お洒落感覚に溢れたマエストロのクリスマス作品。そのアルバムタイトル "NOEL! NOEL!! NOEL!!! "からして洒落ているではないか!
これでもかと「しかけ」を満載したアレンジ-----マエストロらしいといえる。それでこそマエストロ。
もし自分が歌手だとして、マエストロの伴奏で歌いませんかという申し出を受けたら
「喜ん . . . Read more
今年聴いたCDから Best 5を選んだら、というような企画がよくあるが、まさにそのなかの1枚となるアルバム。
"MOZART HEROINES"というアルバムでナタリー・デセイを知った。CDショップのオペラや歌曲のセクションに多数並ぶなかで一際目をひく、ブルーとブラウンが混じった瞳でこちらを見つめているCDカバーに魅かれて買った---まさにジャケット買い。
夜の女王のアリアなどが収録され . . . Read more
16小節---いってしまえば「たかが....」という小曲---のテーマを盛りだくさんのアイディアに基づいて、そして1コーラスごとに半音上げて全部で15回繰り返す、つまり12の調を(いわば)一巡し、なお3コーラス足される。さらに、そこに音楽する楽しさをあふれんばかりに振りまく、そんなプレイができるミュージシャンが他にいるであろうか?
哀切極まりない旋律。映画を見たことのないヒトでもその切なさを感じ . . . Read more
「札幌の木」にも選ばれているライラック。お祭りまである。かの地では、ちょうど見ごろなのだろう。住んでいるあたりでは見かけない。「もしかするとこれがそうではないか?」と思わせる木が近くにあり、少し前に可憐な花を咲かせていた。でも、これをライラックとは決めかねている。ライラック。別名はリラ。ときたら、もうこの歌しかない。"Valse Des Lilas"(リラのワルツ)。これに英詩をつけたのが"Onc . . . Read more
久しぶりに取り出して聴いたアルバム。ルグラン作品全11曲で構成されている。ちなみにリタ・ライスは、同じようなコンセプトで、ジョビン、バカラックを取り上げたアルバムも作っている。決して派手な歌い手ではない。地味系の歌手の代表格でもあるアン・バートンと比較しても、もっと地味------というか、華がないと受け止められているのかもしれない。確かに、聴いてパッとその良さを感知できるというヒトは少ない(たぶ . . . Read more
ルグランが2005年にベルギーのFlemish Radio Orchestraを指揮して録音したアルバム。ルグランの音楽家としての才能について繰り返し書いてきた。しかし、ここでもまた、さらに上乗せして書いてみたくなる。そんな魅力をもったアルバムだ。クラシック、ジャズ、ポップスといったジャンルという壁を感じさせない。このアルバムでは歌を歌うことはしていないものの、アレンジ、指揮、ピアノやハープシコー . . . Read more
ヒラリー・コールの2作目となるアルバム"You Are There ~duets"アルバムタイトルからもわかるように12人の名ピアニストとの対話によって構成されている。かなり豪華な企画といわねばならない。全部で14曲----ハンク・ジョーンズとデイブ・ブルーベックとは2曲(ナンデるぐらんト入レナイノ?)----収録されている。その中の1曲"HOW DO YOU KEEP THE MUSIC PLA . . . Read more
切なさとでもいえばよいのだろうか...ヒラリー・コール Hilary Koleのデビュー・アルバム"Haunted Heart"(「魅せられし心」)の1曲。多くの歌手で《風のささやき THE WINDMILLS OF YOUR MIND》聴いてきたが「切なさ」を感じさせるのは初めて。アラン&マリリン・バーグマンの素晴らしい歌詞 世界はまるでリンゴのように 音をたてる . . . Read more
オシャレに「アーティスト」するアレンジ。そのサウンドはシャーデーSadeにも似ている。ミディアムもしくはそれよりスローなテンポで、いかにも打ち込みという重低音のベースが、オスティナートのように同じ音型を刻む。その上にのるハーモニー(コード)は、サウンドを重視するためにオリジナルの進行とはかなり異なり、時にはメロディとはかけ離れた響きを作る。しかも薄め。これのバックを聴いてのレコーディングは難しそう . . . Read more
「シェルブールの雨傘」に続いて「ロシュフォールの恋人たち」を見た。
見終えて映画館を出てそして今まで続く深い余韻、満たされた感じ。それは「フィガロの結婚」を聴いた(見た)時のものと極めて近い。ミシャル・ルグランとジャック・ドミーによる20世紀の「フィガロの結婚」といえる。
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劇場で見たいと、長い間思っていた映画《シェルブールの雨傘》を見た。
これはオペラだ。3幕物の。ミュージカルではない。
台詞には全編にわたってメロディーが付いている。例えば、母娘が営む傘屋に手紙を届ける郵便配達夫の台詞に。フィナーレでは、ヒロインに車に入れるガソリンは満タンにするか?スーパーなのか普通のか、(日本でいったらハイオクかレギュラーか?)といった台詞まで。歌われる歌はすべて素晴らしく、 . . . Read more
ミシェル・ルグラン&グランドオーケストラ ジャパンツアー2007東京国際フォーラム ホールA11月2日(金)
生誕75周年記念と銘うったコンサートに行った。
春に来日公演の話を聞いてから待ち望んでいたコンサート。
ミシェル・ルグラン(M_L)の発する「音楽の美しさ」、「楽しさ」に満たされた。しかも、他のコンサートとは比較にならないほど量がM_Lから放たれ、それを浴びることができた。
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グラフ「風のささやき」名曲「風のささやき」の歌のパートには休符が一つもなく、それは、きわめて器楽的であり、決して歌い易いとはいえません。 この曲をピアノで弾き、バロック音楽を基調とし、そこにロマン的なものを感じていたのですが、その後、「華麗なる賭け」を映画館で見ると、淡々としかも拍節にとらわれないで歌われており、意外でした。 最初のグラフを見てもわかるように、幾何学的なといってもよい、同じようなパ . . . Read more
ミシェル・ルグラン(以下M_L)は、自身のボーカル・アルバムの他に多くの歌手とアルバムを作っています。
リナ・ホーンは、サラ・ヴォーンのようにアドリブをするという歌手ではありませんが「シェルブールの雨傘」~リナ・ホーンとミシェル・ルグラン~と題された、このヴォーカル・アルバムには、ジャジーな雰囲気が横溢しています。
いつものM_Lなら、サラ・ヴォーンのアルバムのように様々な仕掛けを用意し、饒舌 . . . Read more
ミシェル・ルグラン作品の素晴らしさについて、別の角度から見てみます。 手元に楽譜があります。全部で40曲収められており、作曲者としては、Lalo Schifrin、Quincy Jonesがそれぞれ1曲、Dave Grusin、Henry Mancini、Sergio Mendesが各2曲、最も多いのはミシェル・ルグラン(以下M_L)で、16曲となりす。次点がBilly Goldenbergの4曲 . . . Read more