架空庭園の書

音楽への"homage"を主題として、思いつくまま気侭に書き連ねています。ブログ名はアルノルト・シェーンベルクの歌曲から

ソフィー・パチーニが弾くシューマンのピアノ協奏曲

2012-04-18 | 音楽


あのマルタ・アルゲリッチが「かつての自分を見ているようだ」と大絶賛するピアノ界の新星、ソフィー・パチーニのデビュー・レコーディング。

というのが売り手側が用意した惹句。CDのアートワークなどを見ると、確かにアルゲリッチを意識していることはよくわかる。

ではあるのだが

シューマンは、聴いていて惹きこまれるところはない----まったくと言っていほど。曲への共感(愛情と言い換えてもいい)がないようにすら受け取れ、なぜこの名曲を弾くの?と言いたいところ。むしろモーツァルトの方、特に最終楽章の勢いのある演奏が印象に残る。

ま、これは実際に演奏会で聴いてみないとわからないだろう----ということで、金曜日はサントリー・ホールへ行く予定。

このCDの一番の驚きは、ケースからCDを取り出したとき。

CDを嵌めるケースのところに、なんとロスチャイルドの紋章があり、Edmond de Rothschild Groupと書かれている。Prix Groupe Edmond de Rothschildを受賞しているとのこと。この賞は若くて優秀な音楽家を支援するものらしい。

この協奏曲を組み込んだ東京フィルの演奏会についてパチーニの項目で触れられている。

広瀬隆さん----最近は原発の件でのメディアでの露出が復活している----の大作「赤い楯」を読むと、そこに登場する人物の多さとそれらの複雑な絡みあい、広瀬さんが調べ上げた系図や関係図---本のなかで多数みられる---に圧倒されることになる。カティンの森アウシュビッツの強制収容所という場所も離れたところの出来事ではあるが、それはロシアとナチス・ドイツのしめしあわせがあったのいではないかと疑問を提示している。これがこの著者の特徴でもある逞しい(時には逞しすぎる)想像力によるものかは判断できないが。音楽家といえども無関係ではなく、ロッシーニ、メンデルスゾーン、ワーグナーそしてマーラーといった作曲家や、ミュンシュなんていう名前も関係図に登場してくる。

それが新星パチーニとどう関係するのか?と問われたら、まずは「赤い楯」----念のために書いておくが、「赤い楯」に書かれていることがすべて事実であるなどというつもりは全くない-----をお読みなさいと答えるしかないのだが....

ソフィー・パチーニのOfficail siteはこちら


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