HAYASHI-NO-KO

北岳と甲斐駒ヶ岳

シナマンサク(支那満作)或いは マンサクとシナマンサクの種間交配種

2022-02-16 | 冬 黄色系

こちらは、まだ枯れ残った葉は見えるのだけれど
日本庭園のものほどには残っていない。
場所が悪いのか、何本かの植栽は数年前に枯死してしまった。
一時期森林植物園のマンサクにも広がったウイルスのせいだったのかもしれない。








▲ この色はここでは見たことのない花色、「アカバナマンサク」の名札がある場所の花色も混じっているのだから
やはりマンサク・シナマンサクの種間交配種というのが妥当だろう。▼
















▲ 近くで花を見ていると、いつもの悪い癖?で、仮おしべを撮りたくなる。
陽射しがないからここでは無理だ。 ▼























シナマンサク(支那満作)
マンサク科マンサク属 Hamamelis mollis
或いは マンサク(H.japonica 別名・ネソ/綯麻、捻苧)とシナマンサクの種間交配種 Hamamelis x intermedia
アカバナマンサク(赤花満作) Hamamelis japonica var. obtusata f. incarnata
学名部分は、ここの名札表記のままだが、年々色が混じり始めている。
幾つかの植物園では赤色のダイアン(Diane)、赤橙色のエレナ(Jelena)、
黄色のムーンライト(Moonlight)、アーノルド・プロミス(ArnoldPromise)などが
種間交配種として植えられている。
大船時代に撮ったシナマンサクの園芸種「パリダ」は種間交配種として上げられていることも多い。
正しく名札が掲げられているとも思えないから、交配種(園芸種)の可能性は否定できない。

またまた、マンサクの語源の話題になった。
漢字では万作或は満作の字が充てられる。
その語源は一般的には「(春に)マンズサク→マズサク」からの転訛説と、
蕾がいっぱいついて「豊年満作」を祈願する意味合いを持っていると語られることが殆どで
後者の意味合いを持つに至った推論には、なるほどと思えるものが多いと言う。
それでも私は別の意味を見出そうとして一つの仮説を支持している。
マンサクの蕾は、確かに幾つもが固まって少しうな垂れた姿で年を越す。
  その姿がシイナ(粃・殻ばかりで、中に実のない籾)に似ているので、敢えて反対語を使って「満作」と呼んだ…。
普通は「満開の花を豊年満作だと表現した」などと説明されているのだけれど
幾つかの蕾が全部開いてくれること、「豊年満作を祈願する」のが本来の意味だと思っている。
(2022.02.14 須磨離宮公園)

 
▲ 花弁基部に「仮雄しべ」がのぞいている赤橙色  黄色混じりの花 
㊧ マンサクとシナマンサクの種間交配種「エレナ」 「上が池」ではマンサク表記のままだけれど。▲


 
▲ ㊧ 前年の葉が枯れ残ったままの木に咲く花。俗説ではこれを「シナマンサク」と呼ぶそうだ。  ㊨ アカバナマンサク・シナマンサクの花後 葉の表面の違いで確認できたこと「シナマンサクは有毛でビロード状、マンサクは無毛」▲
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秋のシナマンサク 今年のシナマンサク 須磨 須磨の赤花種 今年の上が池公園 去年の赤橙色
 今年の森林のシナマンサクほか 森林のシナマンサク 森林の赤花種
新見のアテツマンサク



2 コメント

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とても難しいですね。 (こいも)
2022-02-18 16:58:46
林の子さん
こちらの公園ではマンサクと記されていますが、
マンサクと記された樹のすぐ後ろに赤花のマンサクがあります。
マンサクとシナマンサクの種間交配種と思って良いのでしょうか。
今回もアカバナにカメラを向けたのですが、あまり開花していないうえにピンボケばかり・・・
残念です。もう一度撮りに行きたいと思います。
「マンサクの語源」読ませていただきました。
そしてやはり、ノートに書き移しました。
仮雄しべを綺麗に撮れたら嬉しいのですが。。。よ~く良く見てみたいと思います。
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区別は面倒。 (林の子)
2022-02-18 20:27:55
色合いも微妙なものが多いし、植栽されているものが自生していたものなのか、
交配されたものなのか、なんて一見して区別などつきそうにないです。
ロウバイなどもそうですが、広まっているものの多くは人が作り上げている…のでしょう。
ですから、面倒な時は総称としての「マンサク」「ロウバイ」で済ませたり
名札表記のままにしたりするのが良いのかもしれませんね。
明らかに違う…と言う場合は確かめることも必要だと思うのですが
必ず正解が得られるとも限らないので面倒です。
仮おしべに関しては、詳しい説明は知らないですが「おしべとおしべの間ある鱗片状のもの」という記述を以前呼んだことがあります。
https://blog.goo.ne.jp/ken328_1946/e/84f4332574a022a3a1e1269b7f6cb76c
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