河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

血食(けっしょく)

2008-03-30 23:15:25 | 読書(小説)
物集高音、講談社。
デビュー作らしい。
昭和初期の情景が、細かに描かれている。
ほんとに、戦後、日本は日本であることをやめてしまったんだなあ。
名字や家紋を見れば、出身地が分かる。先祖が分かる。
そんな時代の物語。
語り部は、物集高音。友人の探偵忌部につきあって、
ある外科医の父親の系譜をたどる旅に出る。
ノルマントン号の生き残りだの、諏訪社だの、
戦前の常識がてんこ盛り。断片では知っていた知識が、
ここでは、なめらかに、生きている。
・・・売れなさそうな本だよなあ。
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ダージリン急行

2008-03-27 00:11:44 | 映画
アメリカ映画なのに面白かった。
あんまり仲の良くない3兄弟。
父が死んで1年後、長兄の命令で、フランシス、ピーター、ジャックの3兄弟が
インドを走るダージリン急行に集合。
重々しく、これからスピリチュアルな旅をするんだ、と長兄。
インドの人々に振り回されるほど柔じゃない。
周囲の人を振り回して振り回されて、急行からは追い出されて、
ふとしたことで子どもの死に出会った3人は、いったん目的をあきらめて
帰るかに見えたが・・・
とぼけた雰囲気がいい。インドらしい光景なのに、
珍しい風景、ではなく、迷い込んだ人々として、うまく描いている。
ホテルシュバリエ(だったっけ)という短編が事前に上映されて、
むっつり末弟ジャックが、どんな女性から逃げているか、
なぜあのローブを着ているのか、最後に読み上げる小説のラストは、とか
たぶん見ると見ないとじゃ大違いな気がする。
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イヌネコにしか心を開けない人たち

2008-03-23 22:47:54 | 読書(その他)
香山リカ、幻冬舎新書。
「ペット依存の心理を大解剖!」と帯にあるが、
大解剖までは行ってないんじゃないか。
しかし、危険な領域に、石を投げ込んだ、という意味で評価できる。
「動物愛護=いいこと」でいいのか?
人間は、社会を形成して生きているから、
動物だけ切り離して考えることは出来ない。
心の隙間を埋めるのが、たまたま、動物だっただけ。
それがエスカレートしたときに、薬物は止められるが、
動物は止めることが出来ない。
愛護活動家には耳が痛い話かも。
どっかの団体Aの書評で見たけど、それだけじゃないもん!と不満そうだった。
でもまあ、愛護団体が読んだだけ偉いと思うな。
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ZOO KEEPER 5

2008-03-23 22:39:53 | 読書(マンガ)
5巻。
動物園の内部のお話だったのが、
動物園の話と、人間世界がリンクするような話が2つ、続いていた。
主人公の能力は、ほんと、味付けだけで、主役にならないのが、
いいところ、かな。
あんまり続くのは好きじゃないので、
このお話の先が、どこへ行くのか気になる。
今のところ、滔々と日常が描かれていて、
(だから地味なのか)
人生にクライマックスなんてないように、
このお話にもクライマックスなんてものは、
ないようにみえる。
終わるとしたら、これからも、コマ動物園は続いていくのである・・・かな。
いきなりの閉園!なんてネタにならない限り。
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ブランコ1・2

2008-03-17 21:52:36 | 読書(マンガ)
ウィスット・ポンニミット。
雑誌のIKKIで連載中。
時間軸が揺れてるし、主人公たち(ブランコとペア)も、
パラレルワールドみたいに何通りもいるみたいだ。
でも、雰囲気は同じ。
母が行方不明になり、父がその後を追って、置いてかれた少女ブランコ。
ちょっともの悲しい雰囲気。
人の痛みを自分に受け取って、別の物にうつす能力があったり、
人生の暗い面を、のほほんとした絵の雰囲気とストーリーで癒している。
先は、全く読めないな・・・
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