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研究や教育等の記事を書いています。掲載内容は個人的見解であり、群馬県立女子大学の立場や意見を代表するものではありません。

続・続・読書は大切!

2015年12月31日 | 教育活動
読書の大切さは、以前のブログで書きましたし、私のゼミナール教育の中核でもあります。このことについて、「東洋経済ONLINE」で、ビジネス界で活躍されている堀紘一氏が様々な視点から強調していますので、紹介したいと思います。

堀氏は、まず、日本の学歴偏重について、こう痛烈に批判します。

「教養の有無、一流であるかどうかに、学歴はなんら関係がない。いわゆる一流大学卒でも教養のない人はごまんといるし、三流大学卒でも一流の人間は大勢いる。その差を生む要因のひとつは、「どれだけ本を読んでいるか」という読書量の違いだと私は思う。日本ではまだまだ学歴で人を判断する風潮が強いようだから、学歴偏重主義のバカバカしさについて改めて強調しておきたい」。

その学歴についても、堀氏は興味深い主張を行っています。

「学歴(とりわけ偏差値を基準にした日本でしか通用しない「日本ガラパゴス学歴」、引用者)ではなく、「学習歴」こそが重要だ」。

「学」と「歴」の間に「習」を入れると、意味がガラリと変わってくるわけです。鋭い指摘です。まったくその通りでしょう。

なるほど読書の重要性は分かったとしましょう。では、何を読めばよいのでしょうか。堀氏はやや意外なことを言っています。

「ビジネスパーソンに読んでほしいジャンルとしては生物学、歴史、軍事学、哲学の4つを挙げたい」。

拙著『パワー・シフトと戦争』において、私は、生物学と国際関係論(安全保障研究)の親和性を指摘しましたが、これらの分野の知識はビジネスパーソンにも役立つようですね。軍事学は戦略論を含めても、我が国では研究者や文献が少なく、北米や欧州の研究に比べると、残念ながら見劣りすると言わざるを得ません。他方、(日本の)軍事史は充実していると思います。

堀氏の記事を読んで納得した学生さんは、明日の元旦、「読書」を新年の誓いに立ててみてはいかがでしょうか。
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