鳥!連続写真!掲載中!

近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

デジタルカメラ(プリンター技術編)その3

2014年05月31日 00時00分01秒 | 紹介

インクジェットプリンター

 1.カラープリントの種類

 カラープリントの種類には、自己発色型と色材移動型に大別される。自己発色型には銀塩写真・感熱記録などがあり、色材移動型には、印刷、電子写真、ピクトログラフィなどの間接記録と、インパクト方式、熱転写記録、インクジェット、トナージェットなどの直接記録がある。中でも電子写真とインクジェットはメジャな技術としてあげられる。

 2.インクジェットプリンターの仕組み

 1台のプリンターに取り付けられているインクジェットのノズルは8色のインクカートリッジを持つプリンターの場合、6144本である。ノズルと印刷用紙との距離は約1mm、ノズル滴の大きさは約2pl(ピコリットル:直径16μm)、インク滴のスピードは約15m/s(時速60㎞)、1秒間に最大約1.5億個の液滴を吐出することが可能、着滴位置精度数μm以内、インク滴の飛翔時間は約0.1μs以下である。

 インクジェットはA4サイズの写真サイズでは1分間で数億ドットが印刷される。将に驚異的であり、インクジェットは個々のドットを如何に正確な位置に超高速で着弾させるかという技術である。単位として用いるpl(ピコリットル)はインク滴径13μmであり比較として、人の赤血球の大きさが直径8μm、吐出口径が9μm、杉花粉の直径が30μmであるから、如何に小さいかが判る。

 3.身近なインクジェット方式の代表例

 ピエゾ方式とサーマル方式のインクジェットがある。ピエゾ方式はEPSON、Ricoh、Brother、KonicaMinolta等ノズルに圧電素子を取り付けて圧電素子で圧力を瞬時に加えてインクを送り出す方式である。一方、サーマル方式は、熱電体で加熱し、バブルを発生させ、その圧力でインク滴を吐出させる。Canon、hp、Kodak等のメーカーが利用している。サーマル方式はキャノンのオリジナル技術である。(次回へ続きます)


デジタルカメラ(プリンター技術編)その2

2014年05月30日 00時00分01秒 | 紹介

(上述だけでは混乱するので以下は小生が加筆した)

 光源から照射された光は物体の表面で反射・吸収されて目に届く。光は見えるものだが、目に入らない限り見えないのは当然である。であるから直接光源を見るか、何かの物体にあたって散乱したり、反射したり、透過したりして目に入射する光しか見えない。何もない空間を進む光を見ることは出来ない。色は光があるというだけでなく、光を発するか、光を受ける何かを見ない限り見えない。

 では、印画紙の表面で画像の色作りはどのようになるのであろうか。紙の表面に印刷された色の点からの反射光を見ることになるので、色の現れ方は表面色である。この印刷の部分を拡大してみると、点の色はY(イエロー黄)、C(シアン青緑)、M(マゼンタ赤紫)の3色と黒とで出来ている。例しに、3色の色フィルターを準備して白色光を黄色とシアンを重ねたフィルターを通してみると黄色のフィルターで短波長側の光が吸収され、その透過光はシアンのフィルターで更に長波長の側の光が吸収されてしまう。そこで二重のフィルターを通り抜けた光は中間の波長部分だけ、つまり緑色の光だけになる。

  同様にシアンとマゼンタでは青、マゼンタと黄では赤の光だけが残る。つまり、Y、C、Mの3色によって、RGBを作ることが出来るわけで、色光の場合とは原色と二次色(二色が重なった色)が逆になっている。そして、入射光はフィルターを通過する毎に吸収されるので、混色の結果は、元の個々の色よりも暗くなる。従って、光の3原色であっても、印刷インキ等の3原色と相関性を持つため、デジタル化した写真データをプリンターに送ることによって顔料や染料のインクで再現できるのである。(次回へ続きます)


デジタルカメラ(プリンター技術編)その1

2014年05月29日 00時00分01秒 | 紹介

 デジタルカメラで撮影し、記録したもの等はパーソナルコンピュータを経由してプリンターで印刷される。電子データとなったファイルは、写真専用の印画紙に印刷されると、現在では家庭で処理してもフォトラボに依頼しなくても立派で美しい写真が自作できるようになった。このことは偏にプリンターメーカーと印画紙メーカーの技術力のおかげである。

 本稿もキャノン株式会社のインクジェット技術開発センター部長の中島一浩氏の講義内容を纏めたものである。最近のプリンターはカラー印刷に対応しているものが殆どである。

 画像は光などの光源から発せられ、テレビやディスプレイのように光の3原色で表現される画像と印画紙に印刷される画像とがあるが、カラー画像として、ディスプレイの画像は光の3原色が加色混色され、一方、プリンター等で印刷されたカラー画像は減色混色であるため、この変換を行わなければならない。カラーテレビのブラウン管ではブラウン管の内壁に、RGBの3色を発光する蛍光物質が規則的にプリントされていて、伝送されてきた信号が、電子ビームとなって、この蛍光物質にあたるようになっている。電子の衝突した部分だけが発光して、元の画像が合成される。

  光の3原色はRGB(レッド・グリーン・ブルー)である。この3色を混合すると白色となる。因みにR+GはY(イエロー)、G+Bはシアン(青緑)、B+Rはマゼンタ(赤紫)になる。エナメル(印刷インク等)の3原色はCMY(シアン・マゼンタ・イエロー)である。光の反射で見える原色なので、反射光からCMYを差し引けば黒になる。つまり、インクのCMYを混合すると黒になる。シアンとマゼンタを加えると赤紫となり、シアンとイエローを加えるとグリーン、イエローとマゼンタを加えると橙色になる。(次回へ続きます)


デジタルカメラ(画像を撮る技術編)2回シリーズその2

2014年05月28日 00時00分01秒 | 紹介

 オートフォーカス(AF)技術にはいくつか種類があり、位相差AF、コントラストAF、ハイブリッドCMOS-AFである。現在では更に技術進歩していて、デュアルピクセルCMOS-AFが登場している。

  位相差AFは従来の一眼レフカメラの測距点として採用されていて、ピントがあった状態を合焦というが、結像面が前後するためAFセンサーが合焦ポイントを捜すためにレンズをモータで前後させ、ピントを合わす。合焦時間が短時間で済むが、そのため構造が複雑になる。コントラストAFは合焦が遅いが、画像全体で合焦するため、機構がシンプルになり、コンパクトデジカメや一眼レフのライブビュー撮影に利用されている。

  このメカニズムは、撮像素子上の画像のコントラスト最大値を合焦として試行錯誤しながら探し、ピントを合わせる。ハイブリッドCMOS-AFは撮像素子の中にAF素子を作り込む方式で、AF素子は実際の被写体の画素ではなく、周囲の画素から補完することで合焦させる。デュアルピクセルCMOS-AFはイオス70Dでも用いられている方式で、4000万個のフォトダイオードを半分にして搭載していて、撮像面での高速位相差AFが可能となっている。

  最近のデジカメに搭載している手ぶれ補正を行う機能であるIS(イメージスタビライザー)がある。キャノンのデジカメにはレンズシフト式のIS機能が搭載されている。手ぶれセンサーで検出した値を振動ジャイロでレンズ位置をシフトさせ結像位置を安定にするものである。被写体が位場面や高倍率撮影などで起きやすい手ぶれを押さえることが出来る。電源を入れていない状況でカメラを振ってみるとカタカタと音がするがこれは振動ジャイロが動くからである。

  以上が画像を撮る技術編で、キャノン中島氏が行った講義のまとめである。(このシリーズ最終回です)

 


デジタルカメラ(画像を撮る技術編)2回シリーズその1

2014年05月27日 00時00分01秒 | 紹介

 写真はどうして撮れるのか?当たり前と思っていたことを質問されると、答えにとまどうことがあるが、この質問のその一つであろう。カメラやデジタルカメラが生活に普及し、誰でも簡単に写真を身近なものとして利用している。コンパクトデジカメは、携帯電話と同じような手軽さであるが、意外とそのメカニズムまでは判っていない。写真とは写したいと思っている「形」と「色」を記録するものといえるが、形はデータとして表すことは出来そうであるが、色はどのようになっているのであろうか?

 人間が見ることが出来る色は光があるからで、光は電磁波の一種、波であるから波長を持ち可視光線として約400nm(ナノメーター10のマイナス8乗ミリメーター)~700nmの範囲である。眼にはいろいろな波長を持つ可視光線が混ざって入ってくる。それらを分類するとRGB(レッド・グリーン・ブルー)の三原色であり、人間の眼の構造は、網膜にある視細胞がこの3種類になっている。これらRGBの強さの割合で殆どの色が知覚できている。

  デジタルカメラの仕組みは眼の構造と同じ原理で作られていて、レンズを通した被写体を網膜に相当する撮像素子(CCD等)に取り込み、それぞれのRGBのアナログ情報を各画素の明るさを8ビット(0~255)のデータとして数値化し、デジタル記録データ化して画像情報としている。これらのデータはデジタルカメラに内蔵されているCPU(コンピュータ中央演算装置)で行い、コンパクトフラッシュやSDカードなどのメモリに記憶される。

 コンパクトデジカメとデジタル一眼レフは同じ構造をしており、レンズが交換できるデジタル一眼レフはミラーレスもあるが、被写体を内蔵された鏡(ミラー)によってカメラ上部にあるペンタプリズムを通して接眼面に画像を表示している。レンズを通して撮像素子に至る経路は別にあり、撮像の前部にあるミラーは一部の光が透過する構造になっていて、その画像(光)はAF(オートフォーカス)センサーに至る。(次回へ続きます)


アカデェミー出席第4回目

2014年05月26日 00時00分01秒 | 日記

平成26年5月22日

  本日の講義は中原区にある生涯学習プラザで午後から1時間半で行われた。テーマは「カメラとプリンターのからくり」、サブテーマは(美しい写真を撮る・描く技術のヒミツ)、講師はキャノン株式会社インクジェット事業本部長 中島一浩氏であった。川崎市には6事業所があり、従業員は9千人、海外を含めグループ全体で20万人弱という大企業である。数年後には川崎事業所が拡張され、5千人を抱える建物が完成するそうである。

 社名の由来は、1934年にカメラの試作機が完成し、社名を観音(KWANON:カンノン)といっていたが、1956年に社名を変更し、現在も使われているCANONとなっている。現在ではカメラ、オフィスイメージング機器、ビジネス情報機器、コンピュータ周辺機器、光学機器その他の事業を行っている。カメラメーカーがプリンターまで手がけている企業は珍しく、キャノンの特徴ともなっている。

 講義の内容は画像を撮る技術、オートフォーカス技術、手ぶれ補正技術、プリンターの色づくり、画像を描く技術等が中心に取り上げられ、総じて大変高度な技術が導入されていて、詳細、且つビデオ映像の上映により、初心者にも分かりやすい講義であった。最後にビデオでの紹介された、企業の社会貢献である。文化財の保護に力を発揮されていて、綴(つづり)プロジェクトと称し、その複製品を作成し、広く国民へ周知し、現品は風化しないよう保存しているとのことであった。

  具体的な詳細については、平素使っているデジカメとプリンターであるが、今回の講義で知り得なかったメカニズム等、自分なりに整理し、今後ご紹介しようと思っている。


スクリッター(2回シリーズその2)

2014年05月25日 00時00分01秒 | 紹介

  活用アイデア/研究データ

(1)映像多重化システム:従来法の問題点

 同一スクリーンに偏向方向が異なる表示画像と全面白の白画像を重ねて投影し、裸眼でスクリーンを見た際に白画像が見え、表示画像の投影と同じ偏向方向の偏光板を通してスクリーンを見た際に表示画像が見えるようにした表示装置が知られている。しかしながら、上述の表示装置では、表示画面に白画像を重ねて表示画像を隠蔽しているため、裸眼で見る者に何らかの画像を見せることは出来ない問題がある。本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたものであり、特定の視聴者にのみ主画像を見せることができ、他の視聴者には他の画像(副画像)を見せることが出来る情報表示装置を提供することを目的とする。

 (2)本発明の概要

 本技術は特徴として、3D映像と互換性があるプロジェクタ方式を用い、裸眼の視聴者とメガネ使用の視聴者において全く異なる2D画像を表示することが出来るアルゴリズムを中心とした技術である。電子回路などユーザを限定する特殊デバイスを必要とせず、実用化を踏まえた。幅広い応用を開発している。これにより、主画像を見たい視聴者にのみ当該メガネを使用させれば、当該視聴者のみ主画像を見せ、他の視聴者には副画像を見せることができる。

以下略

 審査委員の講評として、一つのスクリーンで、2Dで視聴したい視聴者と3Dで視聴したい視聴者が、同時に視聴できる画期的な技術であると高い評価が与えられている。

(このシリーズ最終回です)