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Kazuko MISAWA World

三沢かずこの青の世界 ー 作品の周辺

サムホール

2015-08-25 08:33:33 | 作品

西脇市の岡之山美術館のサムホール大賞軌跡展が始まった。この展覧会は、岡之山美術館で1995年から続くサムホールの全国公募展の意義を検証

する主旨で開催されている。第一回展に応募して入選した。今回、私自身のサムホールの変遷を壁面で見たくて、1995年から2015年までのサム

ホール作品を15点出品した。最初の入選作は、狭い画面にコラージュあり、盛り上げあり、絵具も墨も使っている。さまざまなものを表出したと

いったところか。他の作品に比べてかなりにぎやか、浮いている感じが強い。外そうと何度も思ったが、これは、私自身の軌跡なので、15点のなか

に入れた。基調色はすべて青なので、それでくくればいいか。

サムホールは、22.7×15.8センチとかなり小さなサイズである。でも小さいからといって、速く描けるものではない。大画面とはまた違った難しさ

がある。自分よりもかなり小さな空間に、広い世界を表現するのは、一時的に、小さな自分になって、画面に入り込む必要がある。もちろん、気持

ちの上でのことだが。実際は、いろいろな要素を加え過ぎたり、色面を加え過ぎたりしてこの小さな画面と葛藤の連続だ。こんな小さな画面でも何

年もかかって完成させる。100号は、画面を充実させるのに大きなエネルギーがいるが、等身大の自分が入り込めるので、その分、自分が解放され

る。大きな画面でも、小さな画面でも、両方、充実したものを描ける作家でありたい。時間がかかるのは承知の上で。

 

       

       サムホール   2015 油彩

 

                       

 


高知の和紙と越前の和紙

2015-07-29 19:47:27 | 作品

越前の白麻紙を一昨日から使い始めた。海景といわれる細長い100号サイズにカットして使う。薄くて、きりっとした感触の和紙である。以前

は、この薄さに感覚が合わなくて、見本を取り寄せたものの購入はしなかった。薄さが頼りなくも感じた。結局、高知の麻紙のごつごつした厚

み感、素朴さに引かれて高知麻紙を30年近く使い続けてきた。基本的には、和紙をパネルに水張りして使用する。何回も絵具を重ねるので

肉厚感のある麻紙を好んで使ってきたのだと思う。今年の春のパリの個展の作品制作時に、紙のまま個展会場に吊るす必要性が出てきて、ごつ

ごつした和紙でなく、柔らかみのあるものを探した。京都で、運よく、この越前麻紙に出会い、使い始めた。

和紙に油絵なので、下地、絵具ののせ方、筆の運びまで工夫が必要で、一枚目ができたときは、これから先に、希望がもてたような気がした。

今回は、二作目である。二作目の油断(?)から、下地液が乾かないうちに、紙のシワを伸ばそうとして500円玉ぐらいの穴を開けてしまった

親指にべったりとちぎれた和紙が貼り付いた。あわてて、補修した。気分は、急降下。

まだ、2、3回、色をのせた状態だが、補修の部分は気にならず、描く前でよかったと胸を撫で下ろしている。和紙は、1000年もつといわれて

いるが、濡れた状態ほどもろいものはない。

明日もまた、越前白麻紙の作品に挑戦する。行けるところまで進めて、取りあえずの完成を目指そうと思う。また、手直しが長々と続くに違い

ないのだが。

 

  NATURE  (巡る) 91.0×72.7cm    2009   油彩  高知麻紙  

   イタリア FANGO美術館 太陽の島シチリアに於ける日本の芸術展出品  2013

 

             

 


ミニアチュール神戸展オープン

2015-07-25 16:26:46 | 作品

     

ミニアチュール 神戸展 出品 作品

 

     2015                       2013                                                         2012

 NATURE   2015-1    F3                         WORKS    2013-2   20.0×20.0cm                     WORKS  (空) 24.2×27.4cm

 

                                                                                                                                              

今日からギャラリー島田でのミニアチュール神戸展が始まった。今回で15回目の展覧会である。(8/5まで)

ギャラリーの決めたテーマで、新作で出品する。平面も立体も、油彩も日本画も、具象も抽象も....さまざまです。もちろん、年齢も。

私の場合も、2013年、2012年と振り返ってみると、やはり、青の色、さまざまだ。こういう機会にいろいろ挑戦しているのでしょう。


ミニアチュール神戸展

2015-07-21 17:48:16 | 作品

ギャラリー島田 第15回 ミニアチュール・神戸展 2015の搬入に行って来た。今年のテーマは『Why born』なぜ生まれてきたのか....重い

テーマだ。こうして毎年のテーマが決まっていると、個展ではできにくい挑戦ができる。昨年のテーマは、『Change』だった。いつも青の

絵を描く私が赤の絵を出品した。何人かの人から、青をやめたのですか?と聞かれた。いえ、テーマがchangeですから、と軽く答えた。赤の

絵の下には、青の色の絵がある。最終的に仕上げる色調によって『赤』の絵になる。赤も青からつくっている。変化というテーマでこんな出品

ができてよかったと思っている。

なぜ自分は生まれてきたのか....深い世界。ただ、こうしてご縁をいただき、作品を制作して発表できるということに、大きなしあわせとやすら

ぎを感じていることは確かだ。描き続けて、見えてくるものを大切にしたいと思う。

今年のミニアチュール展に、以前、自分のテーマだった『NATURE』が復活した。常に、私は、無限である自然に魅かれ続けているのかもしれ

ない。赤でない青の絵を出品します!   ☆ミニアチュール神戸展 2015  7/25-8/5   神戸 ギャラリー島田  約152名の作家が出品

 

    15.8×22.7cm   WORKS (陽) 2014    油彩

 

         

 

 


エネルギーのある作品でありたい

2015-07-11 22:19:27 | 作品

家族の入院で病院に通う生活が続いている。病院は、その中にいるときは、気を張っているのか、意外に疲れないのだが、一歩外に出たらどっと

疲れが出る。さっきまでは、結構自分の体力の量に驚いていたのだが。それが、息切れがして、足もふらつく。蒸し暑さのせいだろうか、もう

歩くのもきつくなっている。期日が残り少なくなった展覧会に行く予定を組んでいるのに、何とか自分を元気づけなくてはならない。三宮駅前の

ティールームに空いた席を見つけ、ロイヤルミルクティと焼き菓子を頼んだ。今日は食事の他に、何杯かのコーヒー、バナナ、どら焼きも食べた

のだけど、それは体を動かすためのエネルギー源なのだから、と自分に承知させた。甘さのあるロイヤルミルクティは少し元気をくれたみたいだ

席を立って気合を入れた。地下鉄に乗り、元町の山手にあるギャラリーに行くことができた。

繊細な針金で作った四角い箱状の造形に直径1センチぐらいの透明感のあるスパンコールが吊るしてある。外からの風や、扇風機からの風にその

スパンコールがキラキラと揺れる。数えきれないほど多くのスパンコールはいっせいに涼やかな舞いを見せる。ぼうっとながめた。何かを考える

ことなく、ただただ、ぼうっと見続けた。1年をかけたという時間の厚み、を。

帰り、元町駅までの道のりが短く感じられた。病院で使ったエネルギーが戻ってきている。びっくりするほど元気が出ている。造形作品のもつ

力だ。嬉しくなって作家の中村昌子さんに気持ちを伝えたかった。でも住所を知らない。そうだ、ブログに書こうと思った。

作品に最も必要なもの、やはり、エネルギーだ。大切なエネルギーをいただいたのだから、この次は私の個展でお返ししなくては。

         ☆ 中村昌子 展   wire beads breeze     2015.7/4(土)-12(日) ギャラリーAO   TEL/FAX     078-341-5399

 

                       フォト  2014