生涯を完結させるまでに歌いたい歌、最近始めたヴァイオリンとフルートはどこまで演奏できるようになるか、と時々ワンコ

死は人生の終末ではない。 生涯の完成である。(ルターの言葉)
声楽とヴァイオリン、クラシック音楽、時々ワンコの話。

中島みゆき ファイト!  大阪府立淀川工業高等学校グリークラブ

2015-04-13 22:25:38 | その他
 何度聞いても聞くたびに涙をこらえられなくなる曲があります。クラシック界の作品ではなく昔風に言えばフォークソング?それとも今風にJ-Popと呼ぶべきか。中島みゆきの「ファイト!」がその一つです。もう10年以上前でしょうか、NHKがプロジェクトXというシリーズでドキュメンタリー番組を放映していました。その中で異色の対象として取り上げられたのが大阪府立淀川工業高校グリークラブでした。放映直後から誇張が酷すぎるのではないかと言う批判がなされNHKが謝罪したと言う後日談もありました。ともかくなかなかに感動的な内容だったので、その番組を見終るや否やネットで検索して淀工グリークラブのCDを発注しました。発注した後で確認すると既に在庫0となっていたので番組を見ていた多くの人が私と同じ行動に出たと思います。

 正面から合唱に取り組んでいる作品もあれば、「時代」や「秋桜」といったJ-Pop(フォークソング?)もあり、「うんこふんじゃった!」とか「ヨーデル食べ放題」という抱腹絶倒の曲を真面目に歌っていたりして、数持っているCDの中でも私にとって大変大切なCDとなっています。そのCDの最後に収録されていたのが中島みゆきの「ファイト!」です。率直に言って中島みゆきの超個性的な歌唱は好きではありません。しかし「ファイト!」にはどうしようもなく涙がこぼれます。なんと言っても謳われている詩の世界にどうしようもなく心を揺さぶられます。けしてメロディアスとはいえない無骨な旋律がその詩を単に攻撃的なだけではなく一段階の高みへと押し上げているとも思います。理不尽に虐げられても、たとえ行動は力ずくで押さえつけられても、心の中の自由・誇りはけして失わないぞ! 自らの弱さと向き合うからこその強さ、自らの弱さを認めて初めて得られる強さが歌われていると思います。

 この曲、動画サイトで中島みゆきが歌っている音源が当然あるだろうと思って探してみましたが、直ぐには見つかりません。吉田拓郎の音源が複数あって、これはこれで結構良いです。福山雅治が歌っている音源もありますが今一だな。私にとっては淀工グリーの高校生の男声合唱が最もしっくりきます。オリジナルに合わせてドラムとシンバルが入っていますが、後はアカペラで始まりピアノ伴奏が入って最後は再びアカペラで終わります。冒頭からかなりの部分ユニゾンで淡々と歌われます。クライマックスに向けてピアノの伴奏も盛り上がって行きますが突然伴奏が停まりアカペラのハーモニーが響きます。淀工グリークラブのCDに接する機会があれば是非お聞き下さい。

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