河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

ばけもの好む中将12

2024-08-28 22:35:54 | 読書(小説)

瀬川貴次、集英社文庫。
狙われた姉たち。
平安冒険譚シリーズなんて名前あったんだ。
12冊目だよ、でもまだまだ続くよ。
今回は、すんごいところで続き、だった。
次は早々間を空けずに続きが出そうだ。
巻頭に、十二人の姉の解説があるのはちょっと嬉しい。

宗孝は、宣能にちょっと嫌われちゃって、
ばけもののでる屋敷を探してみたり、
色々画策するけど空回り。
走行するうち、多情丸が宗孝の姉を狙い始める。
面長と丸顔って緊張感のかけらもない手下二人だが、
流石にラストは、ちょっと待って?って感じだ。
やっと宣能に「友達」の棚ができたようで。
よかったね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鵼(ぬえ)の碑(いしぶみ)

2024-08-25 20:52:16 | 読書(小説)

京極夏彦、講談社ノベルズ。
帯を見ると、予告から17年とな。
百鬼夜行シリーズ、となってるけど、
時々短編集が挟むから、全部読んでるのかちょっと不明瞭。
図書館で借りてくるだけだし、記憶は定かではないし、
だからと言って、この分厚いものどもを読み直すかってえと。。。
で、久しぶりに読むけど、関口や榎木津、木場、益田などは、
ああ、こんなやつだったなあと。
そして、さらに、「鵼」=頭が猿、体が狸、手足は虎、尾は蛇のキメラ、
がテーマで、話も、5つの視点から同時並行で語られる。
殺人の記憶を持つメイドを心配する劇作家久住、
戦前に起きた消えた3つの死体の案件を追う木場、
日光で経の調査をする中禅寺、
失踪した男の捜索を頼まれた益田、
大叔父の遺した診療所を片付けにきた緑川。
そこに、関わる人があっちにこっちに出てきて、まるで、鵼。
そして最後は、いつもの「憑き物落とし」。
まあ、広げた風呂敷の中身は少々肩透かしだけど、
読んでる間は手に汗握るスリリングさはあるな。

しかし、書架弔堂を読んだばっかりだったから、
どっちがどっちの副産物なんだろう、とか。
まあ、構想17年だからな。
弔堂って師匠なのかなー。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

流転の中将

2024-08-21 22:05:27 | 読書(小説)
奥山景布子(きょうこ)、PHP文芸文庫。
最後の桑名藩主、松平定敬(さだあき、でちゃんと変換するんだ…)の物語、
っていうんで、地味に桑名は近所なのに知らないなあと、読んでみることにした。
なんかなあ、殿様、時代に翻弄されて、ちょっと哀れだ。
幕末、徳川家に尽くそうと、大阪から逃げる慶喜について行ったのに遠ざけられ、
地元では官軍に逆らえず定敬を藩主から外してしまうので、戻れなくなってしまう。
しかし、官軍に恭順することに反対の臣下が江戸に向かい、定敬を担ぎ出す。
そして、北へ、新潟、会津、箱館、果ては上海へ。
桑名藩に残った側の酒井孫八郎がもう一方の語り手で、恭順してもらうため定敬を追う。
定敬自身は、新しい物好きで音楽好きで、自分の頭で考えて結論を出そうとするのだが。
自由な世の中だったらよかったのにねえ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

芙蓉千里

2024-08-14 22:50:07 | 読書(小説)
須賀しのぶ、角川書店。
以前に文庫でこれが全4冊で売ってた時、
ちょっと気になったんだが、
少女漫画とかでこういう大河っぽいのあるよなーって
素通りした記憶がある。
今になって、これ、この作者のだったか。って感じだ。
この主人公の奔放さは、流血女神伝のカリエとどこか通じる。
少女小説で、男親の違う子を3組産むヒロインって。
と衝撃だったが、この作品もまあまあすごい。
12で父親に捨てられ一人になった少女が、
外国(哈爾濱)の女郎部屋に売り込む人買いに自分を売り込み、
大陸一の女郎になる!と意気込むって。
しかし、ラスト、絶対馬賊になると思ったのに、違ってた。
でもきっとそうなる。
文庫は4冊だったが、図書館には3冊。何が違うんやろー。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

目の前の神様2

2024-08-06 21:45:39 | 読書(マンガ)
これもまた、意外と闇の深い話。
ちょっと自分の将棋をさせるようになってきた大刀。
しかし次の相手は、ベテラン棋士、しかも最後の勝負。
その次は竜王戦、自分はサクッと敗退して、
竜王と上様の解説役。しかも高天名人と。
大刀や他の天才たちの見せる狂気の描き方が独特で
ちょっとカッコいい。
特に上様放心状態で中身棋譜とか。
そのくせ突然脳内大刀会議(全員大刀)とか始めるから、
好きだ、この漫画。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする