フランス人、評論家のダニエルさんの評論にあった『ゴッホの手紙 中』(岩波新書)を読んでみた。
私のゴッホ観は、あのひまわりの輝くばかりの黄金色にあったのだが、今回、新たな思いがわいた。
ゴッホは青を常に求めていたのだと思う。第499信に、とても引かれる文章があった。
深い青の空には強いコバルト色の基本的な青よりももっと深い青の雲が飛散っていた、それから
もっと明るい蒼白い天の川のようなのも。青を背景にして星が明るく煌き、緑がかり、黄色に、白く、
かすかに紅く.....(引用)
青はすべての色を包み込む存在と日頃から思いながら、青の画面を描き続けている。ゴッホの書いた文章は
夜の地中海の海岸散歩の折のもの。やはり自然が様々なものを導いてくれる、と今また、教えられた。
それにしても文庫本の文字が小さくて読むのに、大変。持ち運びに便利で、リーズナブルで良かったのだけど。
「風』 OIL 2011 45.5×53.0cm