(往馬玄武会の稽古)(本文とは関係ありません)
稽古中に後ろに下がってばかりの人がたまにいる。
技を掛けるために下がるのではなく、攻められて下がってしまったり、
打ち込まれて防御しながら下がってしまうのである。
六段審査を嫌になるぐらい何回も受けていた頃、
何度かこの「下がる人」に当たってしまったことがある。
間合いを詰める。
相手の攻めは感じられない。
何とか打てると判断して面に飛ぶ。
すると相手は防御姿勢になって後ろに下がるのである。
返そうともしない。難剣ともまた違う。
これはこれで対処の仕様がなくなる。
こちらも追いかけて二段三段の技が出せるほどの腕前も無い。
そのままガチャガチャともつれ合うのが関の山である。
こういう守り一辺倒の相手は、たとえ打てたとしても、
審査員を納得させられるだけの見栄えある技が出せないのが辛いところだ。
ある時の審査で、このタイプと当たった時、数回受けられて鍔迫り合いになって、
「お前何しに来たんや!?」って面金越しに叫んでしまった事がある。
時間も無いし、もう絶対に受からないと思ったら頭にきたのだ。
何も団体戦で引き分けに持ち込むわけでは無いのだ。
昇段審査なのに、打ちもせず返しもせず、ただ受けるだけって何なのよ!って事。
自分も受からないが相手も受からない。なぜそんな剣道をするのだろう。
おそらく普段からそんな稽古をしてきたのだろう。
そんなつもりでは無いのだろうが、防御ばかりでは絶対に受からない。
せめて返し技ぐらいは習得しとけよって思う。
待ち剣で返し技タイプの女性に対してどうするか? は、また別の機会に。