絵が完成に近付くと、何か同じ雰囲気の絵になってしまう。技法を変えたり、新たに気付いたことを取り入れたりしているのに。
新境地の作品ができたと嬉しくなるのもつかの間で、その新境地(?)の作品の浅さにあきれて、次の日それをつぶしてしまう。
新しい絵って何だろう。少しは絵が変わったかもしれないが、ほとんど大きな変化はない。どこかで、見たような、何か懐かしい
絵が立ち現れてくる。これは、私の原風景なのだろうか。もっと知らない新鮮な何かを求めているのに、懐かしいとしかいえない
ような絵が目の前にある。次々と作風が変化する軽やかさなど全くなく、堂々巡りのような絵を描き続けている。
これが、自分を知るということだろうか。自分とは何か、を知ることが、時代に流されない創作のあり方、とある彫刻家が語って
おられた。時代に迎合せずに、自分自身に向き合い続けること。救われる教えだ。
何だか代わり映えしない作品。でも、これが等身大の、私なのか。
フォト 2016