稽古なる人生

人生は稽古、そのひとり言的な空間

童話「ウサギとカメ」の続編

2018年01月24日 | 剣道・剣術
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   童話「ウサギとカメ」の続編

◆部活の勉強会で高校生たちに、「ウサギとカメの童話」を取り上げ、
この話は私達に何を教えようとしているのか?書いてもらうことがあります。
すると申し合わせたように、皆ウサギの敗因について書きます。

「ウサギは、いつでも勝てると油断があったのです。
何に取り組むときも油断してはいけないことを教えているのです。」

成功を目指すうえで、カメの勝因も同じように、あるいはウサギの敗因以上に重要ですが、
何故かカメの勝因については書かれません。

◆三遊亭歌之助という落語家がいます。普通の落語だけでなく、
鹿児島出身で地元では鹿児島弁の落語をやったり、
企業へ出かけて社員研修向けの落語をやったりもする一風変わった落語家さんです。

下記のような話をしたことがあります。

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私は普通の高校を卒業し落語の世界に入りました。
林家コブ平は故林家三平(九代目林家正蔵)の長男で、いわば落語界のサラブレッドです。
私はその林家コブ平と一緒に真打になりました。

その披露の席で、マスコミは一斉にコブ平の方へ押し寄せ、私の方には見向きもしません。
余りの悔しさに席を飛び出し、行先があったわけではなく来た電車に飛び乗りました。

そこで時々声をかけてもらっている故養田実社長(ジュポン化粧品本舗)とバッタリ出合ったのです。
穏やかならぬ私の顔を見て、「どうした!」と尋ねられました。
事情を話したところ、養田社長は
「ウサギとカメの童話があるだろう。ウサギはどうして、のろまなカメに負けたのか?」と言われたので、
私は「ウサギはいつでも勝てると油断があったのです。
人生は油断してはいけないという戒めの童話だと思います。」と答えました。

すると「本当にそう思っているなら,零点の答えだ」と言って、
次のような話をしてくださったのです。

カメにとっては、相手はウサギでもライオンでも、なんでもよかったんだよ。
なぜならカメは全く相手を見ていないんだから。

カメにとって重要なことは、山頂に立っている旗、
つまり自分の目標だ。それだけを見つめて歩き続けたんだ。
一方のウサギの方はどうだ、絶えず相手のカメばかり気にして、
大切な目標を一度も考えることをしなかったんだよ。

君の人生の目標は、コブ平ではないだろう。
カメのように自分の道を歩み続けることだよ」と教えてくださったのです。

私は、この養田社長の一言で迷いが吹っ切れ、
落語家として自分の目標に黙々と歩き続けようと決心出来たのです。
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私達は成功を、いつも自分と他人との比較において考えますが、
視野が広がれば広がるほど、自分より成功している人がいることに気付きます。
自分の成功は小さなものになり、心穏やかでありません。

SMIの創立者ポール・マイヤーは成功とは、
「自分にとって価値ある目標を、前もって設定し、
段階を追って達成していくこと」と定義しています。

この道で生きると決めたら目標に向かって黙々と歩み続けることです。

ところでウサギとカメの話には続き?があるのです。
ウサギは「もう一度レースをしたい」と言ったのです。
カメは、快く応じました。今度はウサギが勝ちました。
レース終了後、皆で記念写真を撮ることになりました。
勝ったウサギの横でカメが笑っているのです。
ウサギは不思議に思い尋ねました。「なぜ負けたのに笑っているの?」
カメは答えました。「最初のレースよりもタイムが良かったからだよ」  
意味深い!! 敵は相手ではなく、自分です。 

なぜかドンくさい自分が強い自分に思えてきた一瞬でした。

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