肉離れ、触るとまだ痛むのだが取り合えず長正館に向かった。
取り合えずついでに稽古着と竹刀も持って行った。
痛ければ素振りだけして帰るつもり。
(密かに我が弟子と呼んでいる小学生のSさん)
稽古は小学生のSさんから。
この子は「遠くから打て」「小さくするどく打て」「構えは低く」など、
他の先生から言われて今悩んでいるところである。
「遠くから打て」「小さくするどく打て」「構えは低く」は間違いでは無いが、
最初からそれを教えると変な剣風になってしまうと私は考えている。
Sさんに対して(Sさんに対してだけ)私は、
「打てる間合いまで入って打て」「目元口元まで振り上げて打て」「構えは正眼」と、
まったく逆のことを教えるのでSさんは混乱してしまうのである。
私の教えている内容は私の師匠の受け売りなだけだが、
Sさんは納得しているようなのでいちいち理由を説明して指導している。
他の先生の面子を潰すわけにも行かないので気を遣うところである。
(遠くから打てと言われて、左足が右足を追い越し、前傾してしまうSさん)
遠くから打とうとすると、左足が右足を追い抜いてしまう。
無理やり届かせようとするので身体も前傾してしまう。
相手からは「鴨がネギ背負ってやってくる」ようなものである。
小さくするどく打とうとすると右手から前に持っていってしまう。
結果、刺し面のような弱いかすったような打ちになってしまうのだ。
構えを低くすると確かに守りは固くなる。
しかし相手との剣先を使ったやり取り、つまり「会話」が出来なくなる。
会話の無い剣道はタイミングとスピードが頼りになる。
理合から外れた、一か八かの賭け剣道となる場合も多い。
初心者のうちは(本当は高段者でも)基本から外れる稽古は推奨出来ない。
(七段と三段)(右手を使った打ちで、出小手の餌食になっている)
(七段と四段)(彼は打ち込むときに僅かながら迷いが見られるのが惜しい)
六段受審者との稽古は、あまりに教えた事が出来ていないので手荒く指導した。
つまり打つのではなく、ことごとく斬った(斬るほど強く打ち抜く)のである。
時には竹刀を真剣として使うこともあるのだ。事実、かなり痛そうだった。
この人、も少し真摯に自覚して稽古して欲しいものだ。
4月末の審査まであまり時間は無いのだ。
五段受審者2名と六段受審者1名に立合い稽古をさせ寸評。
待ち剣が多い。一か八かで打ってしまう。迷いながら打ってしまう。打ったあとが悪い。
というわけで指導稽古ばかりで終わった。汗もかかなかった。足は少し痛む。
稽古後も剣道形と一刀流の指導を少し行った。
細かいところは言わない。時間が無い。
今夜の出稽古(四条畷)は休むつもり。
ここでは全力出しての稽古で毎回挑んでいる。
いい加減な気持ちや体調不調で行くつもりは無いのである。