goo blog サービス終了のお知らせ 

けい先生のつぼにくる話

はりきゅう漢方の先生が教えてくれる健康に関する話
Twitter(X)リンク @kkclinic

なぜ古の中国の武術家は漢方医や鍼灸師が多かったのか、、(命、相、卜、仙、医の文化)

2012-09-23 09:07:40 | 圓功禅拳、古武術
かつて、中国の多くの武術家は鍼灸漢方医学の治療家を兼ねていることが多かったものです。
日本でも武道家、特に柔道家が「ほねつぎ」の資格をもって開業しているのを見かけます。「ほねつぎ」の正式名称は「柔道整復師」といいます。
これは、当時の政治家に影響力を持っていた講道館柔道の加納治五郎先生が、日本の武道家が食べてゆけるようにとの配慮でほねつぎの技術を法制化したのです。

中国の場合、その歴史的な背景が異ります。
大昔に、中国がまだまだ立派な国だった頃、一人前の医師になるには五術を学ばなければいけませんでした。五術とは命学、相学、卜学(ぼくがく)、仙学そして医学です。

まずは前の4つである、命、相、卜、仙を修めなければ、医学を学ばせてもらえなかったといわれています。簡単に説明しますと。

1.命学で、その人の人生の流れと方向を中心に観る。

2.相学で、その人の持って生まれた気質、体質、適応力などを中心に観る。

3.卜学で、その人の人生における天候のような、例えば追い風か向かい風か、いまどうしていたらよいのかなどを観る。卜学とは易経のことです。世の中のすべての事象と人体を陰陽観で観る学問で、占いのみならず、医学や処世に活用できる、素晴らしい哲学です。この科目は私たち日本の鍼灸師が古典医学を学ぶ際の必修科目の一つでもあります。

4.仙学で、その人の弱いところを補って健康な体を手に入れる。武道や気功方などが含まれる。

5.医学:上記の1から4まで修めて、初めて医学の門をたたくことができる。

カンフー映画を観ると、多くの武術家がその生業を鍼灸漢方医としているのは、このような背景があるからなのです。

五術についての詳細は、私の過去のブログでお話をしております。お時間のある方はどうぞご覧になってください。

http://blog.goo.ne.jp/keisclinic/s/%CC%BF%B3%D8

http://blog.goo.ne.jp/keisclinic/c/1388ecd83eef811602802e2b81ec9765