河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

犬はどこだ

2006-11-30 20:48:35 | 読書(小説)
米澤穂信。東京創元社。
東京での生活に挫折した男・紺屋が、犬探しを主に手がける探偵に、
なるつもりだった。というあらすじをちょっぴりはき違え、
動物ものになるのかとちょっと楽しみにしてたら裏切られた。
ほんとにタイトルどおり。犬はどこだ。
野犬が出てきたけど、保健所は、素人に野犬を捕まえさせたりしないぞ!
犬探しの探偵のつもりが、手違いで、人捜しだの古文書の謎を解けだの
押しかけ助手の後輩だの、紺屋青年の思わぬ方向へ話が広がって・・・
落ちも、うひー・・・っというようなのでした。
推理小説としては、先は読めないので、いいのではないでしょうか。
でもあんまり登場人物たちには、なじめなかったな。
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天涯6

2006-11-28 21:52:06 | 読書(その他)
沢木耕太郎、集英社文庫。
5巻は、懐かしの猿岩石の悪口が出てきてちょっと閉口した。
6巻は、この間コヨーテで読んだばかりのエッセイが載っていて、
ちょっと肩すかし。
まあ、コヨーテもスイッチパブリッシングだし。
たまたま、この雑誌を買ってしまったせいでもあるが。
色合いが、おもしろいので、ピンぼけもへいちゃら。
被写体の切り取り具合で、やたらにスタイリッシュな作品になったり、
写真、という技術について、勉強になる。
エッセイは、私も、旅では食うより見る派だから、うんうん、と読んだ。
・・・旅に、出たいなあ。
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松浦武四郎と江戸の百名山

2006-11-25 20:58:38 | 読書(その他)
平凡社新書。
松浦武四郎記念館(三重県松阪市)で勉強会に参加しちゃってから
この変なおっさんのことをもうちょっと知りたくなった。
26歳の時に蝦夷地に行ってきまーすと行くのかと思いきや、
行く道行く道で有名な山に登りまくって、出発した年には
蝦夷地にたどり着けなかったという。(山に登ってたせいではないが)
この本は、蝦夷地探検の話は脇においといて、山に登った記録をほじくり返している。
でもなんだか、書き手の思いこみというか、思いが強いのか、
きっと登ったに違いないとか、登りたかったが眺めるだけにしたのだろうとか
憶測が多いような気がした。
私が理系だからか、人文系のこういう著作ってなんだかなあと思う。
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奇跡も語るものがいなければ

2006-11-24 22:26:42 | 読書(小説)
ジョン・マクレガー。新潮クレストブックス。
最近海外小説ばかり。高校生の頃から海外文学一筋だったなー。
一時日本文学も読むようになったけど、結局戻ってきた。
この小説は、かなり斬新な語り口。
歌うような、言葉がつらなり、言い換えて繰り返すことで頭に映像が焼き付くような、
不思議な感覚。単純な言い回しで、日常の情景を伝えていく。
3年前の夏が終わる日、その街で、なにか悲しい出来事が起こる。
3年後、22番地の少女が、妊娠してしまってうろたえている。
2つの出来事が交互に語られる。
丁寧に、夏の1日が、細かい細かいところまで描き出される。
そうすることで、この本のテーマの一つ「毎日が、小さな奇跡の連続」というようなことが表される。
表題は、妻を火事でなくした火傷のある父親が、娘に向かっていう言葉。
「この世界はとても大きくて、気をつけていないと気づかずに終わってしまうものが、
たくさん、たくさんある」。
だから、ちいさな、日常のちょっとした一こまを、作者は、丁寧に丁寧に描く。
その事件だけが、この一日のすべてではない。
18番地の少年にとっては、人生の転機になり、
老夫婦にとっては、結婚記念日で、車を購入した男の子には悪夢の日で、、、
ファンタジーのようでいて、とても現実味があって、怖い。
それ以外に、「双子」「名前」がキーになっている。
最初は読みにくいと思ったけど、続きが気になって、その節回しが心地よくなってきた。
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エアボーン

2006-11-22 19:27:51 | 読書(小説)
ケネス・オッペル。小学館。
わくわくどきどきの冒険物語。
飛行機の代わりに飛行船が主流の
19世紀風のパラレルワールドのような世界。
縫帆手を目指す(今はキャビンボーイ)マット・クルーズ少年が見つけた
壊れた気球に乗っていた老人は、美しい何かを見た、と言い残し息絶える。
一年後、老人の孫娘、ケイト・デヴリースが乗り込み、
幻の空飛ぶほ乳類をさがす旅が、図らずも始まった。
空賊にでくわし、島に不時着。雲猫(クラウド・キャット)に出会ったが・・・
かなりおもしろがって読んでた。私も子どもだなあ。
なんとなく、田中芳樹のアップフェルラント物語っぽい。
ブルース・ルナルディの扱いが、すべてにおいて予想を裏切られた。
いい意味で。彼の存在が、この物語に深みを与えてくれている。
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