神戸ゆかりの美術館で開催されている『中西勝展』に行ってきた。中西先生の初期の作品から、2013年に至る50点の作品を観ることができ、感
慨深かった。最終年の『幸華』(100号の正方形作品 2013年) に魅せられた。色彩の明るさ、絵肌の充実感、崇高さ、柔らかさ、優しさ。描き
続けて、描き続けてこられた方の作品だと思った。空間の紅をはらんだ乳白色の、すべてを包み込むような広がりに引き込まれた。
『えええ、90歳!』と言う声が横から聞こえた。画面右下には、サインの横に90歳と書かれている。(数え年)この瑞々しい作品がが90歳の方の
作品かと一瞬思えるような新鮮で艶やかな作品なのだ。私も、こころで、えええっと叫んでいた。この年齢まで、描き続けること、何と偉大なこ
とだろうか。この体力で、描き続けていかなくては、妥協無く、自分の絵を追求しなくては、と強く思った。
中西先生に直接お目にかかることはなかったけれど、その存在の大きさは絵を描く一人一人のこころに届いている。
先生は今年5月に亡くなられた。ご冥福をこころからお祈り申し上げます。( 神戸ゆかりの美術館 受贈記念 中西勝展は7月12日(日)まで )
フォト 2013