けい先生のつぼにくる話

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柴胡剤 ストレスからくる疾患 8.

2008-02-27 09:57:45 | 東洋医学全般
小柴胡湯 (しょうさいことう) --荊防敗毒湯(けいぼうはいどくとう)ーー十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)

「小柴胡湯」
この方剤は脾虚肝実証といって、消火器のコントロール器官である脾とその経絡が虚して、その分肝とその経絡に熱が入っている状態のときに使用します。

これ、何を言っているか解りませんね。
簡単に言うと、風邪がなかなか治らなくなっている状態を指します。
体がだるくて、特に午後から熱っぽくなって、食欲はあまりないけれども無理すれば食べられる状態です。
或いは気管支炎などの肺の疾患、食欲減退などの胃腸疾患、そして腎盂炎や膀胱炎などに疾患にも使えます。

漢方の診断ができない場合でも、風邪をこじらせて起きる症状によく効きますので、便利です。
もし、往来寒熱(おうらいかんねつ)といって、体が熱くなったり、その後に急に寒くなったりする症状が出ているということだけで、この方剤を使うことができます。そして、その状態から派生するあらゆる病に効きます。

「荊防敗毒散」
これは小柴胡湯から派生した方剤で、基本的に小柴胡湯が合う体質で、特に上半身におこる化膿性の疾患に著効します。顔面の吹き出物、蓄膿症、アトピー性も含む皮膚炎などです。


「十味敗毒湯」
これも小柴胡湯から派生した方剤で、基本的に小柴胡湯が合う体質で、皮膚に化膿性の病があるときに使います。これは脾を補って、胃腸に働きかけ、氣血津液を作ってダメージを受けた体の部分を再生し、同時に肌肉(きにく、肌や筋肉)の熱を冷ます作用があります。

体が弱っていると、本来は肌目から発散していなければいけない熱気が皮下に溜まったままとなって、アレルギー性の皮膚炎や、アトピー、化膿性の湿疹、ヨウ、セツなどと呼ばれる化膿性疾患、そして中耳炎などにも使われます。

日本伝統鍼灸漢方
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