こうしてイギリスから熊がいなくなりました

ミック・ジャクソン、創元推理文庫。
いつも思うが、ファンタジーも推理文庫だねえ。
イギリスには、熊はいない。
すでに11世紀に絶滅しているという。
そんなイギリスでは、熊は悪魔の使い。
精霊のようで、人知れず地下で、サーカスで、下水で、
人間の穢れを喰らう仕事をしていたりする。
不思議なファンタジー。
挿絵もいっぱい。

夏休みの空欄探し

似鳥鶏、ポプラ文庫。
おまけの短編前後編も見てきた。
クイズ研究会（会員２名）の部長の成田頼伸（ライ）が
夏休みに出会った美人姉妹、立原雨音（あまね）と七輝（ななき）。
成り行きで、同級生の上位カースト？の成田清春（キヨ）と四人で、
姉妹が取り組んでいた謎解きを手伝うことになった。
謎を追って、関東圏を千葉や葛西、伊豆大島、ディズニーランドへ。
（伊豆大島へ行くのに彼らが乗ってたやつ、こないだ操縦不能になって曳航されてたやつだ。。。）
姉妹には何やら秘密があるようで。
マイナス思考で友達も少ないライが、クラスの人気者キヨと仲良くなって、
姉妹（特に妹）とも交流を深めていくあたりは、ジュブナイル。
とりあえず、寂しいラストにならず、200日はなかなか到達しなさそうなところで終わった。
しかし、雨音が徐々に似鳥節全開にいくのが、何というか想定内。

ウォーシップ・ガール

ガレス・L・パウエル、創元SF文庫。
積読本の1冊。
帯には「ぼくはミサイルの姿をした十四歳の少女だった。」
そんなセリフなかったし、ミサイルじゃなくて軍艦だし？
まあいいけど、この惹起文を見て思い出したのは、漫画「菫画報」。
「京子は一つの爆弾であった」的な文章から始まる小説を書く女子が出てきた一話。
なんてとんでもない文章かと当時（20年以上前）には思ったもんだが、
AIが普及してきた今、戦艦に搭載されたAIが中性的な女の子
（ディスプレイとかに出てくる）という設定もそんな無茶苦茶じゃない。
彼女＜トラブル・ドッグ＞という名の宇宙船の艦長サリー・コンスタンツは
墜落した船の人命救助に向かうのだが、船は自殺した痕跡が。
さらに撃墜された船には、女性詩人スダクが乗っていて、
彼女を追うように命じられた諜報部員チャイルドと、
＜トラブル・ドッグ＞の機関士で手足がいっぱいあるドラフ族のノッドと
様々な視点から、その後彼らが巻き込まれる事件が語られていく。

お話自体は面白いのに。
なんでノッド視点？と思ったら、そうきたか！てな展開。
ただ、翻訳が直訳ぽすぎるのか、さっぱり状況がわからん。
三部作の1冊目なのに、続きは出なかった模様。残念。

小犬のこいぬ3／貼りまわれ！こいぬ1〜5

結局全部読んだ。
どっちかってえとカラーの「小犬のこいぬ」のがシュールで好きだが、
貼り回る方は働くものの悲哀とか時々いろいろ深いのがいい。
しかし、大判本も9冊になるととても体積がある。。。
実は「貼りまわれ！」は1巻が新装版ってのがあって何が違うのか気になって
結局両方ある。カバーの絵が違って、漫画が１本２ページだけ多かった。
カバーの絵の違いって、旧版１〜５は背景の犬たちの手前にいるキャラだけ
シールだったのが、新装版は、背景画シールで手前のキャラはシールじゃない。
脚注部分にパラパラ漫画が全巻ついてたり、細かいね、この人。

陰陽師の呪い

久真瀬敏也、宝島社文庫。
桜咲准教授の災害伝承講義4冊目。
もういいかな、と思った矢先にまた最新刊が出てたので
手を出してしまった。

多分私は、妖怪が出てこない妖怪話が好きなんだろうなあ。
というようなざしきわらしの話や呪い人形の話など。
人がしゃべくるだけでほぼ終わるのでちょっと山場にはかけるが、
コナンじゃあるまいし、リアルといえばリアル。
でも椎名姉さんはリアルにはいないと思う。。。