河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

虹いろ図書館のかいじゅうたち

2024-09-26 23:33:57 | 読書(小説)

櫻井とりお、河出書房新社。
シリーズ3冊目。
1冊目のへびおとこの姉妹編みたいな話。
ほのかをいじめたかおり姫はどうなったのか。
もちろん、1冊目を読んでるから、
ほのかはもう出てこないのはわかってる。
タイトルの「かいじゅうたち」は、
かおりやケンちゃんや、みんなのお腹にいる魔物。

この人の本は、毎回、子供目線で、見えないものは語ってくれないので、
今回出てきたケンちゃんが、何者なのか、最後まで読まないとわかんない
ってことは分かってるので、ちゃっちゃと読んでしまった。
ちょっと不自然さがないこともないけど、まあよし。
残念ながら、いじめっ子とかは本は読まないやつが多いだろうから、
このメッセージ、伝えたい人に伝わるのかどうか。
次巻のタイトルを見るに、犬上さん(とうとう漢字出てきた)が主役かな。
あと、いつも最後にカラーのイラストが入るのだが、
今回のチューリップ畑は、読み終わってから見ると、なんか嬉しくなった。

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うたかたエマノン

2024-09-25 23:21:59 | 読書(小説)

梶尾真治、徳間文庫。
すっかり積読だった。
既刊6冊のうち、5冊目。
初の長編。
いつになく、状況描写ばかりで、
エマノンはほとんど語らない。
むしろ忘れたかったという。
カリブ海のマルティニーク島を訪れたエマノン。
島の少年ジャンと、ゴーギャンとラフカディオ・ハーンと共に、
40年前に訪れた際に失くした記憶を求めて、
島の奥部のペレー山を目指す。

どこまで史実を使ってんのか、
ゴーギャンは知ってるけど、ハーンは知らんかった。
機会があったら巻末に載ってるハーンの本、読んで見たいな。

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北の舞姫

2024-09-22 19:33:48 | 読書(小説)

須賀しのぶ、角川書店。
芙蓉千里II。
1冊目の「芙蓉千里」で思った、
こいつ、ここで終わるなんておかしい、
という、フミが、やっぱりそうなるか、
というところへいくまでが丁寧に描かれて、
次巻へ続く、としか思えないところで着地。
色々起こるけど、全ては3冊目へのつなぎのような1冊。
ウメさん時々超常的だったがここまでとは。
しかし、フミは、エネルギッシュでみてて飽きないけど、
好きか嫌いかというとそんな好きなやつではないなあ。
流血女神伝のカリエはなんか妙な愛嬌があったが。
しかし、少女小説の延長で、女の人がここまで、
芸妓の人生を擁護というか否定せずに書くのって、すごい気がする。
時代的にはそれしかなかったのだろうけど。

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波の鼓動と風の歌

2024-09-18 20:49:56 | 読書(小説)

佐藤さくら、集英社文庫。
異世界流離譚。
引っ込み思案の女子高生ナギは、
遠足でやってきた先の湖に転落して、
気づくと、人と獣が混じった「まじりもの」の姿で
異世界に来ていた。
人として扱われず、奴隷として労働に駆り出されていたが、
暴動が起き、サージェという紺碧の瞳を持つ少年に助け出される。
陸地が、王柱と呼ばれる柱で支えられ、崖下は星の海という世界。
サージェは「聖王」の生まれ変わりだとして都を目指すが。

王柱は、文字通り、王が身を捧げてできるという。
この先どうなるんだろう、ナギは帰れるのか、帰る気あるのか?
というあたりは一通り解決を見るが、
結構なオープニングとも言える。同級生のありさはどうなった。
しかし、帯には「令和の「ナルニア国物語」」とか、
解説には「「十二国記」を思い出す」とか、ひどすぎんか。
結構オリジナリティあって面白いのに。
ちょっとひかわ玲子の「九大陸物語」を思い出したけど。

相変わらずこの作者は愛すべきダメ人間を描くのがうまいけど、
いつになくかっこいい王様が出てきたな。

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虹いろ図書館のひなとゆん

2024-09-14 23:48:44 | 読書(小説)

櫻井とりお、河出書房新社。
1作目のへびおとこが面白かったので、図書館で借りてきたよ。
この先の順番がいまいち分からんけど、
時系列は、1作目の人々全員出てきたから、
順番に読んだ方がおもしろうそうだね。
出てくる本もいっぱいあって、知らんのも多いからちょっと気になる。
今度の主人公は、腎臓病で入院してたせいでクラスに
溶け込めてない四年生のひな子。
給食も食べられないし、体育もできないから、午前だけで帰る毎日。
そんな時に、ゆんという少女に出会った。
褐色のチリチリパーマの子。
繁華街に行きつけのお店があったり、
両親のことを、キングとクイーンと呼んだり、
いろんな国に行ったお話をしてくれたり。
なかなかグローバルな話ではあったな。
ひなも、行きつけの図書館を紹介して、
へびおとこ、ことイヌガミさんたちと図書館を楽しむのだが。

残念なことに、私は大人なもので、ゆんの正体とか気になって仕方ない。
しかしこのシリーズ、前作もそうだったけど、徹頭徹尾、子供目線。
ひなはイヌガミさんの容姿を気にしないから、ゆんのことも気にならない。
そういう目線で最後まで語り切るのは、なかなか潔いことであるな。
イヌガミさんの子どもたちの扱いがとても素敵です。
なんのかんの面白かったので、また続き借りてこよう。

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