか」ということ

実はマイクもランディーも最初は努力家で頑張り屋で“みんなに認められたい”という気持ちは同じでした

ただ、マイクと違ってランディーは間違った選択をいっぱいしてしまうんです

これは“いかにして自分が選んだことが、その後の自分に響いてくるか”ということが描かれています

勿論、本質的な性格もあると思いますが、ある意味すごくリアルなメッセージだと思いました

特に学生時代は多くの人が目立ったグループに入りたがるだろうし

自分が優秀だと思う仲間といることで、何となく安心できるというような心理ってあると思うんです

でも、それでいつしか他の人を見下してしまうようになってはいけない

大学時代に気弱そうだったランドールは、大人になると見るからに捻くれた顔に変ってしまいました


そして、何といっても今作では夢を一生懸命追いかけるマイクの姿が本当に素晴らしい!

小さなマイクが一心に努力を重ねる姿には心打たれたし、見ていて応援したくなりました

多くの人はサリーのように血統的にも優秀で、将来を約束されているような人を羨むでしょう

自分自身に置き換えても、誰しもがサリーの側にいたいはずだし

一生懸命やっているマイクを見て、“どうせ無理なのに”と小馬鹿にしてしまうと思います

マイクは怖がらせ屋になるには、可愛すぎるという重大でどうにもならない欠点があるのです

ここでのポイントは“自分の適性探し”というテーマです

マイクは小さい頃から最強の怖がらせ屋になることを夢見ていました

僕らの世界で少年がプロ野球選手に憧れて、ただそれだけを目指し努力を惜しまないのと同じです

でも、「モンスターズ・インク」を見た人なら、そうはならない結果を知っています

誰よりも強く望んだ“最強の怖がらせ屋”にはなれず、むしろ正反対の仕事をするようになります

でも、大学に入学したてのマイクはそんなことを知りません

周囲の忠告や批判をものともせずに、ひたすら努力を積み重ねていきます

そして、やがて理想と現実とのギャップに直面し、夢を打ち砕かれることになるのですが

これは長い人生において誰しもが経験することですよね

人一倍努力を重ねても“なれないものはなれない”し、その理由も時に残酷なものだったりします

でも、だからといって、そこで人生は終わらないし、不正解の人生とは言い切れない

道は1つじゃないし、回り道でも努力すれば、必ずまた進むべき道が見つかるはずだし

その時に“努力したことは絶対に無駄なことにはならない”ものです

もしかしたら回り巡ってまた同じ道にたどり着けるかもしれない

途中で挫折をして、夢が叶わなくても、そこで腐ってはいけない

前向きに頑張れば、また違う夢が見られるかも知れない

いまの若者はもちろん、かつて若者だった大人も共感できる要素がきちんと盛り込まれているのです


さて、毎日を何気なく過ごしていると、天使からの幸運のメッセージを見過ごしてしまうことがあります

心が前向きで良い精神状態の時は不思議と沢山の幸運のメッセージを受け取ることが出来る気がします

逆に落ち込んで俯いてばかりいては、文字通り“お先真っ暗”です

どうして、急にこんな話を持ち出すかというと、最後のポイントにつながるからです

結局、マイクとサリーは大学を退学になってしまいます

「モンスターズ・インク」への最良にして唯一の道と手段を失ってしまうことになりました

これを普通は「挫折した」とか「人生終わりだ」と嘆くのでしょう

ところが2人は、あるヒントをもとにまた「モンスターズ・インク」への道を歩きはじめます

以前は笑って捨てていた、郵便仕分けバイト募集の新聞広告がそれです

大会社の最下層の仕事“郵便仕分け”のバイトから這い上がっていくんですね

這い上がるというよりは、ポジティブにエンジョイしながらやっていくということだと思います

彼らは持前の明るさと工夫とコンビネーションで、次々と新しい記録を打ち立てたりしながら

周囲に認められて行き、1つ1つ階段をのぼっていくんですね

そうやって、遂には怖がらせ屋として仕事を得るのです

誰しも夢を持つことは出来ますが、難しいのはその夢を持ち続けることだと思います

もし何か壁にぶつかった時や挫折してしまった時にも彼らの事を思い出せば

きっと、もう一回立ち上がって進むためのインスピレーションを受けることが出来るでしょう



『モンスターズ・ユニバーシティ』予告編













【作品について】
ピクサー・アニメーションの人気作「モンスターズ・インク」(2001)の12年ぶりとなるシリーズ第2作。学生時代のサリーとマイクがいかにして出会い、怖がらせ屋のコンビを結成することになったのかを描く。幼い頃から怖がらせ屋になることを夢見ていたマイクは、努力の果てに難関を突破し、モンスターズ・ユニバーシティ怖がらせ学部に入学。しかし、怖がらせ屋になるには、見た目がかわいすぎるという致命的な欠点に悩まされる日々を送る。そんなある時、マイクは、名家の出身で怖がらせの才能にあふれたサリーと出会う。マイクはサリーをライバル視するが、自信に充ち溢れたサリーはマイクを見向きもしない。夢をあきらめないマイクは、「最恐の怖がらせ屋」を決める怖がらせ大会に出場するが……。

原題:Monsters University
製作年:2013年
製作国:アメリカ
配給:ディズニー

監督:ダン・スキャンロン
製作:コーリー・レイ
製作総指揮:ジョン・ラセター
脚本:ロバート・L・ベアードダニエル・ガーソン

キャスト:ビリー・クリスタルマイク(マイク・ワゾウスキ)、ジョン・グッドマンサリー(ジェームズ・P・サリバン)、
スティーブ・ブシェーミランディ(ランドール・ボッグス)、ヘレン・ミレンハードスクラブル学長ほか

日本語吹替:サリー=石塚英彦(ホンジャマカ)、マイク=田中裕二(爆笑問題)
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« My One and Only Song #68 E... | トップ | 第51回北海道吹奏楽コンクー... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Cinema Talk」カテゴリの最新記事