架空庭園の書

音楽への"homage"を主題として、思いつくまま気侭に書き連ねています。ブログ名はアルノルト・シェーンベルクの歌曲から

時代は変わる

2009-08-29 | misc
脱皮できない蛇は滅びる。 といったのはニーチェ。 数日前に毎日新聞が掲載した記事(メディア政策:新政権に望む 「表現・報道の自由」規制、デジタル社会、そして…)の、あまりの酷さにはあきれてしまった。同じ様な感想をもった人が多くいるのだろう。ブログを使っての反論も多い。 それを受けた形となる毎日新聞社の反応(「毎日新聞社の考えを表明したものではありません」)は騒ぎを沈静化ではなく、逆に拡大させ . . . Read more
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G線上のアリア

2009-08-25 | My Favorite Songs
曲がよく出来すぎているのだろう。そのためか実演では多少心もとない演奏でも、それなりに美しさを感じることができる。そんな曲であるバッハの《アリア》(「G線上のアリア」)だが、心の底から「この演奏はいい」といえるものに巡りあうことは少ない。それは最初の数小節を聴くだけで判断できるといっても言いすぎではないだろう。 なだらかに下降するバス音の上に架けられるメロディを「どれだけの強さ」をもって支えられる . . . Read more
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ブラジル風バッハ 全曲演奏会

2009-08-23 | 音楽
8月22日(土)  東京オペラシティ コンサートホール:タケミツ メモリアル    ヴィラ=ロボス没後50年記念 ブラジル風バッハ 全曲演奏会Heitor Volla-Lobos:Bachianas Brasileiras    指揮:ロベルト・ミンチュク  フルート:斉藤和志  ファゴット:黒木綾子  ソプラノ:中嶋彰子  ピアノ:白石光隆  合唱:新国立劇場合唱団(合唱指揮:三澤洋史)  東京 . . . Read more
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答えのない質問

2009-08-21 | misc
「オイ、早く寝ないと明日はきついぞ。下手したら"ユーアイ"を喰らうぞ」という声に「ああ、そうだな」と応えたが、もう少し書き続けることにする。 あれから2年が経つ。しかし、私にとっては20年、いやそれ以上に感じられるのだ。もう戻るべき国はなく、そしてなによりも最愛の娘の顔を見ることもできないという、引き裂かれた痛みに貫かれる。 無抵抗に受け入れば、それまでの生活は続けられると思っていた。 「宣 . . . Read more
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HILDEGARD BEHRENS

2009-08-20 | 音楽
ファゴットとホルンによる変イ長調の主和音が柔らかいシンコペーションのリズムで始まり、チェロのソロが前奏を歌いだす。それと同じ旋律を受ける形で、たっぷりとした弧を描くかのように歌われるアガーテのカヴァティーナ《雲に隠されているが》。 クーベリックの指揮でヒルデガルト・ベーレンスが歌っているウェーバーの歌劇《魔弾の射手》。 このカヴァティーナだけでも聴く価値があるのだ、このアルバムには。 神秘的 . . . Read more
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風立ちぬ

2009-08-17 | misc
風立ちぬ そんな気配が数日前からある。そこで「風立ちぬ」と呟いてみる。 挽夏というにはまだ少し早いものの、日差しの中にもどこか秋めいた乾いた空気が含まれりるようになった。明らかに季節が変わろうとしている。 風立ちぬ.... に続けて「いざ生きめやも。」と思い浮かべるその先はポール・ヴァレリーの詩それとも堀辰雄の小説だろうか? 高校のころに読んだ堀辰雄の「風立ちぬ」を久しぶりに読み返してみ . . . Read more
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飛べフェニクス

2009-08-14 | misc
「飛べフェニクス」という映画が、昔あった。 Flight of the Phoenix 飛行機が砂漠に不時着、そこからの脱出を描いている。その方法がすごいのだが、ここではそれは書かない。印象に残っているエピソードについて書こう。 不時着してから何日目かの夜、近くを砂漠の民の商隊らしき一団が野営を始めた。急いで助けを求めに行こうとするのを止めて、2人だけで商隊のところへ赴く。いつまでたっても2 . . . Read more
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思い出のマジョルカ

2009-08-12 | My Favorite Songs
「マジョルカ」という地名に特別な感情が浮かぶのは、ショパンとジョルジュ・サンドのためだろう。2人がつき合い始めた年(1838年)、ショパンの結核療養のためにこの島を訪れ、隠れるように住んでいたという家を、ピアニスト熊本マリさん(あやふやな記憶だが)が訪れたときの様子をTVで見たことがある。島民からも敬遠されていたようで、そのとても小さな家のまわりに家もなく、いわば孤立した2人を思わせる風景の映像が . . . Read more
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早起き鳥

2009-08-09 | My Favorite Songs
「楽しき狩こそ我が悦び」(狩のカンタータ ist nur die muntre Jagd)BWV208 のアリア「羊らは安けく草を食み」では、通奏低音は全曲にわたってが8分音符を刻む。このアリアをベースとした《早起き鳥》では、2と4拍目に(きちんと)アクセントが置かれ、すっかりポップスの装いとなっている。だが、それでも---やはり----バッハだ。 富田勲さんのアルバム「バッハ・ファンタジー」に . . . Read more
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開かれたOS

2009-08-05 | misc
Andoridについて書いてからだいぶ時間がたち、実際に製品も登場した。 ITproにある記事    NTTドコモの山田隆持社長は2009年7月22日,東京ビッグサイトで開催中のワイヤレス    ジャパン2009の基調講演に登壇した。この講演で山田社長は, AndroidやWindows     MobileなどオープンOS向けのアプリケーションの流通の場(マーケット・プレイス)を    ドコモ . . . Read more
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夏風の中で

2009-08-04 | 時の歩廊
月に何度か中央線「あずさ」にのって長野方面へ行くのだが、今日は久しぶりの青空が広がり、八ヶ岳もはっきりとその姿が見える。中央線は、季節の折々の変化に富んでいて、いつ乗っても楽しい。特にこの時期の「あずさ」はまるで緑の中を通り抜けるようにして走るのが魅力。       台風や大雨の時は、途中で運転を取りやめてしまうこともあり、帰宅できずに急 . . . Read more
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秋吉敏子

2009-08-02 | 音楽
秋吉敏子について、もう少し。それも、有名曲の影となりあまり話題にならない作品について。多くの録音がリリースされているが、戻ってくるのは最初のアルバム「孤軍」。 アルバム・タイトルでもあり、ルバング島で発見された小佐野少尉がモチーフとして、能を思わせる響きで強い印象を与える「孤軍」もよいが、このCDを取り出して聴くのは「メモリー」。 深々とメロディーを歌うボビー・シューのフリューゲルホーンのソロ . . . Read more
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