国税庁が毎年『酒のしおり』という統計資料を公開している。今年3月に公表された最新統計は24年度だけど、その中で「13. 成人一人当たりの酒類販売(消費)数量表(都道府県別)」には、地方の特色が現れていて興味深い。
岡山が属する広島国税局管内でも特色がある。成人一人当たりの清酒の消費量の多い県から、島根県8.3リットル、鳥取県7.3l、広島県5.6l、山口県5.5lと続き、僕の住む岡山県は最下位の5.4l。岡山には酒蔵も多く、酒どころだと思っていたけど、消費に関する限りそれほどでもなさそう。
それでは成人一人当たり清酒の最大消費はというと新潟県。その量、14.6リットルと飛び抜けている。次いで秋田県9.7l、山形県8.7l。このあたりは順当なランキングかなあ。
清酒の消費が少ない県は熊本・福岡管内の九州勢だ。国内で清酒の成人一人当たり消費の一番少ない県は鹿児島県で、わずか1.2リットル。鹿児島のお店で酒ちょうだいっていうと焼酎が出てくるという冗談のような話は統計資料を見る限り真実味がある。清酒より焼酎なのだ。
ビールは東京都42.8lがトップ、続いて大阪府31.2lは分かるとして、意外なのが新潟県31.1lだ。新潟は日本酒もビールもよく飲む「のんべえ」が多いのだろう。
酒類トータル量でみると、最大は東京都で109.8リットル。お上りさんが東京出張でたくさん呑んで帰るので一人当たりの消費量が多くなるから理解できる。次いで新潟県98.5l、大阪府97.8lを抑えて堂々の2位。4位は高知県96.9l。どうやら新潟と高知の人はとにかく何でもよく飲むようだ。
広島管内で見ると、トップは広島県83.7lで、岡山は最小の69.2l。岡山県民はお酒をあまり飲まないみたい。喜ぶべきか悲しむべきか。
熱燗が美味しい季節になった。今はまだ朝6時。今週末の夜は、お固い国税局の『酒のしおり』を眺めながら盃を手に全国を逍遥したい。