My One and Only Song #66 ICE『Kozmic Blue』

「My One and Only Song」

僕が独断と偏見でチョイスした唯一無二の一曲

大好きな曲、思い入れのある曲、泣ける一曲など心をこめて

一曲入魂でお届けするコーナー


第66回目に紹介したのは、ICE『Kozmic Blue』(1994)

ICEは元々は1990年にギターの宮内和之を中心に結成されたバンドで

1993年のメジャーデビュー時にVo.国岡真由美との2人を前面に出し活動を開始

なお、自らの音楽集団を“ユニット”という言葉を用いて表現したのはICEが初めてである

1993年4月7日に東芝EMIよりデビューアルバム「ICE」をリリース

短期間のうちに2ndアルバム、3rdアルバムを発売し、いわゆる渋谷系として注目を集めた

その後、宮内と国岡は夫婦となったが、宮内は耳下腺がんのため43歳という若さで死去してしまった

本当に素晴らしい才能を持っていた人だったので残念で仕方がない

ICEの音楽性の鍵を握っていたのは、プロデューサー／ソングライターを兼任する宮内だった

60～70'sロックやモータウン～フィラデルフィア・ソウルといったエッセンスを洗練させ

ダンサブルにアレンジし滑らかで耳に心地好いナンバーを多数創り出していた

そして、唯一無二で中毒性のある国岡のヴォーカルも忘れてはならない

クールにして官能的、時折、ややフラットに振り絞るように出す高音がそそられるのだ


残念ながら前述した理由から2007年のアルバム『Speak Low』を最後に新作は出ていないが

今もなお（僕もその１人だが）根強いファンがいる

中でも『Kozmic blue』はICEを語る上で欠かせない名曲といえるだろう

ジャニス・ジョプリンの「Kozmic Blues」を彷彿とさせるタイトルと

マーヴィン・ゲイの「Mercy Mercy Me」のような壮大で普遍的なテーマ

コンガ、ベース、アコースティックギター、ドラムでシンプルに刻まれたBeatに

エレキギター、ローズピアノ、オルガン、ストリングスの音が独特の浮遊感を醸し出す

これを“リフレインの中毒性”とでも言い表そうか

いつまでも聴いていたくなるようなリズムとカッティング

その余りに気持ちの良い空気感の中に取り込まれ、段々とナチュラルハイになっていく…

そんな不思議な感覚を覚えるのだ



ICE『Kozmic blue』(1994)


　Kozmic blue 星屑達はそこで今でも輝いて
　Kozmic blue 涙も涸れたこんな僕達を照らしてる

　例えば Mm 夢に見る海は変わらずに Oh… 蒼いまま
　そんな記憶が残るなら

　Uh この両手に Uh 溢れるだけの切ない言葉と切ない想いを伝えたい
　Uh でも世界はまだ美しい と言える奇跡を信じていたいから

　what a beautiful world!

　Kozmic blue ごらん… 世界は銃と毒に覆われている
　
　それでも Mm… 覚えてる空は声もなく蒼いまま
　そんな記憶が残るなら

　Uh この両手に Uh 溢れるだけの小さな勇気と小さな叫びを伝えたい
　Uh ほら世界は Uh まだ続いて行く と言える奇跡を信じていたいから

　what a beautiful world!

　Uh この両手に Uh この胸にさえ溢れる想いと溢れる愛だけを伝えたい
　Uh ほら世界は Uh まだ美しい と言える奇跡を信じていたいから

　Yeah… what a beautiful world!


作詞・作曲/宮内和之　歌/ICE



ICE - kozmic blue [2004@SHIBUYA AX]

この時既に死を覚悟していたわけではないと思うが

「僕が死んでも曲が残りますんで・・・」

宮内は名曲『Kozmic Blue』の演奏を前にこんな事を言っている

本当にその通りになってしまったが、この曲は今も当時と変わらず大切な一曲


ICE "kozmic blue" in "ICE Fes vol.0 KM JAM 2012"

宮内を亡くしたから初めて当時のICE bandが全員集合した貴重なライブ映像

天国の宮内にもきっと届いたことだろう

	「ICE」 standard of 90’sシリーズ(紙ジャケット仕様)
	ＩＣＥ
	EMIミュージック・ジャパン

94年発表の3枚目のアルバム。

	Greatest Hits!
	ＩＣＥ
	ユニバーサルJ

ICEのベスト・アルバム。レーベルの枠を越えファンの意向も考慮された選曲で、新曲も収録。