鳥!連続写真!掲載中!

近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

建設業界の末路

2015年11月30日 00時00分01秒 | 提言

  大手企業に波及した建設基礎工事のデータの改ざん問題は、止まるところを知らず、業界全体が消費者に対して信頼関係を失墜させたばかりではなく、企業やグループ全体が加担し、手を染めていたとなるともはや救いようがない段階へきてしまったようで、どのような改善策なり、法規制が必要なのか、2020年のオリンピックを控え、関係者の知恵が試される番である。

 

 日経新聞のコラムに、パンドラの箱が開かれてしまったとの記述は、打開策がないようなイメージを引き起こす。安易な提言は読者に対し、かえって混乱させることもあり、無責任な発言と思って、内容を熟読したが、どうもしっくりいかない。検査強化はジレンマであるともかかれてあった。

 

 編集委員としての意見で、新聞社の看板を背負っているとは思えないが、論理は完全にすり替えられてしまっている。簡単に要約すると、検査を強化すれば、検査員が必要となり、事務処理が増え、工期が延びる。それは購入者への負担を強いることになり、得策ではないとしている。丁度十年前に一級建築士が手がけた耐震強度偽装事件の問題を引き合いに出し、住宅着工が落ち込んだことを強調している。結論は、建設工事の管理体制を強化し、現実的で効果的な方法を探るしかないと宣っている。

 

 一流新聞であるため、多くの読者の目に触れる記事であるが、読まれた方の感想をお聞きしたいところである。提言にもなっていないような記事を書く必要はないと自分は思うのであるが、如何なものであろうか。事件が起こった後の後出しじゃんけん的な、俄(にわか)解説者が多いことは昨今のTVにおける報道番組に共通していえることで、いい加減に止めてもらいたい。センセイショナルな発言で何が解決できるというのか、もっと基本的なスタンスにたった考察なり、提言を行ってほしいと願うところである。

 

 安全性の追求は同様なデータ改ざん等の不祥事を未然に防止することであり、そのために必要な法整備や、法の遵守は、法治国家である以上当然であり、罪は罪として認め、再発を防ぐことにある。今回の問題では幸い、死傷者を出すことはなかったのであるが、管理及び検査体制を放置した企業倫理にこそ焦点を当てるべきで、ジレンマではないことは言わずもがなである。パンドラの箱のたとえは承服できないし、一流新聞社の名誉にかけても、むやみに不安をあおる記事の自粛に努めてもらいたい。


郊外型ホームセンターの効用

2015年11月29日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 

 車社会が絶頂だったときには、ホームセンターの役割はさほど重要視されていなかった。取り扱うことが出来る商品の数量は売り場面積、従業員数、設置環境(利便性、駐車場の有無、広さ、開店時間と閉店時間、利用する年代層等によって、一定の購買・来店利用範囲があるため、店舗の売上高が左右する。設置前にはニーズ調査が必要となるのは、このような因子の分析がなければ開店まで行かずに、他の地域を物色するか、条件次第では断念することが賢明といえる。

 

 価格の水準は、安いことが消費者にとっては好ましいことではあるが、商品の豊富さ、店員教育、自宅からの距離、等によって、購入意欲がわくかどうか等の多くの条件が継続する必要がある。最近訪れたホームセンターは、車で10分足らずの所にあり、園芸資材・用品等を購入するのに利用している。店舗の大きさに比べ、従業員が少ないように見えるが、平日でも混雑している。プロの専門職の方が利用するところを見ると、価格もさほど高いわけではなく、利用し易さがあるようだ。

 

 冬場には灯油販売が行われる。年中行っているのであろうが、今年は価格が安くなっているようで、灯油容器を持参する多くの消費者で賑わっていた。食品から犬猫の餌まで、ほとんどの商品が一箇所で間に合う。以前は、多くの商店が乱立していたが、櫛の歯が抜け落ちるように、地域の雑貨商店は店を閉じて、ほとんど見かけなくなった。消費者の購買動向が郊外型ホームセンターを求めたからか、人気を博してきた。しかし、最近の状況はいまいち活気がないことで、高齢者の多いところは変化がないが、若者の姿を見ることがなくなった。

 

 勝手に若者の車離れの影響かと決め込んでいるが、高齢者であっても車運転には限界があり、通販の便利さ移行している可能性もある。便利な一面は否定できないし、重宝しているが、このままではいずれ、雑貨屋がたどった道をたどるような気がする。消費者と店側の商品を通じての会話が全くないのも気に掛かるところである。店員が付き添い、強引な販売も煩わしいが、全くない世界もまた購入意欲を減退させる。買い物をすることには、物の売り買いだけではなく、品物の選択や、利用方法客が望む会話が必要なのであろう。

 

 消費者は本来わがままであり、適度な関わり合いを求めているのである。ジングルベルのバックグラウンドミュージックも、寒空を連想するだけで、雑音に聞こえるようであれば、消費の持つ楽しみが知らず知らず、欠落してきて、無味乾燥な世界となっていることの問題かも知れない。


市民アカデェミー15後期映像・メディア第7回

2015年11月28日 00時00分01秒 | 日記

平成27年11月27日

 林講師による2回目の講義で、NHKスペシャル番組脳と心の継続で、テーマは「秘められた復元力~発達と再生」であった。ビデオの上映を行いながら、ポイントとなる部分については、講師から具体的な事例と突っ込んだ話が行われた。内容は、植物人間や脳死寸前の患者が鬼籍の生還を果たす場合がある。その秘密を脳科学で探るものであった。

 

 脳死についての質問があった。我が国の脳死に限っていえば、脳死と判定されれば、これは生還することはない、しかし判定基準は国によって異なるため、外国の例では生還した者もいる。外国の判定基準を見ないと何ともいえないとのことであった。我が国の脳死判定基準は厳しいものである。

 

 ただし、事故等で、脳が損傷した場合、直ちに体温を冷やすことによって脳の構成する細胞の死滅を防止することが出来る。その理由は脳に送られる血液が不足すると脳が酸欠状態となり、細胞が死滅する。低温に保つと脳細胞が不活性化するため死滅を遅らせることが出来る。ちなみに、体重の2%が血液であるが、脳はそのうちの20%を必要としているそうである。

 

 脳の損傷が軽度であれば、死滅した細胞を体内機能によって再生される興味深い事例が紹介された。脳梗塞や、様々な機能不全では、死滅した細胞を免疫細胞であるマクロファージが取り除き、これでだめならB細胞、T細胞によって取り除き、空いた場所に新たな脳のネットワークが構築される。脳は右脳と左脳とがあるが、どちらか一方を切除しても、片側の脳だけで、時間は掛かるが、脳機能を再生することが出来る。

 

 そのメカニズムについても解説があった。多くの動物実験でも立証されていて、古い脳(脳幹)が出す電気信号と類似する物理的な処理によって、体内物質であるノルアドレナリンによる放出が、脳のニューロン(神経細胞)及び軸索(経路をつなぐ触手)を正しく構築しているとのことであった。

 

 私論と断った上での話であったが、左脳と右脳及び脳幹とのバランスを欠いた若者が増えていることに関し、感情を司る脳幹周りの大脳辺縁系の鍛え方が悪いことで起こるという。大脳辺縁系が果たす役割は大変興味深い話であった。最近の脳科学の進歩は著しいものがあり、脳障害を決して諦めないことが大切であるという結論であった。


野鳥の生態

2015年11月27日 00時00分01秒 | 緑陰随想

  野鳥サロンで講師の話からご紹介したい。繁殖時期になるとコサギや大サギの目元や足先の色彩が変化するのであるが、併せて、飾り羽根が伸びて美しいレース状になる。ダイサギの目元はブルーに変わる。コサギの足は黄色から赤色に変わる。サケやウグイ類も同様に鮮やかな色になるのであるが、雄が雌に対するアピールと考えられる。この色彩の変化は、年齢が増すにつれてより鮮やかになり、映えるという。

 

 さらに、野鳥の種類によって異なるのであるが、この色彩の変化が絶頂に達すると死期が近くなり、もっとも美しい状態を経て死亡するようである。普通、動物は雌の方が長命であるのに対し、雄が長生きするといわれている。人間世界では女性が男性より長命であるのは承知の事実である。野鳥の色彩が濃くなるのは成鳥となって年を重ねた証でもある。

 

 ほとんどの野鳥は雄と雌の大きさや羽の色が異なる。雄の方が色彩豊かであるが、体長は雄雌同じか、雌の方が大きい。派手な色彩は、雌へのアピールであり、繁殖のための選択権は雌にあるようで、ニューギニアにいる美しい野鳥(フウチョウ類・極楽鳥等)のパフォーマンスを行う様子をテレビ取材で見たことがあるが、明らかに上手に演じる雄が雌にもてるようであった。また、若鳥は師匠の野鳥に実演を学ぶようで訓練してパフォーマンスが上達する。

 

 雌が雄に比べて色彩が目立たないのは、子育てに関係しているのであろう。保護色に近いこともそれが優位に遺伝してきた現れであるといえそうである。人間世界では、民族上の慣習や時代背景の違いもあるし、必ずしも雌が雄を選ぶような動物世界とは異なっているのも、経済性や社会的な役割分担の変化から、外見上の求婚行為を高度化してきたのであろう。寧ろ、国により、地域によって、生物学的上の常識が適用できない特異な種となっているのであろうか。

 

 野鳥の生殖行為はよく分からないところがある。動物のような繁殖行為ではなく、雌の上に雄が乗る行為であるが、水の中に引き込むコサギの様子を求婚行為とされた講師の話を思い出した。かも類等の水鳥では可能なのかも知れないが、あまり水中に入りたがらないコサギでも水中での行為を行うことが不思議であった。

 

 申し上げたことも学問上の定説ではないことをお断りし、鳥類学者ではないので、これ以上不確かなことを申し上げることは避けることにしたい。ほとんどの場合、次に起こる仕草や行為を予測することは可能であるが、必ずしも予測通りには行かないことも多い。


最低賃金

2015年11月26日 00時00分01秒 | 紹介

 安倍首相の経済政策で新たな目標の中に最低賃金を1000円にする案が表明された。全国平均の798円を毎年3%程度増やす方向である。低賃金で働く者にとっては喜ばしい目標である。798円の3%というと24円程度である。翌年は25円程度、母数が増えるので100円といっても10年は掛かる計算である。最低賃金といっても所得税がかかるため、実質的にはもっと長い期間が必要であろう。全国平均は一律でないため、1000円に近い地域であれば、そう何年も掛からないで目標に到達する。しかし、最も低い県は高知、宮崎、沖縄で、693円。東京は最も高く907円、その差は214円である。

 

 ご承知のように最低賃金は地域ごとに労使の代表と厚生労働省の審議会に於いて経済動向、政府の方針等を考慮して決められている。企業が雇用する従業員に支払う最低限の時給であるため、企業によっては最低賃金以上を支払うことは何ら問題とはならないが、最低賃金以下の支払いでは企業側に罰則が適用される。最低賃金と生活保護の給付金との間に、給付水準が逆転し、一時、労働意欲を阻害する状況が起こり、問題となったが、、現在ではそのようなことはない。

 

 こうしてみると全国一律ではないことに気づくが、この解消も是非取り組んでいただきたい政策と思われる。地域格差の是正は、地域活性化ばかりではなく、同一労働における同一賃金及び男女格差問題は最低賃金法で縛りがあるため、簡単には打開できない状況にある。同一労働における同一賃金及び男女格差問題はその発生プロセスが異なり、同じ土俵で論議することは出来ないし、異論もあるところで、特に、非正規労働者が増えている状況から考えると、正社員との格差も大きな問題と認識している。

 

 企業の海外移転が急速に進み、特に中国では労働者の賃金上昇が顕著となっていて、中国から撤退し、さらに賃金水準が低いベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジア等へ進出するか、国内回帰を考えている企業も多いと聞く。国内回帰に当たっては当然地域の最低賃金は、労働者確保の基盤であるインフラ整備環境と、労働力のレベルばかりではなく、重要な選択肢の一つであり、国内回帰のファクターとなっている。

 

 職域と最低賃金とは大いに関連するもので、業種ごとに異なっている。審議会でこれも決められているが、適用除外があり、労働生産性が低い、若年者、学生、障害者、実習生等、最低賃金法の適用が必要ない管理職、専門職、家事手伝い等、また公的部門の被用者も適用除外されている。


北からの便り

2015年11月25日 00時00分01秒 | 紹介

 在職時代には職場が全国に及んでいた。現在も全国に展開している。しかしながら、組織の業務はある時点から大幅に変わったが、変わるきっかけは、職業訓練の対象者が在職者や離職者となり、中・高卒者を対象としていた長期の養成訓練は募集を停止し、再編された。養成訓練は高卒対象となり、全国をブロックに分けて各ブロックにそれぞれ短期大学校2年間か能力開発大学校4年間に引き渡された。従来の養成訓練は2年間の最後の学年が訓練を受けていた時代であった。訓練施設名も職業能力開発促進センターとなっていた。

 

 自分はそれまでに派遣されていた労働省職業訓練局海外協力課から派遣期間が満了して本部組織に復帰した。そこからの転勤となり、函館に赴任したが、新設された開発援助課の管理職であった。開発援助課は、対外的な仕事を行う課で、主に在職者を対象とした能力開発セミナーの企画運営である。雇用保険受給者である受講生の離職者訓練や、機動訓練と呼ばれていた委託訓練の受講者等のお世話役(受講開始から就職まで)でもあった。

 

 地域性もあったが、公共職業安定所とは密接な関係があり、受講生の訓練終了後は、就職のお世話を公共職業安定所と併行して行っていた。当然とはいえ、現職には指導員がほとんどであったため、新たに嘱託を2~3名を配置することになり、開発援助課の職員として採用した。このときの嘱託の一人と数十年ぶりに電話での連絡が取れた。前職はJRの駅長をされていて、定年で退職された方であった。函館は古くから函館ドックと旧国鉄の人員整理とに関わる仕事もあったようで関係が深かった。

 

 電話での話であるが、大変元気そうで、声に張りがあり、在職時と変わらぬ声量であった。既に90歳を迎えられたという。現在もいくつかの重要なポストでの采配をふるわれている様子で、すばらしいことであると敬服して聞き入った。誰もが出来るわけではないが、社会参加というか、組織との関係は意欲を向上させ、まさしく蓄積された経験を、世のために還元されている。人生こうありたいと思う理想を地でいっている方である。

 

 現職時代でも、よく話しに上ったテクニックというか真情は相手の立場になって考えることで、時間と相談を厭わないことだといわれていた。そのせいか、ご本人の周りには、受講生がたえず訪れていたことを思い出す。秘訣を聞こうと思ったが答えは遠慮されて何も言われなかったがおそらく察するところ、相手の立場で考え同調し、共感することだとされるのは間違いないであろう。


多摩川野鳥サロン

2015年11月24日 00時00分01秒 | 紹介

 先日ご紹介した多摩川野鳥サロンが11月22日午後1時から大野先生主催で開催されたので出席した。曇天にもかかわらず20名以上が参集し、スライド形式で紹介された昨年1年間に講師自らが撮影した野鳥写真の数々が上映された。総ての写真は解説付きであった。野鳥の生態は言葉で言っても実際に見ないとよく分からない。写真は必ずしも正確な大きさや目の周りやくちばしの周辺に現れる婚姻色などは光の関係もあり、正しく表示されるわけではない。

 

 一般的にいえることは、ターゲットとなる被写体をどのような環境なのかが分かるように「引いて撮る」とのことであった。もちろん、強調したい部分はトリミングで拡大しても良いのであるが、自然な背景が含まれていることがよいとのことであった。動画や連続写真など、最近のカメラ機能も向上している。しかし大野先生はデジスコ(デジタルスコープ)を愛用されている。軽量で望遠機能が高く、ピント合わせは苦労するようであるが、鮮明な写真が多かった。従って、天空を舞う野鳥等の動態写真の撮影はは必ずしも得意ではない。

 

 動態と遠方被写体の望遠性を兼ね備え、機動性等のトータルを勘案されてデジスコを選択されているのであるが、撮影対象や、テーマによってそれぞれの撮影目的にあう機材を選択すればよいと思う。

 

 興味を引いたのは、サギ類の交尾の様子で、水の中に引き込む激しい写真であった。最初は縄張り争いでけんかしているのか、生殖行為なのかよく分からなかったが、雄と雌がお互いに行う仕草によって、見当が付くといっていた。鶴の雄雌が鳴きながら舞姿を想像すればよく分かる。

 

 多摩川では、数年前から下流の漁業組合等が、放流した丸太ウグイが成長し、カワウやアオサギの餌になっているという。大きすぎて飲み込めない場合もよくあり、カモメ、トビ、カラス等が加わり、野鳥同士の争奪戦が行われる。これらの写真もおもしろかったが、悲劇もある。コアジサシがチョウゲンボウに襲撃され、子育てが出来ず、営巣地を変えたが、洪水で流され、昨年は雛が育つ環境にはなかったようである。

 

 様々の野鳥の生態を知ることが出来た。大変貴重な写真の上映であった。サロン閉会後のこれらの写真は、DVDにして近隣の小学校へ貸し出されるという利用方法をせせらぎ館館長がご披露された。