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東洋的な漢方薬の使い方?その後-3 (加味逍遥散 かみしょうようさん)

2010-04-06 14:03:33 | 東洋医学全般
前回に引き続き、鼻つまりやアレルギーを起こす原因として、胃腸とその経絡に問題がある場合、体の心が冷えている場合が考えられるとお話をいたしました。

今回は、ストレスがたまっているゆえに、上半身に熱がこもってしまって引き起こされるアレルギーなどの症状とそれに対応をする漢方方剤のお話をしたいと思います。

このような場合は題記の加味逍遥散(かみしょうようさん)が使われることが多いものです。
この「加味逍遥散」は本来「逍遥散(しょうようさん)」というものがあって、これは多くの場合、女性の更年期障害や生理不順、不妊症など、いわゆる血の道の障害に使われる漢方方剤です。また、男女問わずイライラを我慢していたり、細かい仕事をしている方で、体がかゆくなったという方にも著効いたします。

これは、ストレスで発生した熱が発散しきれずに、皮下にこもったことによって起きた症状のひとつです。

さて、この「逍遥散」に牡丹皮(ぼたんぴ)と山梔子(さんしし、くちなし)を加えたものが、「加味逍遥散(かみしょうようさん)」です。
これは男女を問わず特に怒り系のストレスで疲れていて、怒っているのに我慢をしてたりして、その時にこもった熱が特に上半身でいたずらをしている時につかいます。

前々回とお話してきたアレルギーの症状も、このイライラが引き起こしている熱で起きている場合もあるのです。イライラして体にこもった熱が病を起こしている状態を、肝虚陰虚熱証と業界では表現します。
この状態に焦点を当てることにより、この方剤がノミネートされるのです。

普段はそのような熱のためにおこる更年期障害、月経不順などに使われますが、やはり男女を問わず、ストレスによる不眠、イライラ、肩こり、頭痛に使われます。
私はイライラした時にこの方剤の錠剤をのむと、即座に「ま、、、いいか」という精神状態になるので、いつもスマイルでいられます。

先日も鼻炎がなかなか治らない女性がいらっしゃっていたのですが、ある日その方のご主人がいらっしゃって気がつきました。「こんな神経質なご主人がいらっしゃるのなら、間違いなくイライラによる鼻炎だ!」とおもい、即座にこの女性に「加味逍遥散」を処方しました。このご主人の神経質オーラで神経を逆なでされた私自身も後でこれを服用しておきました。

彼女の鼻炎は治り、私のイライラも納まったことはいうまでもありません。。。。。。これにて一件落着!!

ちなみに、同じような状態でも、患者さんの体力というか気合の度合いに応じて、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、小柴胡湯(しょうさいことう)、大柴胡湯(だいさいことう)、抑肝散加陳皮半夏(よっかんさんかちんぴはんげ)などが使い分けられます。

もうひとつ、「加味逍遥散」も「逍遥散」もどちらも上半身の熱をきれいに発散させる作用がありますので、上半身の一部に属する手にできる、いわゆる「主婦湿疹」に効く場合があります。もちろんイライラ体質の方という大前提がありますが、、、、、、

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