架空庭園の書

音楽への"homage"を主題として、思いつくまま気侭に書き連ねています。ブログ名はアルノルト・シェーンベルクの歌曲から

電気通信大学管弦楽団 白百合女子大学アンサンブル・リスブラン 第24回ジョイントコンサート

2008-06-15 | 音楽


やや粗削りながら、勢いのあるアンサンブルであった。
コントラ・ファゴット(1台)そしてバセット・ホルン(2台)がOBより寄贈されたとのことで、13管が取り上げられた。バセット・ホルンを所有するオーケストラ(しかもアマチュアが)のは極めてレアなケースだろう。

6月15日(日) 
調布グリーンホール 大ホール 
指揮:河原哲也 
電気通信大学管弦楽団 
白百合女子大学アンサンブル・リスブラン 

W.A.モーツァルト:セレナード第10番 変ロ長調 K.361《グラン・パルティータ》
P.チャイコフスキー:組曲《白鳥の湖》作品20
R.シューマン:交響曲第3番 変ホ長調 作品97 《ライン》
アンコール:ラデッキー行進曲 

グラン・パルティータ
全7楽章から、第1、第2、第7楽章が演奏された。音楽としては、一番楽しめた。特に第7楽章。奏者が気を抜くこともできない少人数(13人)編成であり、積極的に音楽にかかわってゆかねばならない。そのことが、聴こえてくる音楽に反映されていた。強弱に幅があれば(特に弱音)もっと豊かな表現になったのではないだろうか。

13管以外の2曲では、ステージいっぱいにオーケストラメンバーが並ぶ壮観さ。
第2ヴァイオリンがステージ右側に、チェロは中央、コントラバスは、左側第1ヴァイオリンの後方という、いわゆる対向配置。

演奏は、どちらも早めのテンポで進んでゆく。

《白鳥の湖》では、打楽器セクション、管楽器とくに金管楽器セクションが演奏全体を引き締めていた。 《ライン》の第4楽章では、もうすこし構成感のあるどっしりした演奏を好むが、今日の演奏は、早めにさらさらと流れた。ほとんど休まず第5楽章が始まったように、終曲の序奏という位置づけなのだろう。

聴き終えて「何か」---それは技術といったものだけでは解決しない領域に属する---が、よりクリアに出てくればという、一種の「ものたりなさ」が残る。

なぜこれらの曲を取り上げたのか、それらの曲のどこに魅力を感じているのか、それをどのように音として聴くものに伝えたいのか、それを伝えるための「熱意」と書けばよいのかもしれない。

アマチュアオーケストラを聴くにおいて最大の魅力であろうこの「何か」---ときにはプロフェッショナルなオーケストラよりはっきりと聴けることさえあるのだ---が少し不足するように思われた演奏会。

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定期演奏会(12月10日)のご案内 (慶應義塾大学混声合唱団楽友会)
2010-11-27 09:29:29
☆ ★ ☆ 慶應義塾大学混声合唱団楽友会 ☆ ★ ☆
      -第59回定期演奏会-

【日時】
2010年12月10日(金)18:30開場、19:00開演

【会場】
「なかのZERO」大ホール(JR中央・総武線、東京メトロ東西線「中野駅」徒歩8分)

【演目】

第1ステージ
~Quatre motets Op.10~
作曲:Maurice Durufle、指揮:栗山文昭    

第2ステージ
~混声合唱組曲 筑後川~
作詩:丸山豊、作曲:團伊玖磨
指揮:橋本亜依(学生)
ピアノ:黄俊豪(学生)

第3ステージ ~合唱オペラ ごんぎつね~
原作:新美南吉、脚本:村田さち子
作曲:池辺晋一郎
指揮:栗山文昭、ピアノ:須永真美
演出:しままなぶ、振付:木寺美由紀
照明:大鷲良一(創光房)

【後援】新美南吉記念館(愛知県半田市) 

【問合せ】
fiume.e.campo.trucco@gmail.com
定演マネージャー(河野倫也)

                                        以上
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