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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

日本近代化の要因(2回シリーズ)その1

2013年09月29日 00時00分01秒 | 紹介

 この随想は母方の伯父にあたり、すでに他界しているが、戦前・戦後の動乱期を生きた文部官僚が残した文章を紹介している。既に何編かをこのブログに掲載してきている。
読者の方はどのように評価されるのか不明であるが、同種の課題が、温故知新の参考になれば幸いである。


 ようやく蕾のふくらみ始めた桜の樹下を、合格の喜びと希望に顔を輝かせながら、若人の群れが学園にあふれる。時々冷たい北風が火照った顔を横切る。その中に、期待と不安におののく瞳がある。新入学生の中の外国人留学生である。日本人学生にとっても初めての父母の許を離れての勉学に多少の不安はあるが、言葉や習慣の違う異国で勉学する留学生諸君にとっては、より以上の圧力がかかっていることは間違いない。

 現在、我が国には5,760人の外国人留学生が滞在している。そのうち76.3%はアジア諸国からの留学生である。10年ほど前、京都大学東南アジアセンターの森口教授が日本留学の動機について調べたところ、
1 日本が近代化のモデルであること
2 科学技術が優秀であること
3 欧米よりも近距離にあり、同じアジア人として人種的・文化的近親感があること
4 国費留学制度があること
5 日本留学によって、帰国後将来性がある
等が上位を占めた。

 確かに、日本は明治維新を契機として近代化に踏み切り、僅か100年の間に先進国と肩を並べるまでに発展した。しかし、その近代化の要因をつきとめなければ、近代化のモデルにはならない。その要因としては、政治・経済・社会並びに学術上、西欧先進諸国の文物制度を採り入れ、富国強兵をスローガンとして、官民一致協力したことなどが挙げられよう。
 その間、富国強兵を強調するあまり、無謀な戦争に突入し、惨めな敗北を喫したことは周知の事実である。しかし、敗戦後30年を経ずして、再び経済大国となった。この要因は何であったか。自分は、第一に教育制度の普及を挙げたい。(次回へ続きます)