わがままは男の罪 それを赦さないのは女の罪
若かった なにもかもが.....
というポップスがある。今となってはもはや懐メロかもしれない。
わがままは男の罪 それを赦すのがいい女
というのを、作品として残すだけでなく、自身の生涯がそうであったのが作曲家リヒャルト・ワーグナーRichard Wagner(1813年5月22日 - 1883年2月13日)ではないだろうか?
演奏されることもない交響曲も書いたが、生涯においてもっぱら歌劇、この男が創案した楽劇ばかりを残した。
そのほとんどが、時、処、状況は変われど、わがままな男とそれに耐え、最後には命を落とすヒロインの話ばかりといっても言い過ぎではない。
現代の眼からみたら、どうしようもなくアナクロなストーリーだが、音楽に気を取られるとはまってしまう。
なかでもタンホイザー。
わがまま男タンホイザーとそれに想いを寄せるエリーザベト。
そしてエリーザベトを純粋に慕うヴォルフラム。この存在がいい。
どれほど慕っても、成就することはないという切なさ。
それでありながら傍で見守るという意思の力。
その心中は張り裂けんばかりだろう。
ヴォルフラムの究極の思いが第3幕で歌われる「夕星の歌」
1955年バイロイトでディートリヒ・フィッシャー=ディースカウがこのヴォルフラム役で歌っているのがお気に入り。
まず声が若く瑞々しいのがいい。指揮はアンドレ・クリュイタンス!!!
ワーグナー《タンホイザー》「夕星の歌」フィッシャー=ディースカウ
指揮はコンヴィチュニーだ。
Tannhäuser : "O Du, Mein Holder Abendstern"
Wagner: Tannhäuser Overture - Thielemann / Münchner Philharmoniker